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「ドンキーコング」25年の歴史ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/2 ページ)

東京ゲームショウの「テレビゲームミュージアム」というコーナーにあった「ドンキーコング」に、あらためてハマっちゃいました。考えてみればこの連載では、今年に入ってから任天堂のゲームを取り上げていなかったので、今回は私が大好きな「ドンキーコング」の魅力について語ります。

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樽に囲まれてプレイしてみた

 今週は、茨城県牛久市の、シャトーカミヤにやってきた。

 「ドンキーコング」といえば樽、樽といえばワインということで、ワインの樽を目の前にして、ファミコンミニの「ドンキーコング」をプレイしたら、リアリティが感じられるかもしれないと思ったのだ。

画像 シャトーカミヤは明治36年に設立されたワイン醸造所。創設者の神谷傳兵衛は、浅草の神谷バーを造った人でもある
画像 樽の大きさはさまざまだが、ドンキーコングが投げた樽は、だいたいこれくらいの大きさだろうか?

 実際にやってみると、予想していた以上に臨場感が得られて、びっくりした。樽があることで、マリオを中心とした視点の画を想像しやすいのだ。

 「ドンキーコング」(任天堂)は、1981年にアーケードに登場したアクションゲーム。樽や段差をジャンプで越えて、コングにさらわれたレディーを救い出すのが目的だ。

 マリオのデビュー作として知られている。このゲームのジャンプアクションが、後の「マリオブラザーズ」「スーパーマリオブラザーズ」につながっていく。

画像 画面はファミコン版。1画面の中に、さまざまな場面がぎっしりと詰め込まれている

 ただし、「ドンキーコング」のジャンプは、空中で着地点を調整できない分、「スーパーマリオブラザーズ」よりちょっと難しい。

 もっとも、実物の樽を見ると、“この大きさの樽だったら、やっとのことで飛び越えるような感じになるのも仕方がないか”と思えてくる。

 1つ1つのアクションに、適度な緊迫感があって、それぞれが映画のワンシーンのような、大事な場面に見えてくる。

 1981年といえば、映画「レイダース 失われたアーク」が公開された年でもあるが、マリオもインディ・ジョーンズに勝るとも劣らない、アクションヒーローだといえよう。

ときめき「ドンキーコング」

 私が初めて「ドンキーコング」を見たのは、この連載でも再三取り上げている、マンガ「ゲームセンターあらし」の中だった。

 1982年のことだから、「あらし」の中でもかなり後期になる(「あらし」のコロコロコミックでの連載期間は1978年〜1983年)。「熱闘!!ゲーム甲子園」の回で、あらし、一平太、さとる組と、大阪代表ラジゴンチームとの、決勝戦で使われた。

 ラジコン飛行機でレバーを操作するラジゴンチーム(なぜ「ラジコンチーム」でないのかは謎)に対し、あらしは必殺技エレクトリックサンダーとグレートタイフーンで、雷を呼んでラジコンを狂わせ、勝利している。この話は、太田出版から出された復刻版では、第3巻に掲載されている。

 私はその後、地元のデパートや遊園地のゲームコーナーで、「ドンキーコング」の実物を目にすることができた。

 このゲームが当時画期的だったのは、4つのまったく異なるステージから構成されていたことだ。

 1面では、上からコングが転がす樽を、ジャンプでかわしてレディーのもとへ向かう。

 2面では、ベルトコンベアを渡り歩いてレディーのもとへたどり着く。

 3面では、上下に動くリフトをうまく利用してレディーのもとへ。

 4面では、あちこちうろつく炎を避けながら、足場となる鉄骨のボルトを外していく。ボルトを全部外せば、コングが下に落っこちて、無事レディーを救い出すことができるのだ。

画像 1面は、樽を飛び越すタイミングと、ルート選択が勝負を分ける
画像 3面(ファミコン版では2面)はタイミング勝負。飛び跳ねるジャッキをよけるのが難しい

画像 4面(ファミコン版では3面)では、炎の動きを見極めて、挟み撃ちされないように気をつけよう。厄介な最上段を先に通過しておくのがいい
画像 ボルトを全部抜くとコングが落下。レディーとマリオの間に、ハートマークが浮かぶ

 個人的には、当時まだ少なかった、“さらわれた女性を救う”という設定も気に入っていた。ぽっかり浮かぶハートマークを見て、「なんか、いいなぁ」という、ときめきを感じていた。

 ただ、ちょっと気に入らなかったのは、主人公がヒゲのオジサンだったこと。

 今でこそマリオといえばゲーム界最強のヒーローだけど、まだ小学生だった私にしてみれば、ルックスが自分とはあまりにかけ離れていて、今ひとつ感情移入できなかった。

 そもそも、当時は小学生がテレビゲームをやることは禁止されていた時代。私は遊園地のゲームコーナーで、人がプレイしているのをながめていたことはあるが、自らプレイすることはなかった。

 そんな状況だった1982年。ゲーム&ウォッチ版「ドンキーコング」が発売された。

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