ちょっと「ちょっとショット」について聞いてみた(2/2 ページ)
11月2日に発売を控えた「ちょっとショット」。PSP専用カメラだけではなく、こちらには撮影した画像や映像を編集する「ちょっとショットEdit」が同梱されている。「ちょっとショットEdit」の開発に携わったSCE長井氏にどのように“アソビが変わった”のか聞いてみた。
―― 具体的に面白い遊び方などあれば教えてください。
長井 開発チームでは間欠撮影とコマ撮りが人気です。上級者向け操作方法ですが、AVIに変換して、さらに編集を施す、というのもありますね。その応用編の1つですが、例えば空中に飛んだところをコマ撮りしてつなげ、ずっと空中に浮かんで移動しているようにしたり、間欠撮影したものを早回ししてすごい勢いで食べているようにしたり。15分〜20分の絵を15秒くらいにすると面白いですよ。
―― フレームがたくさん用意されてますね。
長井 最初は普通のものが多かったのですが、ならではのものにしたかったですね。たくさん、面白いものを満載にしていますよ。個人的に一番気に入っているのは“おみくじ”ですかね。結果が何になるのかわからないのが面白い。にっこりしている顔なのに大凶とか(笑)。フレームに関してはスタッフ総動員で作りました。
―― 機能としては“番犬撮影”が面白いですね。
長井 “番犬撮影”は物音に反応してシャッターを切るんです。セットすると電池とデータ容量続くまで撮影し続ける。スタッフが夜中、会社でテストを兼ねてずっと放置していたのですが、夜中の6時くらいにすごい勢いで撮影している時があって。画面は真っ暗で何も写っていないのに。心霊現象なのかと騒然になりました。泊まっている人間もいなかったし、怖いからデータはすぐに捨てました。
―― マイク付きということもあり、音に対するアプローチも充実するかと思ったのですが、あまり重要視してませんよね?
長井 現状、音量変更とピッチを変えるというだけです。それ以外も考えましたが、実験をしてみると処理との兼ね合いで、音よりはまず絵の作業処理を豊富にすることが優先事項だな、と。
―― ファイルデータは最大どれくらい収録できるんでしょうか?
長井 ファイルの種類によって扱える個数が決まっています。JPEGなら333個。AVIも333個。BHC(ちょっとショットで撮影した際のSCEのみの特殊なフォーマット)が333個。合計999個のファイルが扱えます。それまで撮りきったら終わりです。333の数字は増やしてもよかったのですが、アルバムでスクロールする際、キリがいいところで333に。
―― 「ちょっとショットEdit」というだけあって、どのように編集させるか考えましたか?
長井 最初は悩みましたね。撮っている時にエフェクトをかけられるようにしようという案と、撮った後に編集できるようにしようという2つの考えがありました。当初は撮影する際にフレームなどをつけようと思っていたですが、それだとまだ浅いように思えて。やってみたら楽しかった、で終わってしまうのではなく、編集をして楽しめるようにしようと。PSPのパワーを使い切るくらい本格的なものにしようと思いました。テンプレートやフレーム撮影という機能によって、使いやすいように見せて、使ってからより深く楽しめるソフトを目指したんです。
―― 編集する際のレイヤーはいくつまで可能なのですか?
長井 15秒の映像を撮れます。1本の映像を編集し、例えば7秒と8秒とでつなげることはできません。レイヤーとしては効果が11個あり、テロップが4個、他のモノが2個載せられたりと、わずか15秒の世界で、合計20個くらいの効果を乗せられます。
―― 動画の撮影が15秒という時間は?
長井 時間は長い方がいいんじゃないかとか、画質をもっと上げた方がいいんじゃないかという意見もありましたが、結果的にCM1本分にしようということになった。長くもできたのですが、編集する際に30秒とか1分だと想像より大変になるので。これでやるには“ちょっとショット”という名前ではなく“がっつりショット”じゃないかと(笑)。15秒なら起承転結が構成することができると判断しました。
―― 使ってみると確かにAVIへの書き出しにギリギリ待てる長さですよね。
長井 そうなんです。30秒もあると書き出しに時間がかかりすぎる。「バイトヘル2000」の時もそうでしたが、なるべくロードがなく、待たせないというのがチーム内の基本思想にあって。テンポ重視ですね。だからメニュー画面が軽いのはこだわりました。
―― AVIへの書き出しやVGAでの出力だったりと、PCへの出力も考えてますよね。
長井 昨今はブログに動画を上げることも当たり前だし、PCで使うのは当初から視野にありました。広がりを考えるとユーザーのためにもなりますし。
―― ユーザー間で静止画の交換もできますね。
長井 ええ。今のところ動画はPSPから直接交換はできませんが、メモリースティック経由であれば交換も可能です。
―― 今後、動画を発表する機会などの仕組みは?
長井 公式ホームページからエントリーできるユーザー参加型のイベントを考えています。やはりユーザー同士で盛り上がるのもアリですが、どこか集約できるところで盛り上がってもらいたいので。
―― 今後、追加でのサービスなどは?
長井 将来的には新しい機能がついたものなど出していきたいですね。今回、PSPからダイレクトに動画がネットにアップできないので、いずれそういった機能も追加していきたいですね。
―― ほかにカメラを使ったソフトなどは準備されているのですか?
長井 考えてはいますが、まだ具体的にはあがっていません。将来的にはPS3の「THE EYE OF JUDGMENT」のようにサイバーコードやQRコードなどをカメラで撮影し、何かを立ち上げるようなものなら検討できるかもしれないですね。ビデオチャットのようなものもできればいいと考えていますが技術的な壁があるのでどうクリアしていくかでしょうか。
―― 気が早いですけど「ちょっとショット2」なども期待しますね。
長井 その前にカメラを使ったさまざまなゲームが出てくるといいなと思っています。現状はそれを踏まえて、どんなものが求められているのかを調査しているところですね。それから次を考えるんじゃないかと。「ちょっとショット」は、PSPならではの新しいカメラになっていると思いますのでぜひ楽しんでもらいたいです。お手に撮って! じゃなく、ぜひご自宅でお手に取ってください(笑)。
―― ありがとうございました。
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