PS3が可能にする“次世代ゲームの裏側”に迫る――「RESISTANCE〜人類没落の日〜」Insomniac Games現地取材(その1)(3/4 ページ)
PS3のローンチタイトルの中で、特に北米市場におけるキラータイトルとしてユーザーから大きな注目を浴びている「RESISTANCE(レジスタンス)〜人類没落の日〜」。今回はシングルプレイでのストーリーと、マルチプレイモードについて聞いてみた。
キャラクターの表現力は劇的に進化。これもまたPS3の力か
キャラクターの造形やアニメーションに関しては、リードアニメーターのケビン・グロウ氏、リードキャラクターデザインのデーモン・イアヌズエッリ氏からPS2とPS3の違いについて興味深い話を聞くことができた。
見ていただきたいのは「レジスタンス」の制作過程でリアルになったキャラクターの動きを確認するために試験的に作られた「Animation Zoo」(ゲーム本編には登場しない)。これは「どの武器をどの場所にヒットさせるかで敵のやられモーションを確認する」サンプルだが、ヘッドショットで倒せば崩れ落ちるように倒れるし、ショットガンであれば右腕に当てると体ごと右ひねりで吹き飛ばすことができる。橋の上や壁を背にした敵も。ヒット時の距離や部位によって細かくリアクションが変化する。もちろん、この動きもすべて物理演算によって計算されたもので、実際のゲーム上で反映されていると言う。
「アニメーターにとってPS3の良い点は、メモリが大きいことだ。キャラクターアニメーションはPS2(「ラチェット&クランク」)では30種類しかなかったからコミカルな表現にしてあるけど、PS3はアベレージで一体あたり400種類のアニメーションが入るからリアルで“真実味”を高めることができる。レベルによってはとても大勢のキャラクターが登場する場所もあるが、今回はバラエティーに富んだアニメーションを実現できた(グロウ氏)」。実際にゲームをプレイしていても『こう撃てば相手のバランスが崩れて足場から落ちるな』といったさじ加減がゲーム上できっちり反映される」(グロウ氏)。
モデリングとグラフィックは“正常進化”
キャラクターデザインに関しては、“親近感”と“恐怖感”の2つのアプローチが取られたと言う。味方である人類側の兵士は、歴史的に実在するユニフォームを模したデザインで、敵であるキメラ側は「人が本能的に嫌がるもの、具体的には獣、虫、ブギーマン(いかにもなモンスター)を組み合わせたデザインにしている。敵の動きについても、見た目から「こう動いたらイヤだろうな」と人が連想するものを選んでいる」(イアヌズエッリ氏)。
モデリングについては、当然ながらPS3になって見違えるほどリアル。開発画面でPS2とPS3のモデリングの違いを見せてもらったが、単純なポリゴン表示数の差以上に、服・筋肉といったマテリアルの質感表現、スペキュラーマッピングによる陰影表現といったCG技術の進化がとにかく効いている印象だ。PS2と比較して、PS3で使えるテクスチャーは256倍にまでボリュームアップしているとのことだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.