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「テイルズウィーバー」はいかにして100万IDを獲得したのか「テイルズウィーバー」インタビュー

ネクソンジャパンが運営しているMMORPG「テイルズウィーバー」は、サービス化してから2年を経た今年11月に登録者数を100万人に達したと報じた。なぜ本作は日本でこれほどまでに受け入れられたのか?

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左から
ネクソンジャパン 運用部 ゲーム運用チーム 山附諮b氏
ネクソンジャパン 運用部 ゲーム運用チーム 阿部寿頼氏
ネクソンジャパン マーケティング部 マーケティングチーム 坂下智久氏

 ネクソンジャパンが運営しているMMORPG「テイルズウィーバー」のサービスを開始したのが2004年9月のこと。無料化と度重なるプロモーション展開の成果もあって、ここ数カ月で登録会員数を伸ばし、今年11月に100万IDを獲得した。8月には200人のユーザーを集めた「テイルズウィーバー ユーザーカンファレンス2006」も開催、12月6日から12月20日までの期間中、100万ID突破記念イベントが行われるなど、「テイルズウィーバー」は今まさに隆盛を極めている。

 壮大なストーリーとキャラクターが魅力的な「テイルズウィーバー」は、韓国のファンタジー小説を元に開発されたMMORPGで、8人のキャラクターが織り成すさまざまなストーリーが人気で、韓国において2003年6月に正式サービスが開始されて以来、10代から20代を中心に支持され、2004年2月から日本でオープンβテストをスタート。同年9月には正式サービスを開始、さらに2005年10月にはプレイ料金を定額制から基本接続料無料へ移行し、11月からはアイテム販売も開始している。

 「テイルズウィーバー」は現在、エピソード1の最終章が実装されております、11月末にはエピソード2の導入に先立ち、“雪の町エルティボ”を実装。来年前半にはエピソード2の導入を予定している。

おめでとう100万ID!

 本作がこれほど登録者数を獲得したことについてネクソンジャパン マーケティング部 マーケティングチーム 坂下智久氏は、やはり無料化したことが大きかったと振り返る。

 「これで遊ぶ間口が広くなった。もちろん積極敵なプロモーションと運用チームの努力、そしてアップデートの速度とタイミングがよかったということもあります」と、飽きさせない努力が実を結んだ形となったと説明する。特にプロモーション活動としては、4月以降から読売テレビ系列「名探偵コナン」のスポンサーとなり、ファミリーレストランが舞台となった高校生男女4人が登場するテレビCMを放映したことが認知度を高めたのでないかと分析する。綿密なスケジュール管理と毎月なにかしらのイベントなどを重ねたことが功を奏した。口コミもあって、無料化された時よりも最近のほうが多く新規IDを獲得しているのだとか。

 アップデートも従来は3カ月〜4カ月の間隔だったものが、2カ月間隔とアクティブになった印象と阿部氏。その間もイベントは多数行われ、常にユーザーに刺激を与えている。今年9月に行われた植樹祭では、初のサーバ対抗という試みも成功した。阿部氏は、みんなで頑張ろうというプレーヤー意識が根付いたのも成功の要因だったかもと語る。20日まで行っていたクリスマスツリーに100万個の装飾アイテムを飾るイベントでも、当初100万個も集まるのかと懸念していたのだがそれは杞憂に終わり、あっという間に各サーバとも80万個(インタビュー時)に達しているほど、サーバの団結力は高まっているのだとか。

 マビノギとも運営面で兼業している山侮≠ヘ、ユーザーの望んだタイミングでの過不足ないコンテンツの導入や、途切れないイベントの開催など、この数ヶ月はスケジュール的にもかなり強引に推し進めた感があったと言及。更に新規のユーザーが増えていく中で、その1つのサーバーに対して許容できるユーザーの限度数を超えない内に、新たにサーバ追加をタイミングよく出来たことに触れ、「8月、10月と短い期間に立て続けに2台サーバを追加できた」と出来すぎだったと思い返す。それぐらいやらないと追いつかないほど新規が増えたというわけだ。

 本作の魅力について坂下氏は、原作のあるストーリー……根幹がしっかりしていることを一番と答える。この物語重視が、コンシューマゲームが強い日本でも、素直に受け入れた背景にあるのではないかというのだ。昨今、スタート冒頭でフィールドに何をしてもいいからと投げ出されるタイプのゲームが多い中、ストーリーに沿った8人のキャラクターと彼らに対応したストーリーは、十分引きつけるだけの存在感を持っている。

 阿部氏もキャラクターの可愛らしさを挙げながらも、音楽へのアプローチも忘れてはならないと、聴いているだけでも満足できるクオリティを保証する作品と語る。そして山侮≠ヘ、本作がいわゆるやり込み系ではない層に訴求できたことを挙げ、手軽で簡単という敷居の低さとゲームの奥の深さが持ち味であり、ユーザーに難解なことを強いないゲームデザインが魅力と答える。

 テイルズはプレーヤーの10代、20代をコアとしながらもその裾野を広げ、多くのファンを獲得している。それは、前述した「テイルズウィーバー ユーザーカンファレンス2006」でも、実証されている。

 最初は緊張し、ひたすらキャラクターの名前を間違えないようにとガチガチだったと振り返る坂下氏は、ファンの方々がムービーを見て笑顔になっているのをステージ上から見て純粋に「やってよかった」と思い、頑張っていこうと緊張もほぐれたのだとか。思ったよりも女性の参加者も多く、参加してくれた人がその後自身のブログなどに詳細をアップするのを見て感慨深かったと阿部氏も同意見とうなづく。イベントでアンケートを取ったのだが、皆内容自体は好意的で、唯一空調が寒かったことが残念だったと、内容について充実していたのだと理解できた。今度実装予定のエピソード2に関しても報告でき、その点でもいいタイミングだった。次回イベントについては、いくつかの反省点も含めて検討し継続して続けていきたいとしている。

 また、先月実装した雪の町エルティボについても触れ、20日以降にも雪だるまを助けるイベントや、シベリンの誕生日イベントなども控えている。今後は、ウェブマネーとキャラクターを生かしたプレゼントキャンペーンも開始されるし、ネットカフェで接続した人が購入できる初出しのショップアイテムなども用意されるという。

 新マップ「雪の町エルティボ」は11月29日に実装された、雪降り積もる極寒の町、レンム王国の首都である。ナルビク港から乗船賃を支払い、船に乗れば行くことが可能で、町の中にはお菓子の家やおもちゃの家など、かわいらしくデザインされた場所がある。新しいNPCとして「ジンジャーマン」や「接待ペンギン長男」など、合計27キャラクターが登場した。


 これからの目標について坂下氏は、日本のユーザーに“受け入れやすい”のが本作の一番のウリという考えの元、コンシューマしか遊んでない人が最初に遊んでもらえるタイトルとして育てていきたいとコメント。阿部氏も韓国の開発チームとの連携を密にし、日本独自のアイテムであったりイベントを増やしていきたいと希望を述べた。両者とも日本での本作の好調が、要望を聞き取りやすい環境を作ってくれたと語る。山崎氏は「テイルズウィーバー」というコンテンツが抱えるユーザー数を例に取り、エピソード2の実装やマップの拡大に伴う増大とは別に、サーバの追加などの現実的な増加も計られている。コミュニティの強化も含め、本作にはまだまだ可能性をはらんでいるという。

 本作の魅力はストーリーと3人は口をそろえる。日本語に翻訳されたことで名ゼリフへと変貌した場面も多く、原作とゲームの違いを発見する楽しさもあるとか。ゲームをゲームとして見ても、スキルの振り分けであったり、各レベル帯によっていろんな遊び方ができるところに面白さはあると推測できるだろう。

 オンラインゲームといえば「テイルズウィーバーじゃないの?」と言われるモデルケースとなれると自信を見せる。エピソード2も実装されていないが、どうせならば「テイルズウィーバー2」につながっていければいいという希望も持っていた。継続的に適度なタイミングで飽きさせない工夫をこれからも行っていくことを3人は約束した。

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