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綺麗なバラの周りはゾンビだらけでした――“オトナ”だけが楽しめる要素が満載の骨太アクション「お姉チャンバラ vorteX 〜忌血を継ぐ者たち〜」レビュー(2/2 ページ)

プレイステーション 2のSIMPLE2000シリーズとして発売され、コアな人気を集めていた「お姉チャンバラ」シリーズ。その最新作がなんとXbox 360で登場。低価格ソフトからフルプライスパッケージへと変わった本作、その完成度は?

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キャラクターを成長させる楽しさもアリ

 本作は、キャラクターたちが成長する要素もある。敵を倒すと出現する“イエローオーブ”を入手したり、ステージでの活躍に応じて経験値を入手でき、一定以上溜まるとレベルアップする仕組みだ。レベルが上がると、キャラクターのステータスを上昇させられる。どのステータスをどれだけ伸ばすかはプレイヤー次第なので、好みのタイプに成長させることが可能だ。

 ステータスは、コンビネーション攻撃の最大回数に関係がある“SKILL”、体力を表す“VITALITY”、攻撃力を表す“POWER”、攻撃範囲に影響を及ぼす“REACH”がある。なおアンナは剣ではなく銃で戦うため、“REACH”が存在せず、代わりに銃の攻撃力と貫通力に影響する“GUN”というステータスが存在している。

 注目したいのは“SKILL”の項目だ。このステータスを成長させると、より段数が多いコンビネーション攻撃を繰り出せるようになり、戦闘シーンでの選択肢が増える。爽快感もアップするので、積極的に上げていきたい項目だ。

レベルアップ時に得たポイントを割り振ってキャラクターを強化する。どれを伸ばすか悩みどころだが、それがまた楽しい
“SKILL”を伸ばすと、より多彩な攻撃が可能に。ちなみにこれは、操作を練習できる“プラクティスモード”。“COOLコンビネーション攻撃”のタイミングも調べられる

特殊条件である“クエスト”を満たすと特典が!

 本作には“クエスト”というシステムが用意されている。これは、例えば“短時間でボスを撃破する”というように、さまざまな条件を満たすと取得できる目標のこと。各クエストは、さらにレベルが3つあり、より良い条件を満たすと、上位のレベルを取得できるという仕組みだ。

クエストは全部で20種類。未取得のものは、取得条件すら不明なのだ。クエスト名である程度の想像はつくが……

 ゲームクリアには直接関係ないこのシステムだが、クエストを取得すると、各キャラクターの追加コスチュームや壁紙が特典として入手できるというメリットがある。ゲームクリアーよりも、むしろコスチュームを入手する優先度の方が高い人も多いと思うので、かなり重要なシステムだと思われる。

 さてこのクエスト、条件が難しいのもさながら、“実際に解放するまで条件が表示されない”のがプレイヤー泣かせな点だ。取得してみたら意外な条件で驚いた、という楽しさはあるものの、自力で全ての条件を見つけ出すのは、ライトゲーマーには少々辛いように思える。逆に、ヘビーゲーマーは満足できる仕様だろう。

コスチュームでウハウハしなさい!

“DRESSESUP”でキャラクターモデルを鑑賞することも可能。肌の質感やモデリングはリアル系

 “クエスト”にて入手した追加コスチュームは、“DRESSESUP”モードで着替えることができる。登場キャラクターの魅力が高い本作だけに、この要素に引かれているファンも多いだろう。

 コスチュームは、“HEAD”(頭)、“ARM”(腕)、“TOPS”(上着)、“BOTTOMS”(脚)、“LEG”(足)の5カ所のパーツを、それぞれ別に設定可能。衣装に加えて、髪や肌の色を変えることも可能だ。

 お気に入りのコスチュームにコーディネートしたら、その設定を保存することが可能だ。プレイ時には、その保存先の中から、好みのものを選択して遊べるという仕組みになっている。

こんな感じで、各パーツ別々のコーディネートが可能。ただ、肝心のコスチュームを集めるのはそれなりに大変なのだ

 コスチュームは数種類あり、例えば彩の上着だけを見ても、“Tシャツ”、“ノースリーブ”、“Tシャツ+デニムベスト”とバラエティーに富んでいる。ユーザー的にはもっともうれしい“下着”のみのコスチュームもあるが、こちらは最初から選べるという大盤振る舞い(?)っぷりだ。ちなみにコーディネート画面では、キャラクターを鑑賞できる。ズームや回転も行えるので、その美しい肢体をタップリ堪能できるのはナイスポイントだ。

 ただ、欲を言えば、もう少しコスチュームが多いとうれしかった。また、デフォルトのコスチュームはパーツとして登場しないため、標準の恰好をアレンジさせることはできないのもちょっと不満に思える。

手軽に遊べてボリューム満点、気分転換にもよし

 フルプライス版だけあり、ステージ数のほかやり込み要素も多数用意されている本作。ボリュームタップリのため、隅から隅まで遊び尽くそうと思えば、かなり長時間楽しめることだろう。また爽快感が高く、謎解き要素もほとんど無いため、手軽に遊べるのも長所だ。

 ただ、不満がないわけでもない。筆者が個人的に気になったのは、映像のクオリティがやや低いことだ。プレイ画面は全体的にボヤけたようにみえ、Xbox 360の長所である高解像度でのクッキリ感が感じられない。これはおそらく、他の一部のソフトでも見られるように、レンダリング時の解像度がD4よりも低いからであろう。メニュー画面や“DRESSESUP”はD4の解像度で描画されていてクッキリと表示されるため、余計にそのギャップが気になるのだ。

 また、操作性が少々悪いのも気になった。思い通りの方向に移動してくれないことがあり、ストレスを感じることが多々あった。アクションゲームとしての面白さに大きく関わる部分だけに、この点は非常に残念だ。

 トータルで見ると、かなり楽しめることは間違いないであろう本作。プレイを重ねるとアクションの幅が広がり、また敵も強力になるため、戦闘がどんどん面白くなるのは、かなり気に入っている。ライトユーザーとコアゲーマーの、どちらのニーズにも応えられるため、この年末年始のメインディッシュとして、十分に活躍してくれるだろう。

「お姉チャンバラvorteX〜忌血を継ぐ者たち〜」
対応機種Xbox 360
メーカーディースリー・パブリッシャー
ジャンルアクション
発売日2006年12月14日
価格7140円(税込)
対応人数1〜2人
(C)2007 TAMSOFT (C)2007 D3 PUBLISHER


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