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大スクープ? お姉ちゃんが水着を着る理由が今、明らかに……Xbox 360「お姉チャンバラ vorteX 〜忌血を継ぐ者たち〜」インタビュー(1/2 ページ)

2007年も「お姉チャンバラ」三昧ということで、レビューに続いてお姉チャンバラ制作チームのタムソフト、ディレクター兼デザイン担当の手塚俊介氏と企画担当の大橋俊郎氏にインタビュー。お姉チャンバラに隠された真実がついに明かされる?

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 お手軽ゲームを低価格で楽しめるというコンセプトのもとにリリースされてきた、ディースリー・パブリッシャーのSIMPLEシリーズ。そんな低価格ソフトながら、バツグンの面白さでヒットしたのが「お姉チャンバラ」シリーズだ。プレイステーション 2用として全部で4作発売されたこのシリーズの最新作がXbox 360用としてリリースされた。それもフルプライス版として。CEROの審査では、対象年齢18歳以上のみの“Z”指定となった本作はどのような想いが詰まっているのだろうか?

Xbox 360にプラットホームを移した理由、そしてその結果は?

お姉チャンバラ制作チームのタムソフト、ディレクター兼デザイン担当の手塚俊介氏(右)と企画担当の大橋俊郎氏(左)。年の瀬も押し迫るあわただしいスケジュールの中、インタビューを快諾してくださった両氏に感謝

―― かなり好調な売れ行きということで、おめでとうございます。早速ですが、いままでプレイステーション 2で制作をされていた「お姉チャン」シリーズを、なぜXbox 360で制作することになったのでしょうか。

手塚氏 まず、プレイステーション 2だと表示できるポリゴンの数であったり、エフェクトに制限がありまして……。Xbox 360ですと、シェーダー部分が強化されているというのもあって、体の表現もリアルにできるのかなというのがきっかけですね。それから、残虐表現などのレーティングも、ハードウェアごとにいろいろありますから……。

―― 実際、開発中という発表があってから、発売までに結構時間がかかりましたが、やはり新ハードということもあって手間がかかったんでしょうか?

手塚氏 最初の発表の段階、あそこからちょこちょこ解析を始めまして。ただ、時間がかかったというよりも、「お姉チャンポン」と「お姉チャンバラ vorteX」の開発が同時スタートだったので、実は、両方の企画書を同時に出してるような感じでしたね。だから実際に手を動かせるようになったのは「お姉チャンポン」が終わってからだったんですよ。

―― 実際にXbox 360上で開発をスタートさせてみて、いかがでしたか? たとえば「このスペックが活かせるから楽だ」という部分や、「今までと全然違うから難しい」という部分では。

手塚氏 とにかく何でもできてしまうので、「どこで止めるか」っていうのが非常に苦労したところですね。やればやるほど良いものができるんですけど、それだと期間内に終わらないという葛藤で、みんな苦労してる所はあったと思います。

―― 少しお尋ねしづらい部分でもあるのですが……。Xbox 360はハイデフを提唱しています。その中で、対応解像度がD4ではなく、D3にした理由というのはどこにあるのでしょうか。

画質よりも実の爽快感を重視したことによって実現したcoolコンビネーションはゲーム中でも非常に重要な攻略ポイントになってくるという

手塚氏 それはですね、僕たちはアクションゲームがかなり好きでして、結構フレームにこだわってるところがあるのです。だから、なるべくアクションゲームである限り秒間60フレームで出したいと。なので見た目の画質よりも実のフレームを採ったような形になりますね。ちょっと30フレームまで落ちてしまう場所もあったりするんですけれども。

大橋氏 ゲームシステムの中に目押しでボタンを押していくとつながる「coolコンビネーション」であったりとか、その辺のフレーム重視のゲームシステムがかなり盛り込まれてまして。逆に画質優先の30フレームにしちゃうと、ゲームの肝である爽快感が損なわれてしまうんです。

Zレーティングとして再登場した「お姉チャンバラ」の世界

―― 今回、新ハードに移行したことで、かなり新しいユーザーさんが増えているということですが……。

大橋氏 お客様の声など聞いていても、確かに増えていますね。もちろん新規のユーザーさんをある程度見越して作ってはいたんですけど、それよりも多かったのは驚きですね。

手塚氏 今回、新規のユーザーさんが多くいるであろうという風に考えて、結構ゲーム自体派手目に作っています。過去に「お姉チャンバラ」から「お姉チャンバラ2」にするにあたって、かなりマニアックにしてしまったんです。coolコンビネーションの判定が厳しかったり、魅せメインであまり実用性の無い技があったり。なので今回は一度整理しました。

―― では、初めてのプレーヤーの方向けに気を遣ったポイントがかなりあるわけですか。

手塚氏 そうですね、プラクティスモードをていねいに作っています。こういうアクションものの操作って、普段のゲームプレイでは練習にしにくいところがあるんです。格闘ゲームでは、ちゃんとしたプラクティスモードがあったりしますよね。お姉チャンバラもアクション要素が高いので、それを入れたいなと思っていました。サバイバルモードもそうですけど、キャラクターを成長させたらとりあえず斬りたいだろうと。ゲーム中だと移動したり、途中にデモとか入ってちょっと面倒に感じるんじゃないか、ということでただただ斬るだけのものも付けたいなと。そこから産まれて来た感じなんです。

―― 今回は、さらにZレーティングになっていますが、そこに踏み込んだ理由というのは?

Zレーティングで可能になった血の表現。ゲームが進んでいくとさらに強烈なシーンが待ち受けている

大橋氏 本作プロデューサーの岡島さんが「血の色をピンクにしたりとか、ゾンビを斬るとパーツが派手に飛ぶとか、そういった表現をおさえるよりは、Z指定で本当に大人向けのユーザーに合わせた演出であったり、エフェクトであったり、18歳以上のユーザーにちゃんと向けて作っていった方がこのシリーズは適してるだろう」という判断を下されまして。

―― じゃあ、突き抜けてしまえ、みたいな?

大橋氏 そうですね。むしろ「やれるところまでやっちゃえ」的な感じで……。

手塚氏 初代と「チャンプルゥ」っていうのはZ指定なんですけど、「2」と「お姉チャンバラ」っていうのはDレーティングなんですよ。なぜかというと、血の色がピンクだからなんですけど。しかし、ユーザーの皆さんはそこに凄く不満を抱いていたようで。僕らもピンクはちょっと違うなというのはあって、次はぜひとも赤でやりたいなと思っていました。

大橋氏 「2」の時も最初は血の色を赤で作っていまして、Dレーティングになるという事で途中から……というか最後の最後の段階でピンクに色調整をして、Dレーティングで出せるようにしたんです。それまで色を変えるまで赤でやっていて、やはり赤とピンクではゲームのプレイ感覚が全然違うんですね。画面に飛び散るエフェクトが、全体的に赤なのかピンクなのかで、ゲームの感触っていうのがかなり変わりまして。その辺も含めて岡島さんが、今回はZレーティングが良いだろうと判断されたのかなというところですね。

―― それ以外の部分で、Zレーティングだからできたところ、というのは?

インタビュー中に話のあった「メニューを開いたらいきなり下着」のシーン

手塚氏 あとはセクシー表現ですかね。もうダイレクトに言いますけど(笑)。メニュー開いたらいきなり下着っていうのが相当……。

―― オープニングも結構すごいですよね……。

手塚氏 これはちょっとしたこだわりがありまして。どうしてもシャワーシーンは必要だろうと(笑)。まずそこから入りましたね。

―― Xbox 360ですと、他社さんもセクシー路線がいくつか出ていたりする中で、お姉チャンバラはいわゆる“普通のセクシー”という感じがしますが。

手塚氏 あんまり狙いすぎたセクシーさ、というのは好きじゃないので、そっちは狙っていないですね。技やモーションに関しても、女の子らしいものがあまりないのはそこらへんに理由があります。僕らは硬派な男の子を作ってるのと一緒の感覚で作ってますから。とにかくカッコ良く、闘う女性の美しさに焦点をあてています。正直な話、セクシーな女の子の方がお客さんのひきが良いっていうところから、このシリーズが始まった感があります。ですが、中身はばっちり硬派なアクションを作ってるつもりです。

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