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長い長い「ストリートファイターII」の話ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

連載35回めにして初めて、カプコンのゲームを取り上げます。「ストリートファイターII」です。とにかく書きたいことがいっぱいあるので、特に文章全体の分量やまとまりなどは考えずに、思いつくままに書いてみました。

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春麗は今、何歳か?

画像 あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。今回は格闘ゲームを取り上げるので、昨年の大みそかに格闘技イベントが行なわれた、さいたまスーパーアリーナで写真を撮りました

 「対戦格闘ゲーム」という新たなジャンルを確立した「ストリートファイターII」(カプコン)。

 1991年、アーケードに登場して大ヒット。翌1992年にはスーパーファミコンに移植され、290万本(「2006 CESAゲーム白書」)ものセールスを記録した。

 このスーパーファミコン版は、昨年12月2日、Wiiの発売とともにバーチャルコンソールで配信が始まった。もしかしたら、Wiiで初めてこのゲームに触れる人もいるかもしれない。

 そしてオープニングデモを見て、「あれ?」と思った人もいるかもしれない。

 スーパーファミコン版のオープニングデモでは、各ファイターのプロフィールが表示される。その中にはそれぞれの誕生日も書かれているのだが、生まれた年がみな、かなり昔なのだ。

画像 画面はスーパーファミコン版。リュウとケンが使う波動拳は、このゲームを代表する必殺技の1つ
画像 春麗のプロフィール。全ファイターの中で唯一、体重を公表していない
画像 こちらはリュウのプロフィール。「クモは昆虫じゃない」というツッコミが、当時のゲーマーのお約束だった

 例えばリュウは昭和39年(1964年)生まれ。スーパーファミコン版発売当時は27歳だったが、今42歳だ。

 ケンはリュウより1歳年下の41歳。最年長のダルシムは、何と54歳。

 ああそして、紅一点のファイターで、当時絶大な人気を誇った春麗(チュンリー)は1968年生まれ。とうとう38歳になってしまったのだ。

 架空のキャラクターでありながら、生まれた年が設定されたのが悲劇だった。いまやファイターたちは30代後半から50代。おじさんおばさんばっかりだ。

 といっても、38歳の春麗がどんな姿になっているのか想像がつかないので、1968年生まれの有名人にどんな人がいるか、調べてみた。

 春麗は1968年3月1日生まれだが、その1日前、2月29日に生まれたのが、あの飯島直子さん。

 ほかにも同い年の有名人には、菊池桃子さん、鈴木京香さん、小島奈津子さんなど、きれいな女性が多い。

 ……なんだ、じゃあ春麗もまだ若いのか。

 ちなみにリュウの誕生日は、内村光良さんと1日違い。阿部寛さんや堤真一さん、岸谷五朗さん、高知東生さんとも同い年だ。

 ケンは南原清隆さん、ヒロミさんと1日違い。先頃引退したアーネスト・ホースト選手も同い年だ。

 ブランカ(1966年)に至っては、佐々木健介選手や高山善廣選手、ボビー・オロゴンさんといった、現役のプロレスラー・格闘家と同い年である。

 そう考えると、全員まだまだ若い。ファイターを十分続けていける年齢なのだ。

 ……リュウは温水洋一さんやイジリー岡田さんとも同い年、ケンは江頭2:50さんとも同い年だが、それについてはこの際触れないでおこう。

「バトル・オブ・ストII」の結末が気になる

 「ストリートファイターII」の前作「ストリートファイター」は、1987年、アーケードに登場した。「II」と違って、1人プレイでプレイヤーが操作できるのはリュウ1人だった(2人対戦ではリュウ対ケンになる)。

 そしてこのゲーム最大の特徴は、筐体に巨大なボタンが2個ついていて、これを押す強さに応じて、リュウの出す技も弱中強の3段階に変化することだ。

 ちなみに「ファイティングストリート」というタイトルで、PCエンジンに移植されている。CD-ROMシステム「CDロムロム」のローンチタイトルだった。

 アーケードでは、巨大なボタンを使う代わりに、3段階の攻撃をそれぞれ別のボタンに割り振った、テーブル筐体もあった。パンチボタン3つにキックボタン3つ。1レバー+6ボタンという、珍しいコントロールパネルの誕生である。

 「ストリートファイターII」は、初めからこの6つボタンスタイルで登場した。前作と違って、8人の個性的なファイターの中から、使用キャラを選ぶことができる。8人はスピードもリーチの長さも、1つ1つの動きも違う。

画像 プロレスVS相撲の異種格闘技戦。関節技がないのは、レスラーにとってはキツいルールか

 K-1グランプリが始まる1993年より以前、異なるスタイルの格闘技同士での戦いといえば、アントニオ猪木さんに端を発する“異種格闘技戦”のイメージが、まだ強かったような気がする。どの選手が、というより、どの競技が最強なのかというところに、ファンの興味は集まっていた。

 その雰囲気が、「ストリートファイターII」にも表れているように思う。登場するファイターの会得した格闘技が、空手に相撲、プロレス、中国拳法、マーシャルアーツ、ボクシング、ムエタイなど。立ち技系の格闘技は、ひと通り網羅されていた。

 まあ、中にはヨガとか野生児とかサイコパワーとか、変なのもあるが。

 ルールは立ち技主体だが、投げ・つかみ有。システム上、ガードだけしていればほぼノーダメージだったので、ガード崩しのために投げを取り入れたと思われる。

 もっとも、かみつきとか、火を吐くのとかもOKというのは、いちばんルールがゆるかった頃のUFCよりすごい。

 ファイターはそれぞれ、個別の必殺技を持っている。

 もともと前作の隠し技から発展しているためか、必殺技を出すには、ちょっと複雑なレバー操作を必要とする。

 私も今でこそ、「レバー下、右下、右、パンチ」、いわゆる波動拳コマンドくらいなら難なく出せるが、最初はパンチボタンを押すタイミングがつかめず、技が全然出なかった。

 そのために、使用キャラをダルシムから春麗に変えたくらいだ。春麗は必殺技のコマンドが比較的簡単だし、1人プレイならそれほど必殺技を使わなくても済む。当時の「マイコンBASICマガジン」に攻略法が載っていたが、投げ技だけ狙っていけば、かなり進めるのだ。

画像 いまや、猫ひろしさんのギャグとしてもおなじみの昇龍拳
画像 春麗の百裂キックは、キックボタンの連打で出せる

 マイコンBASICマガジンといえば、「バトル・オブ・ストII」という連載小説が忘れられない。

 同誌のライター・編集者による「ストリートファイターII」のリーグ戦を、多少フィクションを交えて小説にしたもので、予想外にエドモンド本田が活躍したり、“リュウ・ケン部屋”が結成されたり、プレイヤー自身がブランカになりきったりと、すごくおもしろかった。

 ただ残念ながら未完に終わり、誰が優勝したかは今でもわからない。

 昨年は、「カプコン クラシックス コレクション」の収録作として、「ストリートファイターII」がプレイステーション 2でも遊べるようになったし、暮れには前述のとおり、Wiiのバーチャルコンソールにも収録された。だから「バトル・オブ・ストII」を完結させるなら今だと思うんですけど、山下章先生、いかがでしょうか?

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