長い長い「ストリートファイターII」の話:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
連載35回めにして初めて、カプコンのゲームを取り上げます。「ストリートファイターII」です。とにかく書きたいことがいっぱいあるので、特に文章全体の分量やまとまりなどは考えずに、思いつくままに書いてみました。
ドラマを作るゲーム
「ストリートファイターII」は、実はシミュレーションゲームの「信長の野望」と、共通点が多いんじゃないかと思う。
- 主人公を、何人かの中から選択できる。
- このとき選ばなかったほかのキャラを、次々と倒していくことで、ゲームが進行する。
「ストリートファイターII」にも「信長の野望」にも、主人公的な人物は一応いる。リュウと信長だ。でもどちらのゲームでも、主人公以外の人物をプレイヤーキャラにすることができる。そしてその人物を主人公にして、ストーリーが展開するのだ。
ストーリーといっても、どちらもゲーム中にイベントシーンが挿入されるわけではない。しかし「ストリートファイターII」では、各ファイターの戦う理由が明確に設定されているし、「信長の野望」に出てくるのは実在の人物だ。だからゲームの展開を見て、プレイヤーが彼らの物語を、頭の中で補完することができる。
例えば、「ストリートファイターII」に出てくるムエタイ戦士・サガットの胸には、大きな傷がついている。これは「ストリートファイター」(I)でリュウに昇龍拳を食らったときについたもの。
この設定を知っていれば、リュウでプレイしてサガットと対戦するときに、ゲーム中には出てこない、リュウとサガットの会話を想像できるだろう。
また、ストーリー上のつながりや因縁はなくても、リュウがダルシムの伸びる腕や脚を見て、どんな反応を示すかとか、春麗がブランカのルックスを見てどう思うかとか、いろいろ想像するのも楽しい。
実際、ダルシムやブランカなどは、ゲーム以外のストーリーメディアでは、あまり主人公にはなり得ないキャラクターだろう。私が「ストリートファイターII」をプレイしてまず感動したのが、ダルシムのような特異な能力を持ったファイターを、プレイヤーが操作できることだった。
さらに、各ファイターにしっかりエンディングが用意されている。だからどのファイターを選んでも、ストーリーはちゃんと進行して、ちゃんと完結するのだ。
そう、どんなに変な容姿をしていようが、アクが強かろうが、すべての人間が、主人公になれる。……こう書くと、さだまさしさんの歌みたいだ。
ちなみに、さだまさしさんは、ダルシムと同い年。
春麗に似ている女子プロレスラー
8人中唯一の女性ファイター、春麗。セクシーな脚線美と、格闘ゲーム初心者が使っても使いやすい操作性とが相まって、たいへんな人気キャラクターになった。
春麗人気の影響か、後に出た対戦格闘ゲームの多くに、1人か2人女性ファイターが登場する。
私も、「ストリートファイターII」なら春麗、「ワールドヒーローズ」ならジャンヌ、「餓狼伝説2」なら舞、「龍虎の拳」ならキング、「バーチャファイター」ならサラかパイ、「ファイターズヒストリー」は、リョウコが使いにくいんでフェイリン、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」なら、アテナとキングとユリでチームを組む。
初心者でも使いやすかったこともあって、とにかく女性キャラばっかり使っていた。
(それなのに、「デッドオアアライブ エクストリーム ビーチバレーボール」には、まったく興味がわかないのが不思議)
春麗の話に戻るが、昔「週刊プロレス」に、「春麗と、女子プロレスの豊田真奈美選手は似ている」という文章を、載せていただいたことがある。
春麗と豊田選手には、素早い、キックが強い、投げが強い、飛び技が多い、回転系の技がある、誕生日が近い(誕生年は違う)、などの類似点があったのだ。
ただ、春麗の気功拳(気の塊を飛ばす技。「ストリートファイターIIダッシュターボ」以降で使用)に相当する技が、豊田選手にはないので、ミゼットプロレスのリトル・フランキー選手から“真空投げ”(離れた相手を投げる、というか、相手が勝手に転ぶ技)を習ってみてはどうだろうか? ……と、こんな内容だった。
今考えたら、こんなしょうもないネタが、よく「週刊プロレス」に載ったもんだと思う。
春麗といえばもう1つ。スーパーファミコン版「ストリートファイターII」が発売されたときには、そのテレビCMで、当時デビューして間もない水野美紀さんが、春麗の役を演じていた。
おかげで私なんかは、テレビで水野美紀さんを見ると、いまだに春麗を思い出してしまう。
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