CES会場で見つけたおバカなグッズなど：2007 International CES（1/3 ページ）

International CESでは、毎年おバカなグッズも多数展示されている。今年もいくつか怪しいグッズを見つけたので、それらをまとめて紹介しよう。

[平澤寿康，ITmedia]

HMD付きFPS専用コントローラ

　3001 ADというメーカーが発売する「TRIMERSION」という製品。この製品は、ガンタイプのコントローラと、小型液晶パネルが取り付けられたヘッドマウントディスプレイ（HMD）がセットになったFPS専用のコントローラだ。価格は395ドルと結構高い。

　HMDに取り付けられている液晶パネルは解像度が640×480ドット。家庭用ゲーム機のゲーム画面を表示させるには十分な解像度が確保されている。また、ガンタイプのコントローラは、トリガースイッチが2個と、アナログスティックが2個（前方左右に1個ずつ）、十字キー、ボタンが10個用意され、マクロ機能を持つボタンも存在している。

　プレイ時には、頭にHMDを取り付け、ガンコントローラを手に持ってプレイすることになる。HMDにはモーションセンサーが取り付けられており、頭の動きに応じて視点をコントロールできるようになっており、振り向いた方向にゲームの視点も移動する。

TRIMERSIONのガンタイプのコントローラ。2個のトリガーにアナログスティックや十字キーが見える

反対側にもアナログスティックやボタンが配置されている

付属のヘッドマウントディスプレイ。640×480ドットの小型液晶が2個搭載されており、ゲーム画面が表示される

　ゲーム機側には、付属のベースステーションを取り付ける。対応ゲーム機は、プレイステーション 2やXboxなど。USBコネクタも用意されているので、PCでも利用できる。ベースステーションから伸びるコントローラ接続ケーブルをゲーム機に接続し、ゲーム機の映像・音声出力をベースステーションの入力端子に接続する。HMDとガンコントローラは、ベースステーションとワイヤレス接続され、ゲームの画像や音声、コントローラで入力した信号などが無線で送受信される。HMDとガンコントローラはケーブルで接続されているが、ゲーム機との間はワイヤレスとなるため、プレイ時にケーブルが邪魔になることもない。直感的な視点操作が可能で、ケーブルが邪魔になることもなく、プレイ時の臨場感はかなりのものだ、と係員は豪語していた。

　実際にゲームをプレイしてみたところ、確かに頭の動きに応じて視点がコントロールでき、なかなかいい感じでプレイできるな、と感じた。しかし、そう感じたのも最初の数分のみ。HMDで操作できるのはあくまで視点の操作のみで、移動はガンタイプのコントローラに用意されているアナログスティックを利用する。そのため、臨場感もちょっと中途半端な感じを受ける。しかも、時間が経つにつれて視点の位置がずれていき、正面を向いているのに画面は正面を向いていない、という状態になってしまう。

　他の来場者が試している姿を見ても、やけに上の方や下の方ばかり見上げてプレイしている人が何人もいたが、それは視点がずれてしまっているからのようだ。かといって、FPSプレイ時に視点を調節している暇はなく、そのまま無理やりプレイしなければならない。その姿を外から見ていると、かなりマヌケだ。

　そして、それ以上に問題なのが、HMDを取り付けると外が全く見えなくなってしまう点だ。HMDを頭に付けるには両手を必要とするが、HMDを付けてしまうと外が全く見えず、コントローラがどこにあるのかわからなくなる。また、ボタンの位置を把握していない状態では、コントローラ自体も手探りでの操作となってしまう。これはかなりつらい。せめて、HMDを付けた状態でも手元が見えるようにするぐらいの工夫は必要だろう。それなりに高度な技術が盛り込まれている製品ではあるのだが、やはりおバカグッズとしか思えないものであった。ただしHMDを使うこともあり、ゲームプレイのためのテレビは全く必要ない。その点だけは魅力のある製品といえるかもしれない。

ベースステーションにはゲーム機からの映像と音声を入力する。HMDやコントローラとは無線接続となる

ベースステーションはゲーム機のコントローラ接続端子に接続する。接続端子はプレイステーション／プレイステーション 2用やUSBなどが用意されている

プレーヤーはやや下を向いているが、画面を見ているわけではなくHMDの表示位置がずれているから。テレビの前に立っているが、テレビ画面や手元は全く見えていない