ハードがつながる、プレーヤーがつながる――Wiiでつながるポケモン“革命”:「ポケモンバトルレボリューション」レビュー(1/3 ページ)
Wii本体発売から2週間を待たずして「ポケモンバトルレボリューション」が発売された。単体でも十分に面白いが、ニンテンドーDSの「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」で育てたポケモンを登録してWiiでバトルすることができる点が、本作の大きな魅力だ。
据え置き型ハードと連動し続けたポケモン その最新作がWiiで登場!
「ポケットモンスター」(以下、ポケモン)シリーズは、任天堂の携帯型ハードの歴史をなぞるかのように作品を重ねているシリーズだ。ゲームボーイ用ソフトとして「ポケットモンスター 赤・緑」が登場して以来、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーDSと、ハードの進化に合わせて新しいポケモンの世界が提示されてきた。
そんなポケモンシリーズには、本編以外にも多くの番外編的なタイトルがある。中でも本編と密接な関係を築いてきたのは、NINTENDO64で発売された「ポケモンスタジアム」に始まる“携帯型ハードで育てたポケモンを据え置き型ハードで戦わせることができる”一連の連動タイトルだ。
64GBパックという周辺機器を利用した「ポケモンスタジアム」は、その後「ポケモンスタジアム2」、「ポケモンスタジアム金銀」という続編につながっていく。ここまではゲームボーイ用のポケモンとの連動を実現したタイトルだ。続いて、携帯型も据え置き型も1世代進むと、ゲームボーイアドバンス用「ポケットモンスター」の各バージョンとゲームキューブ用ソフト「ポケモンコロシアム」の連動が楽しめるようになった。これはGBAケーブルという周辺機器を利用したもので、バトルがメインの「ポケモンスタジアム」に比べるとRPG寄りになっているのが特徴だった。
当初から「ポケットモンスター 赤」、「ポケットモンスター 緑」という2バージョンがあり、通信ケーブルを使った交換や対戦に重きを置いていたポケモンシリーズだけに、据え置き型ハードとつながる遊びにも、常に積極的だったと言える。そしてニンテンドーDSでシリーズ最新作「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」がリリースされ驚異的な本数を出荷し、任天堂の新しい据え置き型ハードであるWiiが発売されたとなれば、ファンはこの流れを期待していたに違いない。そう。WiiとニンテンドーDSが連動した新しいポケモンバトルへの期待だ。
その期待に応えるべく登場したのが「ポケモンバトルレボリューション」である。ニンテンドーDS版「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」が発売されてから3カ月足らず、Wiiが発売されてから2週間弱という順調すぎるほどに順調なタイミングで世に出た本作の、新世代のポケモンバトルについてお伝えしていこう。
リモコンを横に持ったっていいじゃない――横持ちのススメ
本作は、大きく分けるとコロシアムモードとDSバトルモードの2つに分別される。
まずは両モード共通のオプションについて言及しておきたい。本作のオプションは“操作方法”と“実況音声”のみだ。“実況音声”は単純に「あり」か「なし」かを選択できる。そして“操作方法”ではWiiリモコンを縦に持つか横に持つかを選択できるのだ。
現状、縦に持って画面上にポインタを出してAボタンを押して選択する、というのがWiiリモコンの主流な使い方だと言っていいだろう。しかし、バーチャルコンソールでファミコンのタイトルをプレイするときに採用される、横持ちで十字キーと「1」ボタン「2」ボタンを駆使する、という操作方法もある。本作ではこの2種類のどちらにも対応しているということになる。
そして、筆者のオススメは断然横持ちだ。ポインタによる精密なアクションが必要だというわけではないし、コマンドを選ぶために長くスクロールしなくてはならないということもない。そんな本作でのポケモンバトルでは十字キーと「1」ボタン「2」ボタンによるシンプルな操作が何ともしっくりきたのだ。
センサーバーを意識せずに、手元でリモコンを握ったり寝転がってプレイしたり、という環境は思いのほかに快適。本作をプレイするなら、まずは横持ちでのプレイを試してほしい。もちろん縦に持ってポインタでコマンド選択することもできるので、お好みに合わせてセッティングしよう。
育て上げたポケモンを引き連れて、オリジナルパスでいざバトルへ!
コロシアムモードは、1人プレイをメインに据えた、じっくりたっぷりとポケモンバトルを楽しめるモードだ。
ニンテンドーDSの「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」を持っていなくてもレンタルパス(あらかじめプレーヤーキャラとプレーヤーのポケモンが決まっているパスポートのようなもの)ですぐにプレイすることができるが、もしあなたが「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のいずれかのバージョンを持っているのなら、迷わずニンテンドーDSとWiiを連動させてほしい。
連動についてはコロシアムモード内のストレージで“ポケモンをコピー”を選択することで可能になる。注意してほしいのは、一度ニンテンドーDS版「ポケットモンスター」からコピーをすると、それ以降は同じカートリッジのデータしかコピーできないということ。「ダイヤモンド」も「パール」もプレイしているという人は、どちらのポケモンを本作に登録したいのかを決めておく必要があるというわけだ。コロシアムモードのセーブデータは4つまで作れるので、別々のデータで“ポケモンをコピー”すれば問題はないわけだが、この仕様はいささか寂しいと思ってしまった。
ニンテンドーDSで育てたポケモンを管理する「ポケモンボックス」的な機能を期待してはいたのだが、実際は一方的にニンテンドーDS側のデータをコピーするのみなので、ニンテンドーDS側であふれ返ったポケモンを収納しておく、という使い方はできない。飽くまでもWiiでの対戦用にデータを移しているだけだ、というプレーヤー側の心の割り切りも必要だ。「ポケモンボックス」機能を搭載したタイトルについては、今後の動向に期待、といったところだろうか。
とはいえ、一度コピーしてしまえば、その後ニンテンドーDS側でやり込んでレベルが上がったポケモンのデータなども簡単に同期してくれるので、コピー作業の煩雑さはない。育成はニンテンドーDSで、バトルはWiiでと割り切って臨むのがよいのかもしれない。
さて。そんな流れでストレージに「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」のデータがコピーされたら、お次はオリジナルパスを作成してみよう。バトルパスという項目で、オリジナルパスを作ることができる。まずは「しょうねん」、「おにいさん」、「マッチョ」、「おんなのこ」、「おねえさん」、「しょうじょ」から好きなキャラを選ぼう。
このキャラには名前がつけられるうえに、見た目を細かくカスタマイズできる。最初は選択肢が少ないがコロシアムでのバトルを重ねてポケクーポンと呼ばれるポイントをゲットすれば、ショップでアクセサリーなどが買えるのだ。
さらに、オリジナルパスではキャラのセリフを自由に変えることができたり、パスデザイン、かたがきなどを変更することができる。これらを細かく自分仕様にすることで世界にひとつだけの真のオリジナルパスができるはずだ。
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