今週はのんびりと「けっきょく南極大冒険」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)
連載第36回は、「イー・アル・カンフー」とともにKONAMIのファミコン参入第1弾ソフトとなった、「けっきょく南極大冒険」。作られたのが四半世紀近く前なので、今から見るとかなり単純ですが、ちょっとした時間に何となくプレイしてしまう、そんなゲームです。
青空の下でのんびりとプレイしようと思ったが……
前回書いた「ストリートファイターII」の記事が非常に長くなったもんで、書き上げたらもうぐったり。
こんなときは、のんびりしたゲームをやって、頭をちょっと休めたいと思った。
そこで今回プレイしたのが、「けっきょく南極大冒険」。MSXからの移植作で、ファミコン版は1985年に発売された。ペンギンを操作して、南極にある各国の観測基地を回り、南極大陸を1周するアクションゲームだ。
どうせなら屋外で、日の光を浴びながらプレイしたいと思ったので、南極にちなんで、お台場・船の科学館にある、南極観測船「宗谷」の前までやってきた。
南極観測船を背景に、「けっきょく南極大冒険」をやることで、遥かなる大陸の息吹が感じられるのではないか。そう思っていたのだが、ここまで来た時点で、携帯型ファミコン互換機「ポケファミ」を、家に忘れてきたことに気づく。
しかたがないので船の写真だけ撮って、ゆりかもめに乗って帰ってきた。素直に家でプレイしよう。
走れペンギン! 飛べペンギン!
「けっきょく南極大冒険」は、当時では珍しかった、疑似3D視点のアクションゲームである。
主役はペンギン。昭和基地を出発して、9つの観測基地と南極点を巡り、制限時間内に南極を1周するのが目的だ。
南極ではさまざまな障害が待ち受ける。氷の穴や、クレバス(氷の割れ目)があり、足を踏み入れると、つまずいてしまう。ペンギンは、ジャンプでそれらをかわしていく。
ときどき氷の穴から、アザラシが顔を出すことがある。アザラシのいる穴は、正面からジャンプで飛び越えることができない。
一方で、氷の穴からは魚も飛び出してくる。うまくキャッチすると得点が入る。また、氷上には旗が立っていて、これも取ると得点になる。
ファミコン版では、次々と色が変わる旗を取ると、「ペギコプター」というアイテムが手に入る。ジャンプボタンを連打すると、ペンギンの頭のプロペラが回り、一定時間空を飛べるのだ。クレバスや氷穴はもちろん、アザラシも正面衝突でない限り避けられる。ただし、飛んでいる間は横移動できない。アザラシと正面で当たることのない、コースの端っこで使うのがいいだろう。
連続ジャンプを極めよう
……とまあ、これで内容がほぼ全部説明できるくらい単純なゲームではあるのだが、何度かプレイしているうちに、いろんな攻略法が見えてきて、なかなか奥深い。
例えばアザラシ。実は同時に2匹出てくることはない。だからアザラシが出ている間、ほかの氷穴はジャンプで越えてもだいじょうぶなのだ。また、魚が出てきた穴からもアザラシは出ない。
クレバスは連続して現れることが多い。ペギコプターがあればまとめて飛び越せるが、ないときは、できるだけクレバスを近くに引きつけてからジャンプするといい。もし次のクレバスが続いていたとしても、2本一緒に越えられることが多い。
運が悪いと、つまずいている間にまた別の障害物につかまって、氷穴やクレバスを渡り歩く、“おっとっとスパイラル”とでも言うべき状態に陥ってしまう。ゲームオーバーになるときはたいていこれが原因。
「けっきょく南極大冒険」は、レースゲームのようなシステムだが、普通のレースゲームと違って、余ったタイムが次のステージに持ち越されない。どのステージも、設定された時間内にゴールしないと即ゲームオーバー。ほんわかとした見た目や、ゆったりとしたBGM(スケーターズワルツ)に反して、意外にシビアな緊張感がある。
とはいえ、難易度は(レベル1から3まで選択できるが)全体的に低めで、気楽に遊べる。何度かつまずいても、特に問題なくゴールできるだろう。
面クリア式のゲームだが、多くの面をクリアするというよりは、点数を稼ぐゲームといえる。旗や魚といった、取ると点数が入るアイテムが多い。さらに、氷穴やクレバスを飛び越えても得点が入る。
1周するのは割と簡単だが、ひとたび点数を追求しだすと、長く遊べるゲームになるかもしれない。
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