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かんたん! かわいい! 奥深い! 新作MMORPG「コンチェルトゲート」――基本料金無料で4月サービス開始スクウェア・エニックス/NHN Japan共同記者発表会(1/2 ページ)

スクウェア・エニックス/NHN Japan共同記者発表会で発表された新作MMORPGは「コンチェルトゲート」。MMORPG「クロスゲート」の続編にあたる本作は、ハンゲームのコンテンツとして基本料金無料でのサービス提供となる。

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 2006年1月24日、ラフォーレミュージアム六本木にてスクウェア・エニックス/NHN Japan共同記者発表会が開催された。2社の提携による新作MMORPGの発表だとは告知されていたが、タイトルに関しては事前の発表なし。どんなタイトルが飛び出すのか分からない状況で発表会は始まった。

 冒頭、グランドピアノ、バイオリン、チェロ、ギターなどによるアンサンブルで、あたたかい印象の音楽が奏でられた。司会の片岡さんによると、「突然の演奏に驚かれたかもしれませんが、先ほどの曲は新作MMORPGの音楽です」とのこと。この時点でもタイトルの発表はない。続いてアニメーション制作会社JCスタッフによるプロモーションムービーが大きなスクリーンに映し出された。

 空から振ってくる金髪の少年、ファンタジックな世界観を思わせる城、手をつないで城内を駆ける少年と少女、5人の個性的なキャラたちによる冒険、緑色のねずみ、手強そうなモンスターとのバトルなどの気になる映像が流されたのち、最後に画面に登場したのは「コンチェルトゲート」というタイトルロゴだった。ここで初めてこのたびの発表会が「コンチェルトゲート」の発表会であることが明らかになった。

テーマとして“手をつなぐ”というコンセプトで制作されているムービー

スクウェア・エニックス代表取締役社長 和田洋一氏

 続いてスクウェア・エニックスの代表取締役社長である和田洋一氏が壇上に登場した。「オンラインゲームの世界では新しい作品、新しい遊び、新しいお客様、新しいビジネスモデルなど、毎日さまざまなイノベーションが起こっている。オンラインゲームはコンテンツのフロンティアだと思っている」と述べた。

 「コンチェルトゲート」はやさしい世界のなかで楽しんでいただける作品だと、和田氏。「弊社でもオンラインゲームの運営はやっているが、チャレンジしていない部分もいくつかある。最高のパートナーであるNHN Japanとコラボレートすることで最高の状態で『コンチェルトゲート』を皆様にお届けしたい」とコメントし壇上をあとにした。

NHN Japan代表取締役社長 千良鉉氏

 続いてNHN Japan代表取締役社長である千良鉉(チョン ヤンヒョン)氏が壇上に上がった。「昨年より積極的にゲームのパブリッシングに取り組んできた。世界に通用するゲームを数多く輩出し、とりわけRPGでは抜群の開発力を誇るスクウェア・エニックスのゲームは、目の肥えた国内のお客様にも十分満足していただけるものになると期待している」と述べ、「このたびのスクウェア・エニックスとの提携は、弊社のゲーム戦略において大変重要な意味を持っている。ハンゲームは、ゲームポータルとしてサービスの規模、お客様の数を拡大してきた。お客様のニーズも多様化するなか、ゲームポータルとしては、良質なコンテンツを確保すること、多様なジャンルのゲームを確保することが必要であり、良質なゲームコンテンツを持つパートナーの存在は重要だ。スクウェア・エニックスは高い開発力を備えており、ゲーム品質の信頼も高いので、提携することがサービスの拡充にもつながる」と、スクウェア・エニックスの開発力への信頼をアピールした。

 その上で「オンラインゲームのサービスは、ゲームの面白さとともに運営力が要となってくる。『コンチェルトゲート』ではスクウェア・エニックスの高い開発力とNHNジャパンの運営ノウハウのコラボレートによりで高品質なエンタテインメントが提供できる。オンラインゲームは始まって7、8年の若いサービスだが、ブロードバンドの普及とともに注目も集まっている。当初はコアゲーマーを中心に形成されていたが、最近はカジュアルユーザーを中心にプレーヤー層に広がりがでてきた。現在1900万人の登録があるハンゲームは創業当時からオンラインならではのサービスにこだわってきた。多種多彩なゲームラインアップとコミュニティをベースに、オンラインで遊ぶことの楽しさをより多くの方に伝えていきたい」と、自社の運営力に強い自信を見せる発言をしてくれた。

スクウェア・エニックス エグゼクティブ・プロデューサー 齊藤陽介氏

 次にスクウェア・エニックスのエグゼクティブ・プロデューサー、齊藤陽介氏が登場。「コンチェルトゲート」は、5年半以上前に齊藤氏が運営を開始した「クロスゲート」の続編であることを述べ、簡潔ではあるが「クロスゲート」の歴史を語ってくれた。「クロスゲート」は、現存する国産最古のMMORPG。日本国内だけでなく、中国大陸、台湾などのアジア各国で展開しているタイトルだ。

  • 2001年7月 日本にて「クロスゲート」の発売・運営が開始
  • 2001年9月 台湾で発売・運営が開始
  • 2002年3月、中国で発売・運営が開始
  • 2002年12月 「クロスゲート パワーアップキット 〜竜の砂時計〜」発売
  • 2003年12月「クロスゲート パワーアップキット2 〜楽園の卵〜」発売
  • 2004年12月「クロスゲート パワーキット3 〜天界の騎士と星詠の歌姫〜」発売

 上記のような流れで、長くユーザーに愛されてきたMMORPGが「クロスゲート」だ。特に中国、台湾での実績が大きく、中国では類型会員数2300万人以上、最高同時接続数11万人以上を誇っている人気タイトルとなった。それらを踏まえたうえで齊藤氏は「『クロスゲート』の孫だと思っている『コンチェルトゲート』を、日本で一番のMMORPGにしたい」と本作にかける意気込みを伝えてくれた。

スクウェア・エニックス プロデューサー 渡辺範明氏

 続いては実際のゲーム画面をスクリーンに映してのデモプレイムービー、そして壇上にはスクウェア・エニックスのプロデューサーである渡辺範明氏が上がり、ゲーム内容についての説明を行った。

 「コンチェルトゲート」は、かんたん、かわいい、奥深いというコンセプトで、作りは本格的だが遊び心地としてはかなりカジュアルなMMORPG。基本料無料というのもあり、これまでのオンラインRPGに抵抗のあったユーザーにも気軽に遊んでいただけるタイトルになった、と渡辺氏。その後、スクリーンで実際のゲーム画面を見ながらの説明が続いた。

 まずはキャラセレクト画面。本作では1人のユーザーが複数のキャラを作り随時選びながら遊べるようになっている。ベースボディ34体(男性17体と女性17体)が存在し、さらに細かくカスタマイズできる。ゲーム中に手に入る装備品(色違い含まずに50〜100着くらいは用意する)の着替えで見た目がガラリと変わるので「ほとんど自分と同じ見た目のキャラはいないだろう」と渡辺氏。

 フィールドは、2D的な演出を施された3D空間でできている。空間的な広がりを表現しつつもイラストの中を歩いているような、独特の童話的な雰囲気を目指している、とのこと。

 操作方法については単純明快。マウスの左クリックで移動、会話、調べるという操作が可能。渡辺氏は「直感的な操作体系なので、ゲームに不慣れでも楽しんでいただけると思う。操作の障壁をなくして、たくさんの新規ユーザーに遊んでほしい」と述べた。

 最大5人パーティによるプレイが可能。パーティ移動時は先頭プレーヤーだけが移動操作をする。モンスターとのエンカウントは、移動中にランダムエンカウントする方式。

 本作で採用されている「移動と戦闘で画面が切り替わる」方式はコンシューマーRPGでは多く見られるが、オンラインRPGでは珍しい仕様。この切り替わる演出がある場合は、プレイのテンポが損なわれるケースもあるが、敵味方最大10体が同時に登場するにもかかわらず、本作ではかなりさくさくと遊べるように作ってある。また、ランダムエンカウントではなくマップ上にモンスターがいるミッションもある。基本的に敵を左クリックしているだけでも戦闘をこなせるが、戦闘システムは奥深いものに仕上がっているようだ。

 本作の戦闘と双璧をなす重要な要素が「生産」だ。初期職業の約半数が生産職。調理師、武器防具職人などが存在しており、材木を切る、鉱石を掘るなどして素材を得たり、その素材を元にアイテムを生成して売買をすることができる。また、フィールドマップがリアルタイムに地形変化し、生産するためのアイテムの配置にも変化が出たりする。「動的に変化する世界を作っている。長い間飽きずに遊べるようになっているはず」と、生産と地形変化の奥深さにも自信ありという様子だった。

 「さらに遊びの幅を広くとっている」と言う渡辺氏は、敵モンスターを封印して、自分のペットにすることができる要素を説明した。すべてのモンスターを使い魔にできる、というこのシステムは「それだけでも1つのゲームになるほどリッチな仕様」とのこと。「新しい世代のカジュアルPCオンラインゲームとして楽しんでいただけると思う」と締めくくった。

ここで演奏された「ファンブルグのテーマ」は、ホームタウン、故郷をイメージして作られた落ち着いた感じの曲だった

 その後は冒頭でピアノの演奏をした音楽担当の伊藤賢治氏が再度登場。「クロスゲート」の音楽も担当して、本作も引き続き音楽担当をしている伊藤氏は「『クロスゲート』の音楽で見せたファンタジックな明るいところに加えて、本作の音楽ではシリアスで大人な雰囲気も出してみた。今までの流れとはちょっと違う。曲の深みのある部分も受け取ってほしい」というコメントをし、続いて冒頭のメンバーとともに再度演奏を行った。

 その次に壇上に登場したのはNHN Japanマーケティング担当の御手洗達生氏。今後の本作に関するプロモーション展開について説明が行われた。

 「幅広いお客様との繋がりを目指す」と言う御手洗氏からは、各メディアと繋がるマルチタイアップに関する話が聞けた。

  • 文化放送やair impressにおいて「コンチェルトゲート」の番組を放送(番組タイアップのオンラインイベントあり)
  • インターネットラジオTABLIERにて、攻略内容が聞けるコンテンツを用意(楽しい仕掛けを準備しているが、詳細はまだ発表できない)
  • CURURU(NHN Japan)にて、ユーザー参加型のキャンペーン(オープンサービスまで詳細発表は控える)
  • サイバーエージェントのアメーバブログ
  • トイメーカーYUJINから提供される「コンチェルトゲート」キャラクターグッズ

 その他、タイアップを中心としたイベント連動企画を予定しており、これらのプロモーション活動を1次から4次まで段階的に行っていくとのこと。その流れについての説明もあった。

  • 1次アクション:シークレット60(公式サイトで2月1日からカウントダウンしていく。毎日何かしらの新情報をサイトで見れるようにして、ユーザーの期待を高めていく)
  • 2次アクション:前述したラジオ番組などによるプロモーション
  • 3次アクション:オンラインイベント連動企画など
  • 4次アクション:YUJINとのタイアップ(商品展開については「今はまだ言えないが面白い企画がある」と御手洗氏)、リアルイベントの実行、CURURUによるお客様参加型キャンペーン
NHN Japanマーケティング担当 御手洗達生氏とアクションプランの説明
NHN Japan「コンチェルトゲート」運営統括 田代克行氏

 御手洗氏のあとに登場したのは、NHN Japan「コンチェルトゲート」運営統括の田代克行氏。ハンゲームにおける本作の展望について語った。

 中心的な顧客層は「ハンゲームのお客様」、「RPGファン」、「オンラインゲームエントリー層」を意識しているとのこと。4月のサービス開始から2007年12月までの間に100万人のユーザーが登録する、というのが目標と語る。1月24日に1万人のクローズドβ会員の募集を開始し、2月26日から28日までに第1回クローズドβテスト、3月中旬に第2回クローズドβテストを行い、4月にオープンサービスを開始し、5月以降に課金アイテムのリリースをしていくというスケジュールを説明した。

NHN Japan取締役副社長 森川亮氏

 最後に壇上にはNHN Japanの取締役副社長 森川亮氏が姿を見せ、閉会の挨拶をした。「スクウェア・エニックスの開発力と弊社の運営力、コミュニティの力を活かして、日本独自のMMORPGの成功モデルを確立させたい」と意欲ある発言で最後を締めくくってくれた。

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