「ナゾ解明!」のカタルシスは、寝るのも忘れるほどの快感に:「レイトン教授と不思議な町」レビュー(3/5 ページ)
レベルファイブ初パブリッシングタイトル「レイトン教授と不思議な町」は、ナゾいっぱいの新感覚アドベンチャーゲーム。今回は、本作の雰囲気そのまま(?)に、推理小説風にレビューを進めてみる。
「隠蔽」――あらゆる場所に隠された、メダルやナゾを見つける
その後も、新たなナゾを解き、遂に不思議な町の中に入れた。しかし、町の住人だけでなく、出てくるナゾが一癖も二癖もありわたしたちの行く手を阻んで行く。
「まだまだ序盤なはずなのに、ナゾの出てくる頻度が多いですね。しかも、同じ30ピカラットのナゾでも、難しく感じたり、簡単に感じたり」
「それは、ミシカ君に得意なナゾと、不得意なナゾがあるからだろうね。30ピカラットぐらいなら、発想を変えてみれば案外簡単に解けるものが多いさ」
「発想の転換ですかぁ……?」
「そう、そういう時は、気分転換をするのが一番いいだろう。よし、部屋にこもっていても仕方がないし、ちょっと表へ出てみよう」
「へ? せ、先生? ナゾ解明(レビュー)はどうするんですか?」
「なんのためのニンテンドーDSだね? 持って行けばいいじゃないか」
「なるほど。で、どこに行くんですか?」
「それは、お楽しみってやつさ」
そう、携帯ゲームの最大の特徴である持ち運べる点を利用し、わたしたちはニンテンドーDSを持ち外へと出てみた。
「先生! ユウタン先生!」
「なんだいミシカ君、そんなに慌てて」
「写真、写真! わたしたちすごく子供なんですけど、いいんですか? しかも、妙に生活感がある服だし」
「別にいいんじゃないか? レイトン教授はCEROでいうところのA区分(全年齢)対象だし」
「そうじゃなくて、ここまでのわたしたちのキャラ設定って事ですよ」
「あー、それは……。別に“中の人”が書いてるから気にしない、気にしない」
「中の人って、ただのおっつぁんですよね」
「ただのおっつぁんだ。だから気にしない。ほら行くよ」
そう、気にしない。書いているのが誰であれ、わたしがナゾを解明(レビュー)すれば問題ないのだから。些細な問題はスルーして、目的地に向かうため電車に乗って移動をするのだ。電車の中でも、ニンテンドーDSならばプレイが可能だが、周りの乗客に迷惑にならないように注意をしなければ。ミシカ君と交代でナゾを解きながら先へと進めている時、車両がガクンと揺れタッチペンが画面上の何でもない個所を指した。その時、画面に反応が……。
「ん? 今何か出たようだ。ヒントメダル?」
「えーと、説明書によるとヒントメダルとは、ナゾに行き詰まった時に使用すると、最大3つまでヒントを与えてくれるそうです。1つのヒントに対して、1枚のメダルが必要らしいですよ」
改めて画面を見直して見る。
「今、この袋のあたりに触れた時に出たところを見ると、他にも出る可能性はあるみたいだね」
そう言うなり、わたしは早速画面上のあらゆる場所をタッチして行った。予想通り、他にもヒントメダルを得られる個所があり、着実に枚数が増える。同じように町の他の場所へと移動し、先程と同じく画面上をタッチした。しかし、今までとは違う反応の出る個所があった…。
「先生、隠されたナゾ? ってなんでしょうか?」
「どうやら、町の中にはヒントメダルだけでなく、ナゾまでもが隠されているようだね。さすがレベルファイブと言ったところか。やり込み要素をふんだんにばら撒いているようだ」
こうして、現状で行ける個所すべてを周り、ヒントメダルと隠されたナゾを探し出したわたしたち。いよいよ、依頼主の元へと行き、ラインフォード家の遺産分配のカギ「黄金の果実」について、捜査を進めようとする。新たな登場人物たちに翻弄されながら、ここから物語は急展開を見せ、殺人事件が起きてしまった。
「ナゾ解きの多さもすごいですけど、物語の展開もなかなか激しいものがありますね」
「いやいや、やっと本番が始まったと言う感じだよ、ミシカ君。ここからがわたしたちの腕の見せ所だろうね。さ、ここで降りるよ」
「あ、まだ電車に乗ってた体(てい)なんですね……」
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