元祖大食いファイター「パックマン」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)
連載第39回は「パックマン」(ナムコ)。誕生してからもう27年になりますが、ゲームの枠を超えて、いろんな場所で活躍中。仙台駅のバス乗り場に、都心バス100円均一区間「100円パッ区」のキャラクターとして描かれていたのには驚きました。
キャラクターとしても大ヒット
4匹のモンスターに、それぞれ性格づけがなされていたのもユニークだった。
デモ画面で紹介されているが、赤いモンスターが“おいかけアカベイ”。ピンクのモンスターが“まちぶせピンキー”。水色は“きまぐれアオスケ”で、橙色が“おとぼけグズタ”。
特に、パックマンを執拗(しつよう)に追いかけてくるアカベイが印象的だった。このゲームをプレイした人なら、アカベイとピンキーに挟まれてミスした経験は、誰しも持っているだろう。
モンスターたちは、効率一辺倒で動いているわけではない。時にはパックマンを追い込んでおきながら、突如として脇道にそれたり、反転したりすることもある。この気まぐれぶりが、プログラミングされたものとは思えない“人間臭さ”を感じさせた。
先に述べたような、丸っこい外見と相まって、パックマンとモンスターたちは、キャラクターとしても人気を博すこととなった。
日本よりアメリカですごかったようで、パックマンはアニメ化されて、最高視聴率が何と56%! キャラクター商品が400種類以上! そして「パックマンフィーバー」というレコードが発売されて、これがビルボードチャート9位! まさにポケモンの大先輩である。
アメリカといえば、「パックマン」登場から19年も経った1999年、ビリー・ミッチェル氏が256面パーフェクトクリアという快挙を達成している。これはすべてのイジケモンスターを食べ、すべてのフルーツを食べて、なおかつノーミスクリアという、常人には想像もつかない記録である。6時間以上かかったらしい。
トミーのLSIゲーム「パックマン」
アーケードで「パックマン」がヒットしていた頃は、まだファミコンが誕生する前。子供たちの間で流行していたのは、ゲーム&ウォッチ(任天堂)に端を発する、携帯型電子ゲームだった。
テレビゲームの著作権がまだ確立されていなかった時代ということもあって、「パックマン」をモチーフにしたゲームが、数社から発売されている。
そんな中で唯一トミーは、ライセンスを得て、「パックマン」の名で電子ゲームを発売した。
わたしが小学生の頃、クリスマスにもらったこの「パックマン」が、まだ自宅に残っていた。
このゲームでは、パックマンは常に左を向いていて、右へ移動するときはエサを食べられない。久々にやってみたら、元の「パックマン」とはかなりおもむきが違うものの、5面クリアで「good」という文字が出たときは、かなりうれしかった。
ナムコミュージアムでも主人公に
「パックマン」はさすがに有名タイトルだけあって、数多くの家庭用ゲーム機に移植されている。
ファミコンへの移植は1984年。ナムコのファミコン参入第2弾ソフトで(第1弾は「ギャラクシアン」)、パッケージとROMカセットに、「02」とナンバリングされていた。
アーケード版と比べると、エサの数がちょっとだけ少ないものの、オリジナルに近い形の「パックマン」が、家で遊べることは大きな売りだった。ナムコが参入して、アーケードの人気作品を続々と移植していったことで、ファミコンの人気は一層高まった。
その後、家庭用ゲーム機への移植は、ゲームボーイやゲームギアくらいだったが、アーケード版登場から15年が経った1995年、「ナムコミュージアムVol.1」収録作品の1つとして、プレイステーションに登場した。
「ナムコミュージアム」では、Vol.1の「パックマン」以外にも、Vol.3に「ミズ・パックマン」、Vol.4に「パックランド」、Vol.5に「パックマニア」と、シリーズ作品が収録されている。
さらにオープニングムービーもパックマンが主役だし(収録されていないVol.2とアンコールでも)、ミュージアムモードでは状態を示すアイコンとして、常にパックマンが表示されている。数あるナムコのキャラクターの中でも、やはりパックマンは別格扱いなのだ。
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