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二大人気シリーズのオールスター豪華共演! 無双祭り、ここに開催?「無双OROCHI」レビュー(3/3 ページ)

無双系アクションという3Dアクションゲームの一大ジャンルを築き上げたコーエーの「真・三國無双」と「戦国無双」の両シリーズ。その2つのシリーズが合体するという夢のようなゲーム「無双OROCHI」がついに登場。どんな楽しさを提供してくれるのか?

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 無双ゲージが最大までたまっていれば、「三國」の武将は無双乱舞、「戦国」の武将なら無双奥義という強力な必殺技を繰り出せる。さらに、無双乱舞(奥義)を出して攻撃が終わる前に、控えの武将に交代して続けざまに無双乱舞(奥義)を発動すると、“無双バースト”という超強力な攻撃に変化。ド派手な連続攻撃を繰り出せるのだ。

 これまでは、相手を倒していけば自然と無双ゲージがたまっていったのだが、本作はちょっと違う。○ボタンを押して無双ゲージをためるか、アイテムを拾うか、もしくは武将を待機状態にしたときのみ、無双ゲージが回復するという仕組みだ。そのため、3人をどのタイミングで交代させて使っていくかがステージクリアのポイントとなる。

 また、これまでの無双シリーズにあった、能力を上げてくれる“装備アイテム”というシステムも、本作では削除された(武器は残っている)。その代わり、特技という新しいシステムが追加されている。特技は、体力増加や獲得経験値を増やすものなどキャラクターをパワーアップさせるモノで、全部で18種類ある。この中から、最大7個をチームに装備させる仕組みだ。

 特技は、最初は所持しておらず、ゲーム中で条件を満たすと入手できる。どの特技を習得できるかは、武将ごとに決まっているが、各武将ごとに3〜4個の特技が設定されている。

 また、各特技にはレベルが設定されている。ある特技をすでに所持していた場合でも、他の武将でその特技を新たに習得すると、その特技のレベルが上がっていく仕組みだ。こうして入手した特技は、全軍共通のものとして扱われるため、誰にでも装備させることが可能だ。

特技習得条件クリアに向けた進行状況は、ステージ中でもチーム情報の特技習得情報で確認できる
画面に「GET ABIRITY」と表示されたら特技習得だ

 特技を全部習得するだけなら、さほど時間はかからないが、すべての特技のレベルを最高まで育てようとすると、さすがに時間がかかる。79人もの武将全員で、特技を習得する必要があるからだ。加えて、取得条件には「敵を○○人倒す」という内容が多いため、ある程度キャラクターが育っていないと、実質的に特技が習得できないのである。

 いくら本作のファンとはいえ、79人ものキャラクターを、完全にゼロから育てていくのは、非常に大変だ。だが本作は、お気に入りのキャラクターがある程度成長してしまえば、残りのキャラクターを楽に育成できるようなシステムとなっている。

武器融合にかかるストック経験値は、かなり多い。武将をレベルアップさせるか、武器を強化するか、悩みどころだ

 例えば、強い武器を獲得しやすくなっている点がそうだ。本作では、武器アイテムを1つ拾えば、待機中の武将を含めた3人が、それぞれ1つずつ武器を獲得できる仕組みになっている。そのため、育成したい武将をチームに加えて待機させておき、あらかじめ育て終わった武将で武器を集めさせれば、育成前の武将でも簡単に武器を集められる。また、ステージクリア後は勲功に応じて“ストック経験値”を入手できるのだが、このストック経験値は、操作できる武将ならば、誰にでも割り振ることが可能だ。そのため、育った武将で経験値を稼ぎ、その経験値を育成前の武将に割り振ってレベルアップ……という育成方法も可能なのだ。

 さらに、ストック経験値を消費して、武器を融合させて能力を上げることもできる。武器には属性付与や攻撃範囲拡大など特殊効果を付加させられ、融合させて1つの武器に特殊効果を集めれば、より強い武器となる。1回も戦場に立たせることなく(※)、レベルを上げたり、武器を強化しておくことができるのだ。使いにくいと感じる武将でも、その武将で戦うことなく、楽に育てられる。育ったキャラクターであれば、特技も楽に習得できる、という寸法だ。

※メンバーに入れなければ武器を新たに入手できないので(最初に持っている1つになる)、「融合」自体は(2つの武器をあわせるので)不可能。ただし、「メンバーに入れているが使用しない」というのを含めば、必ずしも不可能ではない。

戦いの緊張感がバツグン

 実際の戦闘は、どのような感じであろうか。筆者は実際のプレイを通じて、過去シリーズに比べて、相手の強さの傾向が大きく変化したように感じた。これまでのシリーズでは、難易度を難しくすると敵の体力と防御力が高くなり、ザコの兵士でも倒しにくくなるよう、バランスが調整されていた。そのため長期戦になる傾向があり、加えて爽快感が減少するように感じたことがあった。そんな理由で、筆者は「易しい」か「普通」の難易度で遊ぶことが多かったのだ。

 いっぽう本作は、難易度を上昇させても、レベルや武器の強化さえ行っておけば、サクサクと相手を倒すことができるように感じた。ただし、たとえザコ兵士であっても、連続攻撃をまともにくらってしまうと、あっという間に体力がなくなってしまう。倒しやすく、倒されやすいというバランスになっているため、爽快感を失うことなく、より緊張感あふれる戦いを楽しめるようになったのだ。相手を倒しやすいことに加え、相手もワラワラとたくさん出現するので、1000人斬りはかなり達成しやすい。しかも、画面が敵味方でごったがえしても、処理速度が遅くなる場面はほとんど発生しない。爽快感はシリーズ最高だと断言したい!

本編の完成度は過去最高! でも、お遊びは……

 操作できる武将の多さと豪華さ、戦闘のバランスのよさなど、ゲームのボリュームとクオリティは極めてよい本作。戦場で活躍したときに、味方武将が賞賛してくれるのだが、中には固有の組み合わせのみで発生するものもあるため、それを探すのも面白い。また、ストック経験値やチームバトルといった新システムのおかげで、アクが強くて使いこなすのが難しい上級者向けの武将でも簡単に育てられるようになったため、武将育成の面でも不満はなくなった。アクションゲーム好きのプレイヤーと無双シリーズファンのどちらも楽しめる1作である。

 ただ、人間の欲望というものは限りがないものである。これまでのシリーズにあったおまけモードの無限城や双六、修羅モード、チャレンジモードなどがいっさい収録されていないのは、残念に思う。せっかくの豪華共演なので、もう少しお遊び要素があってもよかったのではないだろうか。というわけで、少々気の早い話ではあるが、無双シリーズでお馴染みの追加編である「無双OROCHI 猛将伝」が発売されることを、つい期待してしまう。

「無双OROCHI」
対応機種プレイステーション 2
メーカーコーエー
ジャンルタクティカルアクションゲーム
発売日2007年3月22日
価格(税込み)7140円(通常版)
(C)2007 KOEI Co., Ltd. All rights reserved.


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