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ニンテンドーDSによる業界の“パラダイムシフト”が起きている――任天堂決算説明会(2/3 ページ)

任天堂は4月27日、都内の会場で決算説明会を開催した。ニンテンドーDSとWiiのハード・ソフトの販売推移を示しながら、岩田聡社長は「3年にわたるチャレンジがようやく当期に実った」と語る。

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ミリオンセラーは15タイトルに増加。海外でも普及が進む――ニンテンドーDS

 国内のニンテンドーDSタイトルについては、15タイトルがミリオンセラーとなり、その中には「脳を鍛える大人のDSトレーニング」や「nintendogs」をはじめとする「Touch! Generations」タイトルが6本ランクイン。2005年と2006年のソフトチャートを比較しながら「2006年にはニンテンドーDSが主役になった。ニンテンドーDSは商戦期であるか否かにかかわらず販売実績を上げ、史上最も早く普及した、圧倒的なプラットフォームになった」と岩田氏は自信を見せる。「“ゲーム離れ”が叫ばれていたが、ニンテンドーDSの登場により“脱ゲーム離れ”の段階に入った」(岩田氏)。

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 海外の販売状況については、相変わらずニンテンドーDSの普及率は日本が1位だが、欧州でも好調であるとのこと。米国は昨年後半くらいから変化してきたが、もっともゆっくり変化する市場であるため、今年は米国に注力すると岩田氏は語る。

画像画像画像 米国でのソフトチャートの変化。2006年まではまだプレイステーション 2タイトルが強いが、2007年1月になるとWiiのタイトルがランクインしている

画像画像画像 英国でのソフトチャートの変化。一気にニンテンドーDSタイトルが増えていることが分かる

画像画像画像 同じくドイツ。こちらは圧倒的な勢いでニンテンドーDSがランクインしている。2位にランクインしている「脳を鍛える大人のDSトレーニング」は、発売後半年以上たっても売れ続けているとのこと。このほかフランスのチャートも示されたのだが同様で、こちらはサードパーティのニンテンドーDSタイトルが売れているのが特徴だ

 このほか海外でも、子どもだけでなく大人や高齢者がニンテンドーDSに触れて楽しんでいることを例に取りながら、「ニンテンドーDSの普及により、業界に“パラダイムシフト”が起きている。これまでビデオゲームは主に子どもや若い男性が楽しむもので、女性やシニア層に受け入れられないとか、任天堂のソフトは子ども向けであること、大多数のソフトの寿命は短く、長く売れ続けることはないといった常識が通用しなくなっている」と岩田氏。多くのゲームが発売後3カ月以降は販売本数が落ち込むのに、Touch!Generationsは商品寿命が長いのが特徴だ、とも。「発売時での認知最大化が常識であり、発売から時間がたつとソフトが売れなくなるといったことや、ソフトビジネスの主役はあくまで据え置き型であり、携帯型は据え置き型に比べてソフトが売れないといった常識はすでに当てはまらない」(岩田氏)。

ニンテンドーDSとWiiで年間3億本ソフトが売れる市場を

 最後に2008年3月期の業績予想としては、ニンテンドーDSは2200万台、ニンテンドーDSソフトは1億3000万本、Wiiは1400万台、Wiiソフトは5500万本。ニンテンドーDSについては「所有者の生活を豊かにするマシン」を、Wiiについては「取り巻く人々を笑顔にするマシン」を目指すとも。「ニンテンドーDSについては、一家に1台から1人1台へと、限界普及台数の壁を破る努力をしている。Wiiについては今後、可能性をアピールするのが大事だ。ソフトやチャンネルを充実させ。毎日電源を入れてもらう、Wiiのある生活を推し進めていく。この2つのハードについては普及目標台数をよく聞かれるのだが、それぞれ過去のプラットフォームサイクルが当てはまらなくなってきている。究極は、Wiiならば一家に1台、ニンテンドーDSならば1人1台だろうが、それはあまりにも膨大な数で現実的ではない」と岩田氏。「ユーザーはソフトを楽しむためにハードを購入している。我々がやることはソフトが売れる土俵を作ること。ニンテンドーDSとWiiで、現在の2倍となる、年間3億本ソフトが売れる市場を作っていく」と語った。

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 なお、今回の決算発表会の模様は、任天堂のWebサイトにて本日夜より動画配信される予定となっている。興味のある方は訪れてみてほしい。

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