“次元ワザ”で謎を解決! 奥深いストーリーで展開されるアクションアドベンチャー:「スーパーペーパーマリオ」レビュー(2/3 ページ)
「ペーパーマリオRPG」のペラペラなマリオがアクションゲームとしてWiiに登場。2Dと3Dの世界を行き来しながら、行く手をふさぐ謎を解き明かして進んでいこう。
敵のボスの心情なども語られるストーリー
本作の物語は、マリオとルイージが自宅でくつろいでいるところから始まる。暇なのでピーチ姫の城にでも遊びに行こうと話し合って家を出たところで、またまたピーチ姫がさらわれたという知らせが。それを聞いたマリオとルイージは、今回もクッパの仕業に違いないとクッパ城へと向かうが、クッパはまさにピーチ姫をさらうために部下たちを集めているところだった。クッパでないなら一体誰の仕業なのかと一同が疑問に思っているところに、ノワール伯爵と名乗る男がピーチ姫を連れて登場。それを見たマリオはピーチ姫を救うために伯爵に攻撃を仕掛けるが、不思議な力によって伯爵は守られており、逆に反撃を受けて気を失ってしまう。一方、伯爵は、異次元空間への入り口を作り、マリオ以外のクッパやルイージを吸い込んで姿を消してしまうのだった。
1人残されたマリオは、アンナというフェアリンの案内で異次元の街へと向かうことになった。
一方、気を失っていたピーチ姫が目を覚ますと、目の前には花婿姿のクッパが。ノワール伯爵が司会を務め、2人の結婚式が行われている最中。当然、愛の誓いの言葉を拒むピーチ姫だったが、ノワール伯爵の側近、ナスタシアの催眠術によって無理矢理誓いの言葉を言わされてしまう。その瞬間、得体の知れない力“コントンのラブパワー”が生まれた。ノワール伯爵の目的はこのパワーを得ることにあり、伯爵はそれを使って全ての世界を滅ぼそうとしていたのだ。
アンナから伯爵の野望を知らされたマリオはコントンのラブパワーに対抗することができる、8つの“ピュアハート”を集める冒険にでることになるのだった。
今回特徴的なのが、ストーリー面の強化だろう。これまでマリオが倒すべき相手、いわゆる“ラスボス”が、なぜ世界征服や世界の破滅を望むようになったのかという心情や動機の部分は、ほとんど語られることはなかった。しかし、本作では、ステージとステージの間に見ることができる敵の幹部たちの会話やモノローグなどで、その部分が語られるようになっており、これまでのような“世界の危機を救うためにマリオが世界各地を冒険する”というストーリーだけでなく、なぜ本作の悪役であるノワール伯爵が世界の崩壊を望むようになったのかというストーリーも語られるようになっている。いつもマリオとテイストが異なるので、違和感を感じる人もいるかもしれないが、ひとつの新しい試みとして興味深い。
上記のように、シリアスな展開部分の強化も行われているが、シリーズおなじみのコミカルな演出にも力が入っており、ゲームを進める上でいいアクセントとなっている。
例えば、敵の幹部に誰にでも変身できるマネーラというキャラクターがいるが、彼女が重要なNPCに化けてしまい、どちらが本物かを当てる場面は、クイズ番組のようなセットがいつの間にか登場し、その中で5つの質問をしてどちらが本物なのかを推測するようになっている。また、いわゆるオタクっぽい敵キャラクター、カメレゴンとは、ピーチ姫で会話することになるのだが、なぜか恋愛アドベンチャーのような画面で、選択肢の中から返答を選んで会話していくことになったり。他にも、マネーラの罠により、彼女の壺を割ってしまったマリオが、それを弁償するために多額の借金を背負わされてしまい、その返済のために奔走するなど、今までのシリーズとはちょっと毛色の違った演出が随所に盛り込まれているように感じた。
ステージの随所にさまざまな工夫が
演出面以外でも、さまざまなところに工夫が施されている。例えば、ステージ1-1や3-1では、初代「スーパーマリオ」で見たことがあるようなマップが用意されおり、プレイしたことがある人ならば、懐かしく感じるはずだ。「NEWスーパーマリオブラザーズ」同様、アイテムによって巨大になり、敵や障害物などを全て破壊しながら進む趣向も採り入れられているのだが、マリオ以外のキャラクター、例えば、ピーチ姫でも巨大なドットキャラクター(しかも、これも初代スーパーマリオのもの)になって進むことができる。
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