ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
インタビュー

高みを目指しつつも、初心者でも楽しめるシミュレータ──「Forza Motorsport 2」インタビュー(2/2 ページ)

クルマ好きからの注目を集めている、リアルドライビングシミュレータ最新作「Forza Motorsport 2」。Xbox LIVEで体験版も配信され、ファンは首を長くして発売日を待ったことだろう。そんな中、国内での開発に携わったマイクロソフトの谷口潤氏に、思うところを聞いてみました。

PC用表示 関連情報
advertisement
前のページへ |       

振動は通常のコントローラでも味わえる

―― Xbox LIVEについてもかなり充実してますよね。オークションハウスとトーナメントについてお話しいただけますか?

谷口 オークションハウスはその名のとおりで、インターネットのオークションをイメージしていただければわかりやすいでしょう。自分のクルマを出品する場合はもちろん、自分で初期値を付けられるので、極端な話、1円オークションでもOKです(笑)。タイムアタックで1位を記録したクルマなんかを出品すれば、入札者が集まるかもしれませんね。

 トーナメントについては正直、我々も始まってみないとわからない部分があります。基本的なシステムを解説しますと、まず128人または256人枠の中に入るための予選を、24時間などの期間で開催します。予選が終了すると、今度はその128人または256人でのトーナメント戦となります。8人同時対戦までできますから、その8人をサーバー側で構成していって、大会を進めていくわけです。大人数が参加するため時間はかかりますが、「Forza2」を遊んでいれば、自分の順番が来たときにお知らせが来るようになっています。それと、賞金が付くかはどうか未定ですが、将来的には冠スポンサーを付けた大会や、オフィシャルで世界規模の大会なんかも考えています。

―― あと、ワイヤレスレーシングホイールについてなんですが、これは「Forza2」と同時開発みたいな感じだったのですか?

谷口 実はXbox 360を出すときに「レーシングホイールも出そうよ」という話がありまして、一緒に開発は始まっていました。「Forza2」の開発も動いてるし、「PGR 3」も動いているわけですから、レーシングホイールの開発チームは、各チームにいろいろ意見を聞きに行っていました。レースゲーム開発陣が望むハンドルコントローラとは何なんだろう、というところから始まり、逆に完成したコントローラをフルに活かすにはゲーム側でどうすればいいか、という双方のやりとりがあって生まれたコントローラです。

 それと、フォースフィードバック機能が付いてる多くのハンドルコントローラには、振動機能が別に入っておらず、フォースフィードバックを使って振動再現しています。ですが、「振動とフォースフィードバックは違うんだ」という意見がゲーム側の開発からあったので、このレーシングホイールは、フォースフィードバックとは別に振動機能を搭載しています。このため、振動とフォースフィードバックを同時に発生させることが可能になったのです。

―― 実際に使ってみて、エンジンの回転数によって振動量が変化するのは驚きました。あれは通常のコントローラでは味わえないんですよね?

谷口 いえ、通常のコントローラでも体験できますよ。実は、レーシングホイールの振動とコントローラの振動は、別に設定しています。普通は一緒なんですけどね(笑)。

噂のレーシングホイール

 コントローラのチューニングの一部を僕が担当したのですが、実は振動量をもっと大きくすることも可能でした。でも振動が強すぎると、2時間くらいプレイしてると、腕が勝手に震えてくるんですよ(笑)。オーバルコースで何十周も走ってると振動が心地よくなってくるんですけど、走り終わった後が大変です。これは健康上問題があるな、ということで若干抑えめにしてあります。もちろん、コントローラでも、エンジンの回転数によって振動量は変わります。

―― 実車と違って“G”を感じられない分、振動によるクルマの情報の伝達って大きいですよね。

谷口 エンジン以外にも、衝突した時や、タイヤの滑り始めから滑った時、シフトチェンジのときの『カチッ』という時、ABSが利いた時、縁石に乗った時なんかでも、もちろん振動します。コントローラだけに集中してもらえれば、「ここまでやってるのか!」と感じてもらえるハズです。

―― 「Forza 2」でレースゲームは大きく進化したと思いますが、今後はドライビングゲームって、どういった方向に進んでいくと思われますか?

谷口 例えばですけど、レースのプロフェッショナルな人たちが「Forzaってどんなことしてるの?」と聞きに来て、そのデータを実際にレースに反映させる、といったところまで行けば、1つの境地にたどり着いた感はしますよね。自動車メーカーが使っているシミュレータのエンジンよりも、ゲームのほうが優れてる、という可能性が多少なりともあるのであれば、それが我々の目指すべきリアルシミュレータなのかもしれません。ドライビングゲーム自体が向かう方向が、そこで良いのかどうかはわかりませんが。

 ただ、いくらリアルに近づけても、それをゲームとして出す限りは、エンターテイメントの要素を入れなければなりません。「シミュレータ」だから面白い、というのはあると思いますけど、「シミュレータゲーム」だから面白い、という部分を加えて消化することが、1つのゴールではないかと思いますね。

―― このゲームは、リアルシミュレータとしての高みを目指しつつも、アシスト機能などで初心者もフォローしてますよね。

谷口 そうですね。僕らも、多くの人に遊んでもらいたいと思ってますし。クルマというのはもっとも身近な乗り物で、多くの方が免許取られて、これから取ろうと思われている方もたくさんいる。そんな大きな市場なのに、レース好きだけのために作るわけにもいかないですし、そもそもいきなりハイエンドなマシンに乗って「難しい」ということで終わり、では悲しいですからね。

―― それでは最後に、ユーザーの方たちにメッセージをお願いします。

谷口 クルマもコースも増えてますし、キャリアモードも遊びきれないほどのボリュームで入っています。ぜひ「Forza」ワールドに足を踏み入れてください。踏み入れたら抜けられなくなりますよ!

―― ありがとうございました。


「Forza Motorsport 2」
対応機種Xbxo 360
メーカーマイクロソフト
ジャンルレーシング シミュレーター
発売予定日2007年5月24日
価格(税込み)7140円
プレイ人数1〜2人
(C)2007 Microsoft Corporation. All rights reserved.


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る