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インタビュー

新型専用ガンコンで撃つ爽快感――「タイムクライシス4」「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」

今冬発売予定のプレイステーション 3用ガンシューティング「タイムクライシス4」のディレクター・薩川隆史氏に本作発表直後にインタビューを敢行。PS3での新要素やガンコンについて聞いてみた。

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なぜプレイステーション 3だったんですか?

本作ディレクターの薩川隆史氏

 バンダイナムコゲームスが北米サンフランシスコで開催した「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」で公開されたプレイステーション 3用ガンシューティング「タイムクライシス4」。アーケード版のグラフィック強化だけでなく、さまざまな要素が追加されている。また、左側に突き出たグリップが特徴的な、専用のガンコン「GUNCON3」も発表された。

 今回、会場でのプレゼン後の時間をいただき、バンダイナムコゲームス コンテンツ制作本部でゲームデザイナーをされている本作ディレクター・薩川隆史氏に、率直に「タイムクライシス4」がなぜプレイステーション 3だったのかを聞いてみた。

 前作「タイムクライシス3」は2003年11月にアーケード版から追加要素をふんだんに取り入れ、プレイステーション 2に移植された。本作は「クライシスゾーン」や「プロジェクトタイタン」など派生ものを除けば、シリーズ第4弾となる。薩川氏は入社してすぐ、シリーズ最初のアーケード用「タイムクライシス」に参加して以来、業務用と家庭用のシリーズのほとんどに携わってきた。

会場ではガンコンで試遊することもできた

―― 本作製作の経緯から教えてください。

薩川氏 2004年後半から家庭用の「タイムクライシス4」の製作を立案していたのですが、その時からプレイステーション 3でやろうと決めていました。業務用を開発していた時点で、家庭用で追加されるシナリオなど織り込み済みで立案していたんです。

―― 毎回時事ネタなりテーマが隠されていると思うのですが。

薩川氏 毎回、旬な事象や事件を取り扱うスタンスは変わりません。「2」の頃だと携帯電話がまだ普及していない世の中で、通信衛星がこの先多く打ち上げられる時代が来るんじゃないかという時代でした。その中に軍事衛星があったらと考えて練られたのが「2」のストーリーです。そして「3」の頃は、民族紛争や兵器の拡散を扱っています。それを受けた「4」では製作当初、ブッシュ政権になるかならないかという頃で、その後中東が混迷してくるだろうと予想ができました。その中でアメリカが苦しい状況に置かれる事もあるんじゃないかと、ストーリーラインを考えました。家庭用の主人公はアメリカ軍人のラッシュ大尉で、業務用はヨーロッパのVSSEの2人となっています。業務用のラストを見た方はお分かりでしょうが、最後ラッシュ大尉がVSSEの2人を押し上げ、ボタンを押してもらうよう奮闘します。僕的には暗にアメリカ一辺倒ではなく、他国の協力も必要なんだというメッセージを織り込んでみたんです。もちろんライトにですが。

―― 本作でガンシューティングとしてこだわった点は?

薩川氏 人間と対する動きだけだと、目線がどうしても人間の身長に合った空間しか使わなくなってしまうんです。ですから、テラバイトという昆虫型兵器を登場させることで、画面のさまざまな場所に視線を送り、弾を撃ち込めるようにしています。また、人間の標的ではあり得ない派手なリアクションも入れることができました。

―― 技術的にアーケード版からPS3版への変更点は?

薩川氏 まずはグラフィックのリニューアルでしょうか。誤魔化しもできないので、光が当たったところの凹凸感やヘルメットなど鉄の質感など、法線マップ(個々の画素の値に色ではなく法線ベクトルを格納しているテクスチャ)やバンプマッピング(陰影計算に用いる物体表面の法線ベクトルをテクスチャによって「揺らす」ことによって物体表面に凹凸が付いたような陰影を得る手法)に手を入れています。


 前作「3」が移植される際には、主人公のアラン・ダナウェイ、ウェズリー・ランバートの視点からのストーリーモードに加え、ヒロインであるアリシア・ウィンストンの視点で描かれるオリジナルのヒロインシナリオモードが追加された。ここでは、武器(ハンドガンを除く)を使用することで経験値がたまり、ゲージがいっぱいになると武器レベルが上昇し、攻撃力が増大した。

 アーケード版の「4」では、プロローグ、そしてステージ1から3まで(それぞれエリアは3つ)に分かれており、プレーヤーはハンドガン、マシンガン、ショットガン、グレネードの4つの武器を切り替え、時には特定ステージをクリアするために特殊ウエポンを使用してステージを進めていく。左右へ広がる「マルチ・スクリーンバトル」が採用されており、プレーヤーは任意に画面を切り替えてプレイすることができた。

―― PS3版で追加される「フルミッションモード」について教えてください。

薩川氏 アーケードのステージが3つというのは変更ないのですが、アーケード版では描いていなかったそのステージとステージの間にラッシュ大尉が主人公となる新ステージが差し込まれるというものです。つまりステージ1、2、3と進行していくのが通常のストーリーモードだとしたら、フルミッションモードは1の前にAというステージが、1と2の間にBとCというステージが割り込んでくるわけです。その都度プレーヤーキャラが変わるというわけです。このラッシュ大尉になってプレイする部分がいわゆる「ガンコンFPS」と呼ばれるものとなります。


左手がにぎるグリップ部分が特徴的。ガンコンFPSの際は、右手親指でトリガーを引き、親指で視点変更。左手親指で移動し、人差し指と中指で回避することになる

 ガンシューティングとガンコンFPSを織り交ぜて進行していく「フルミッションモード」は、前作のヒロインシナリオモードとは異なるのがお分かりだろうか? ヒロインの視点になったものというだけだったのが前作ならば、今作ではラッシュ大尉を通してストーリーの補完をすることになるわけだ。

 ここで薩川氏は新しくなったガンコンの特徴を説明する。通常のガンシューティングの際はトリガーと遮蔽物に隠れるボタンだけあれば事足りた。しかし、ガンコンFPSでは視点と移動を同時に行わなければならない。そこで右手撃鉄付近に視点アナログスティックを、左手グリップ上部に移動アナログスティックを備え付けることになる。

―― ちょっと難しいそうですね。

薩川氏 難しい移動とカメラ操作で辟易されるようでは困るので、初心者向けとして移動のみで視点は銃を向けた方向で対応するという操作モードもあります。

―― この形にするのにはかなりの試作を重ねたのではないですか? 色はどうなるんでしょう。

薩川氏 ええ。この形にするまでさまざまな試作品がありました。グリップ部分が下にあるものや横に突き出たものなど。最終的にこれがしっくりきたんです。色は現段階で皆さんにお見せしているオレンジ色のが北米と欧州バージョンになります。日本は青みがかかった黒になる予定です。このガンコンの同梱版も発売するつもりです。

―― そもそもガンコンFPSに対して要望はあったのですか?

薩川氏 特に欧米からは多かったですね。ガンコン2の頃からありましたから。今回、その要望を叶える形になりましたが、前作にあったものもいいものはそのまま残して反映しています。例えばお題をクリアしていく「クライシスミッション」や的を撃ち抜いて競うという2人で楽しめる「パーティモード」などは収録しています。

―― オンライン関連はどうでしょう?

薩川氏 ダウンロードすることでコンテンツが追加されるというのは検討されていますが、残念ながら対戦プレイなどは入らないです。要望は多いんですよ。ガンコンFPSと聞いて、じゃあ対戦というのは理解できますし。ですから、次回になるかは分かりませんが、基礎研究みたいなものはして案としては上がってきています。今回は絵もさることながら、音も5.1chに対応していますので、迫力ある銃撃戦が体感できると思います。

―― 発表したことで読者にひと言を。

薩川氏 ぜひ初心者にも楽しんでほしいです。操作を聞くとややこしそうですが、自由に動けて思い通り狙えるのでけっこう簡単なんです。コントローラ含めた新感覚を楽しんでほしいです。

―― ちなみになぜPS3だったんですか?

薩川氏 業務用がシステムスーパー256基板を採用していたため、PS2に移植するのは性能的に厳しいということもあり、当初からPS3で発売することを計画していました。だって、今までのシリーズだってPSプラットフォームじゃないですか(笑)。


「NAMCO BANDAI EDITORS DAY 2007」:バンダイナムコゲームス(英語名:NAMCO BANDAI Games Inc.、略称NBGI)はアーケードゲームやコンシューマーゲームなどのゲームソフトの制作及び開発を行う企業として、2006年3月31日にナムコを母体としてバンダイのゲーム部門を統合し現社名に変更。初の試みとして本年北米サンフランシスコにおいて「NAMCO BANDAI EDITORS DAY」を開催した。

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