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「ウィザードリィ」の邪道な楽しみ方ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)

テレビ朝日の人気番組、「ぷっ」すまの7月10日放送回に出演しました! 企画は「リアル神経衰弱」なのですが、なぜかアノ人とレトロゲームで対戦することに。でも対戦で使ったゲームは、すでにこの連載で取り上げているので、今回は「ウィザードリィ」。一応テレビ朝日にちなんでます。

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ファミコン版でファンになった人も多いんじゃないか?

 実はわたし、初めてプレイした「ウィザードリィ」がファミコン版である。

 この業界には、国産PC版や、もっと前のApple II版から、このゲームをプレイしていた方々が数多くおられる。そんな方々には比ぶべくもないが、わたしも「ウィザードリィ」にはずいぶんハマっていた。

 ファミコン版はとにかく遊びやすいのだ。

 まず、PC版のプレーヤーがよく話題にする、ディスクの読み込み時間というものがファミコン版にはない。だからテンポよくサクサクと進む。

 インタフェースもよく考えられている。何かを選ぶときに、いちばんあってほしい所にカーソルがある。例えばアイテムを識別するとき。まだ識別されていないアイテムに、優先的にカーソルが合う。

 ファミコン版もグラフィックに派手さはないが、末弥純さんの描くモンスターは素晴らしかった。おどろおどろしさが見事に表現され、相対したときの緊張感すら伝わってくる。

 さらに、羽田健太郎さんの作曲したBGMも良かった。重厚な雰囲気をかもし出しつつも、決して出しゃばらない。ご存じのとおり、今年6月に羽田さんは亡くなられた。クラシックやポピュラーの曲のみならず、ゲームやアニメの世界でも数々の名曲を作られた羽田さんが、58歳という若さで亡くなられたのは本当に残念だ。

 ところで、ファミコン版「ウィザードリィ」には、PC版をプレイした人向けのアレンジもなされていた。

 実は「ウィザードリィ」では、地下5階から8階には、行く必要があまりない。地下4階からエレベーターで地下9階まで直接行けるし、敵の強さも地下4階から9階まで、そう極端に変わるわけではないからだ。

 そこでファミコン版では、地下6階から8階のマップを、オリジナルとまったく違うものにした。とりわけ地下7階と8階は、一方通行の扉やテレポートや、魔法が使えなくなる罠などが散りばめられた、最難関フロアとなっている。そのかわり、ここでしか見つからないアイテムがあるらしい。

画像 ファミコン版ではこのように、より迷宮らしいグラフィックを選ぶことも可能。メッセージや、モンスターの名前などを、英語表示に切り替えることもできる
画像 使わなくなったアイテムや、余ったお金を預かって、町に残るキャラクターを1人作っておくと便利。ビショップなら何だかわからないアイテムの識別もできる
画像 最強の攻撃魔法、ティルトウェイト。大部分の敵を一掃できるが、一定の確率で魔法を無効化できる敵もいる

ぬるいプレイのすすめ

 先ほども書いたが、「ウィザードリィ」は現代のRPGに比べて、格段に難しい。

 わたしも最初は、予備知識をあまり入れずにプレイしていたのだが、行き詰まった。そこで攻略本を買って、裏技や経験値稼ぎを、臆面もなく使うことにした。

 まずリセットだ。クリティカルヒットやブレス、あるいはエナジードレインを食らって、パーティがボロボロになったとき、リセットボタンを押して、少し時間を戻すのだ。

 「ウィザードリィ」ではデータが自動的にセーブされる。ディスクアクセスのないファミコン版では、いつセーブするのかわかりにくいが、実はセーブされる状況は決まっている(戦闘終了時、城やキャンプでの行動時など)。だからそこさえ避ければリセットは可能だ。

(よく少年犯罪をゲームになぞらえて、「すぐリセットするという安易な考えが」とか「現実はリセットできない」とか言う、“有識者と称される人物”がいるが、実際のところ、すぐリセットしたくなるゲームなんて、ファミコンでは「ウィザードリィ」のほかには、さして多くはないんじゃないだろうか?)

 あとは、効率的な経験値稼ぎである。レベル4か5くらいになったら、1階の決まった場所に現れるマーフィーズゴーストと戦って、レベルを8くらいまで上げるのだ。

 終盤には、グレーターデーモンで経験値稼ぎができる。ハマンの魔法でグレーターデーモンの魔法を封じ、仲間を呼ばせて、全滅させないように倒していく。魔法を封じられた敵が呼んだ仲間は、最初から魔法を封じられている。これを利用した、裏技的な経験値稼ぎだ。

 マップも最初は紙にかいていたが、いつのまにかワープしてたりダークゾーンに入ったりして、わけがわからなくなったので、結局攻略本のマップを見ながらプレイした。

 それでも十分おもしろかった。ウィザードリィフリークの方からすると邪道極まりないプレイスタイルだろうが、わたしみたいなぬるいゲーマーでも、ぬるいなりに楽しめるゲームなのだ。

画像 地下1階の特定の場所に、必ず現れるマーフィーズゴースト。攻撃力が低くて特殊攻撃もないため、経験値稼ぎに使える
画像 ポイゾンジャイアントは強敵だが、マカニトの呪文(レベル8以下の敵を瞬時に倒せる)が使えればこわくない。しかも経験値がすごく高い
画像 最深部・地下10階に現れるグレーターデーモン。5レベルまでの魔術師系魔法と、毒・マヒ攻撃を使い、しかも仲間を呼ぶ

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