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「ウィザードリィ」の邪道な楽しみ方ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)

テレビ朝日の人気番組、「ぷっ」すまの7月10日放送回に出演しました! 企画は「リアル神経衰弱」なのですが、なぜかアノ人とレトロゲームで対戦することに。でも対戦で使ったゲームは、すでにこの連載で取り上げているので、今回は「ウィザードリィ」。一応テレビ朝日にちなんでます。

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時代を越えてさまざまな機種に移植される

 1989年、ファミコン版「ウィザードリィII」(リルガミンの遺産)が発売された。善悪2つのパーティを協力させて、神秘の宝珠を手に入れるのが目的だ。

 ただしこのシナリオは、オリジナルのApple II版や、国産PC版などでは、「ウィザードリィIII」にあたる。

 オリジナルの「ウィザードリィII」は、「I」で成長したキャラクターを転送させて遊ぶことが前提になっていた。当然、敵もそれに見合った強さになっているし、高いレベルの魔法がないと進めない場所が序盤に存在する。

 でもファミコンでは、この転送が難しい。一応、外部記録装置として「ターボファイル」が発売されており、これを使えば転送は可能なのだが、「II」をプレイするのにターボファイルが必須となると、いろいろと敷居の高いゲームになってしまう。

 その点「III」では、やはりキャラクターが転送できるが、転送されたキャラクターは「I」の冒険者の子孫ということになり、レベルが1まで戻されて、アイテムもなくなってしまう。これなら新規に作るキャラクターと条件はあまり違わないので、ファミコンへの移植も可能だ。

 そこで「III」が先にファミコンに移植され、「ウィザードリィII」となった。

 翌1990年、オリジナルの「II」の、ゲームバランスなどを大幅に変更し、レベル1からプレイできるようにした、「ウィザードリィIII」(ダイヤモンドの騎士)が発売された。

 ファミコンでの「ウィザードリィ」はこの3作で終了し、次はスーパーファミコンに「ウィザードリィV」(災禍の中心)が移植された。「IV」が飛ばされたのは、「I」の最終ボス、ワードナを主人公とした外伝的なシナリオで、ゲームシステムも大きく異なり、しかもものすごく難しいゲームだったからだろう。

 一方、PCエンジンにも「ウィザードリィ」は移植されている。1993年に「I・II」が、1994年に「III・IV」が、いずれもナグザットから発売された。こちらでは「IV」が入っているが、オリジナルにはなかった経験値の要素が加わるなどのアレンジが施されている。レベル3の“レベル1プリースト”を作ることもできるのだ。

 家庭用ゲーム機ではさらに、プレイステーションとセガサターンで、「I」〜「III」を収録した「ウィザードリィ リルガミンサーガ」が、ローカスから発売されている。またプレイステーションでは、「IV」、「V」を収録した「ウィザードリィ ニューエイジオブリルガミン」も発売された。

画像 PCエンジン版「ウィザードリィIII・IV」(ナグザット)。「IV」ではワードナが主人公。モンスターを召喚して、地上への脱出を目指す
画像 セガサターン版「ウィザードリィ リルガミンサーガ」(ローカス)。ポリゴンのグラフィックを選択できる。国産PC版が基になっていて、ジャイアントがマカニトの魔法を無効化する

 「I」はゲームボーイカラー版(アスキー)やワンダースワン版(バンダイ/開発はスティング)も発売されている。あとスーパーファミコンでも、「I」〜「III」収録の「ウィザードリィ ストーリーオブリルガミン」が出ている(メディアファクトリー)。ローソンLoppiでの書き換え専用ソフトだった。

 オリジナルの方はどうなったかというと、1981年から1983年までに「I」〜「III」が、少し間があいて1987年、1988年に「IV」、「V」が発売された後、新たな展開を見せる。

 1990年に発売された「Bane of the Cosmic Forge」(禁断の魔筆)以降は、それまでのウィザードリィのイメージを覆すほど、グラフィックが派手になり、ゲームシステムも大幅に変わった。その後も続編は発売され、現時点の最新作は「ウィザードリィ8」である。

 また、ゲームボーイやスーパーファミコンで展開された「ウィザードリィ外伝」シリーズ(アスキー)など、日本で作られたウィザードリィ作品もかなりある。

 もちろん、こうしたライセンス作品ばかりでなく、多くのコンピュータRPGが、直接的・間接的に「ウィザードリィ」の影響を受けている。現在までにRPGは劇的な発展を遂げ、日本で圧倒的に人気のあるゲームジャンルになっている。

 今回「ウィザードリィ」をプレイしてみて感じたのだが、Apple II版登場から26年、ファミコン版発売からも20年が経過した現在でも、やっぱりおもしろかった。

 いや、現在だからこそ、と言うべきか。

 今後またプレイするときのために、手持ちの攻略本は絶対なくさないようにしようと思った。

参考文献
「ウィザードリィのすべて」ベニー松山著・JICC出版局
「ウィザードリィ大事典」ヘッドルーム編著・ソフトバンク
「ウィザードリィマガジン」MSXマガジン編集部・ビジネスアスキー
「ウィザードリィの秘密」稜井陽平著・データハウス

*** 一部省略されたコンテンツがあります。PC版でご覧ください。 ***

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