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スネーク最後の物語にかける監督たちの熱い思い――KONAMIブース東京ゲームショウ2007(1/2 ページ)

KONAMIブースでは連日「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」イベントが開催されていた。最終日のファイナルステージに駆けつけることができたので、その模様をリポートしよう。

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小島秀夫監督

 KONAMIブース特設ステージの最後を飾るのは「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」イベント。ステージ前はイベント開始前から来場者でごった返し、通路にはみ出るほど大勢の人たちが集まった。そこに小島秀夫監督が登場し、割れんばかりの拍手が起こった。

 まずは、歴代ボスキャラを振り返りつつ「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」のボスキャラを紹介していくコーナー。

 「メタルギア ソリッド」シリーズはストーリーやアクションもいいが、キャラがいい。特に毎回名乗っては死んでいくボスキャラは大きな魅力だ、と小島監督。ここで過去作品のボスキャラが次々と登場する短めの特別映像が流れた。そして小島監督によるボスキャラ設定にまつわる話が始まる。

 「1(「メタルギア ソリッド」)では現役の特殊部隊・フォックスハウンドが敵でした。コードネームはスナイパーウルフなど動物をモチーフにしました」「2(「メタルギアソリッド2: サンズ オブ リバティー」)に登場したのは特殊部隊を訓練する特殊部隊デッドセル。このときのボスキャラ名はヴァンプなど一言もの。前作がエリートだったので、その上をいく超人のイメージ、アメコミ風を意識しました」

 「3(「メタルギアソリッド3: スネークイーター」)では伝説の特殊部隊・コブラ部隊。フィアーなど戦場で感じる感情がコードネームでした。前作の超人の上をいくということで怪人のイメージでした」「それらを踏まえた4(「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」)では超人や怪人の上をいかなくてはならない。というわけでもはや人ではない、と。人をとって“超”とか“怪”というイメージになり、そこからモンスター、ビーストというイメージにつながった。そしてBeauty and the Beast Unit、通称BB隊ができました」

 ここからはスクリーンにBB隊のキャライラストが表示され、1人1人のイメージを小島監督自ら注釈した。

Laughing Octpus:「こいつはね、いろんなものに化けます。しかもずっと笑ってます。怖いですよ」
Raging Raven:「怒るカラスですね。羽があるので当然空を飛びます。ミサイルを撃ってきます。スネークはかなり手こずるんじゃないですかね。浅草のおっさんのようにずっと怒ってます。部下をたくさん従えてます。かなり強いです」

Crying Wolf:「狼として“鳴く”のではなく、しくしくと泣きます。何か多分悲しいことがあったんでしょうね。こいつは足が速いです。スネークはじじいなので足の速さでは勝てませんね」
Screaming Mantis:「叫ぶカマキリです。いろんな人を人形のように操れます。常に少し浮いてて叫んでます」

 さらに「1の敵キャラの動物のコードネームにかけてます。心理戦をゲームに取り込んでいるので、なぜ笑っているのか、泣いているのかという心理にも焦点をあててます。この4人は元々女の子なんです。彼女たちは戦場での被害者。戦場で泣く、怒るなど何かトラウマをかかえてビーストになってしまった。悲しい背景があるんです」と4人のボスキャラのバックボーンを語ってくれた。

 BB隊の4人は、モーションキャプチャや声などを実在する4人の美女が担当をしている。戦場で魔法にかけられて野獣になってしまう女性が、ゲームで出るのか、出るとしたらどういう風に姿を出すのかはまだ言えない、と小島監督。4人の美女については既に発表がされているが、改めてここでスクリーンに映し出され、彼女たちがモーションキャプチャーをしているメイキング映像も公開された。映像が流れたあとに、BB隊の1人である菊地由美さんがステージに登場した。

Scarlett Chorvat(ラテン系)、Mieko Rye(アフリカ系)、Ryndall Tarvis(北欧系)、Yumi Kikuchi(アジア系)の4人がBB隊の4人を演じる
菊地さんは日本テイストを残しつつアジアな印象の衣裳を身にまとって登場
ネイルアートで雷電やスネークなど「メタルギア ソリッド」シリーズのキャラを爪に描いてきた、という気合いの入りようだ

 小島監督が菊地由美さんを選んだ理由として「ハリウッドの方にも行って中国人の美女などもオーディションをしたんだけど、アジア系は日本人の女性にしたかった。探したんですけど、昔の大和撫子系の女性がなかなかいない。身近に由美ちゃんがいたわけですけど、由美ちゃんは日本舞踊ができるし古典にも詳しい。これはいいぞということで、出ろ!と言いました(笑)」と語った。それを受けて菊地さんは「世界のコジマに出ろと言われたら出ないわけにはいきませんよ」とコメントした。

 そして「誰がどのビーストになるかは基本的に秘密にしたかったんですが、先日トレーラー映像の声でバレちゃいまして、菊地さんの役を正式に発表することにしました」と小島氏。菊地さんはRaging Ravenであることが大々的に発表された。

菊地さんはRaging Raven!他の配役も気になるところだ

 Raging Ravenについて菊地さんは「空から奇襲攻撃します。ミサイルとグレネードランチャーを持っているのは4人の中で私だけですね。Raging Ravenはずっと怒ってます。怒る演技は笑うの以上に大変でした」と話した。小島氏は「怒りながら笑うとか怒りながら泣くとか、そういうのが多いんです。怒りながら怪訝な顔をするとかね。竹中直人さん風の演技が要求されるんですよ(笑)」とBB隊の演技の難しさについて触れた。「監督からはオコるのではなくイカれと言われました」と言う菊地さんに、小島監督は「イカりながら萌え、とかね。イカり萌えですよ。周りのアクターさんが萌えてましたよ」とリアクションをした。

 お次に壇上に上がったのはディレクターの“ムラシュー”こと村田周陽氏。ここからは「METAL GEAR SOLID 4 GUNS OF THE PATRIOTS」の新キャラ紹介コーナーになった。以下、小島氏と村田氏から出た各キャラの設定情報を注釈しつつ、写真を掲載しよう。

村田周陽氏
Drebin(cv 藤原啓治)
武器がID管理されている世界で、武器のIDを抜いて洗浄する武器ロンダリング業者。彼がいないとスネークは戦いにくい。ストーリー上も重要で訳知りの男。炭酸好き、手品好き、クリーチャー好き。クリーチャー好きの延長でBB隊に憧れている
Sunny(cv 井上喜久子)
2に登場したワキガで有名なオルガの娘。ジジババばかりの中で萌えがほしいということでメイド風の少女を出してみた。Sunnyというのは太陽という意味。みんなの中心にいる太陽のような存在で重要なキャラ。Sunny役の井上さんはローズの声もあてている

Meryl SilverBurg(cv 寺瀬今日子)
1の時は新米だったが、今やPMCの内部監査機関の部隊を率いる隊長。世界的にも人気のあるキャラだが2と3には出ていない。久々の登場だ
Johnny(cv 福山潤)
「メタルギア ソリッド」シリーズには何気にレギュラー出演している脇役キャラ。1の時はアラスカにてメリルにパンツ一丁にされた。今回のメリル部隊のメンバーにはアキバと呼ばれている。秋葉原大好き。休みの日は秋葉原に行ってはパーツを買い漁っている
Jonathan(cv 田中秀幸)とED(cv 飯塚昭三)
メリル部隊のメンバー。Jonathan役の田中秀幸氏はもちろんオタコンも演じている。ジョナサンのモヒカンを背後から見ると「!」マークのようになっている。ジョナサンはゴルゴ13のように背後に立たれるのが嫌い

Big Mama(cv 夏木マリ)
3のエヴァ。未だに歴戦の勇士。70歳〜80歳くらいで現役。ヨーロピアンで力強く、母親らしいところもあり夏木さんがぴったりハマった
VAMP(cv 塚本晋也)
2で倒したはずのVAMPは「死なない男」なので、また登場。なぜ死なないのかを説明するために登場する。雷電という自分以外の死ねない男の存在を知り、雷電に惚れてしまう。2人の殺陣のようなラブシーンがある。塚本氏は「鉄男」で有名な映画監督(小島監督は監督としても俳優としても塚本氏の大ファンだとか)
HAVEN TROOPER
リキッドの私兵部隊。足元に人工の爪がついている。集団で襲ってくる。カタパルトから蛙みたいにぴょーんと飛んでくる。よく見ると女性。「今一番強いのは女性です」と小島監督。「戦いすぎると女性恐怖症になるかも(笑)」

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