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あなたは世紀末をどのように生き抜くのか?「北斗の拳ONLINE」インタビュー(1/3 ページ)

今月末に第1次クローズドβテストが実施される「北斗の拳ONLINE」。原作ファンも多い期待の1本だけに、待ちわびていた読者も多いことだろう。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの谷川ハジメ氏および小島幸博氏に、改めて本タイトルの詳細や今後のスケジュールなどを聞いてきた。

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 ガンホー・オンライン・エンターテイメントの注目タイトル「北斗の拳ONLINE」の第1次クローズドβテストが、12月25日〜1月1日まで実施される(関連記事参照)。2005年に発表されて以来、2度にわたるクローズドβテストの延期、カードバトルシステムから“直感マウスバトル”への大幅変更などを経て、ようやく実際に体験できるところまでこぎつけたようだ。

 原作ファンも多い期待の1本だけに、クローズドβテストを待ちわびていた読者も多いことだろう。今回、本作のプロデューサーである小島幸博氏と、ディレクターである谷川ハジメ氏に、改めて本タイトルの詳細や今後のスケジュールなどを聞いてきたので、ここで紹介しよう。

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ガンホー・オンライン・エンターテイメント HOプロジェクト プロデューサー 小島幸博氏(左)、同ディレクター 谷川ハジメ氏(右)

“直感マウスバトル”へリファインされた「北斗の拳ONLINE」

――2005年6月に発表された「北斗の拳ONLINE」ですが、その後なかなか進捗具合が見えてきませんでした。まず、現在の開発状況はどの程度まで進んでいるのでしょうか。

谷川ハジメ氏(以下、敬称略) ご存じかと思いますが、過去に発表したカードゲームに近い「死闘システム」から全面的に作り直したため、皆さんにこうして体験プレイをいただけるまで、だいぶ時間がかりました。現在の開発状況ですが、ごく基本的なゲームシステムの5割程度が完成しました。正式サービス開始時の予定に対しては、30〜40%と言ったところでしょうか。我々2人が「北斗の拳ONLINE」に正式に関わるようになってから、「北斗の拳」という名前からユーザーが連想するゲームに、より似つかわしいものにリファインすべく、開発を建て直してきたわけです。

小島幸博氏(以下、敬称略) 細かいところにまだまだ問題がありますが、大まかな枠はだいぶできてきました。

――まずは大胆な変更がなされた戦闘システム、マウスアクションについて教えていただけますでしょうか。

小島 格闘ゲームのコマンド入力を想像していただければ、分かりやすいと思います。Z/X/Cキーがそれぞれ、パンチ/キック/ガードに割り当てられており、マウス動かすことで出したいスキルや攻撃方向を決定できます。一番シンプルな例として、マウスを斜め上に動かしてからXキーなら上段蹴りとなるわけです。

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――いくつかの技を見せていただきましたが、高度なスキルほど、かなり複雑なコマンドを要求されますね。このコマンドはある程度基本的なものは、公式サイトなどで公開されるのでしょうか?

谷川 いえ、一部を除いて公開の予定はありません。と言いますのも、この“直感マウスバトル”と呼んでいる戦闘システムは、一見すると難しそうですが、とりあずマウスをやたら動かしただけでも、何らかのスキルが発動します。見た目ほど難易度は高くないんです。思わぬ動きで新たな技を見つける楽しさもありますし、それをユーザー同士で情報交換し、コミュニケーションにつなげてもらおうと思っています。

小島 戦闘モードは基本として1対1の別モードに移りますが、それは視点が変わるだけで、そこで繰り出す技や動きと言うのは、普通に周囲の他プレーヤーから丸見えになるんです。街中でいきなり喧嘩を始めたチンピラを、野次馬が囲むような感じで(笑) 自分が知らない技を使って戦うユーザーを見かけたら、その直前の体の動きを真似してみることで、ひょっとしたらうまく技が出るかもしれません。

――戦闘システムについて、これだけ大胆ともいえる変更を決断した理由を聞かせてください。

小島 ワールドワイドに本タイトルを展開させていくことを考えた場合、以前までの戦闘システムはカードバトルといっても、じゃんけんのバランスでしたよね。あれが理解できるのは日本人だけでしょう。相手と肩が触れあって、「なに?(怒)」となったあとの、男同士の拳の対決がカードバトルではちょっとイメージしにくいですよね。より「北斗の拳」らしいものを、ということで、実際に殴ったり蹴りを入れるようなマウスアクションを取り入れることにしました。

谷川 一番最初にカードバトルを目にしたときは、難しいことをオンラインゲームでやろうとしているな、と思いました。オンラインカードゲームを作りたいならば、ロビーがあって、対戦ルームを作ってという、すでにあるいくつかのオンラインカードゲームの標準的プレイ環境を踏襲したほうがいいに決まってるんです。

 ところが本作の世界観では、仮想空間として再現された世紀末ですし、拳法の使い手同士が対峙していざ戦闘! と言うときにデッキを取り出してカードゲームというのは、なんとも……しっくりきません。

――しかし、このマウスアクションというのも、人を選ぶ戦闘システムでハードルが高いと思うのですが。

谷川 やさしいMMORPGを作るなら、俗に言う“クリックゲー”が一番いいのでしょうけれど、わたしはクリックゲーは作らないと決めています。マウスのドラッグとキー操作は、PCを使う人ならクリックより難しくても、比較的簡単にできるでしょう? ハードルは下げつつクリックゲーにはしないというところで、ライン引きをいろいろ考えた結果ですね。

――すでに発表から開発期間が長引くなかでの方向転換は、社内的にもスムーズには進んだのでしょうか。

小島 新しい発想を提示した上での方向転換と、開発期間の延長をお願いしたので、そこは問題なかったです。最初の発表以降「戦闘がつまらない」と言われ続けていましたので、何とかしなければということもありましたしね。

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