あなたは世紀末をどのように生き抜くのか?:「北斗の拳ONLINE」インタビュー(2/3 ページ)
今月末に第1次クローズドβテストが実施される「北斗の拳ONLINE」。原作ファンも多い期待の1本だけに、待ちわびていた読者も多いことだろう。ガンホー・オンライン・エンターテイメントの谷川ハジメ氏および小島幸博氏に、改めて本タイトルの詳細や今後のスケジュールなどを聞いてきた。
世紀末をどのように生き抜くか?――自分次第でいくらでも選べる「生業(なりわい)」
――少し順番が逆になってしまいましたが、それでは新規キャラクター作成から、ゲーム開始直後のあたりまで簡単に説明していただけますか?
谷川 すべてのプレーヤーキャラクターは「放浪者」というクラスでスタートします。男女の性別のほかにヘアスタイルや顔立ちを選び、身長や体型はスライドバーを調整してカスタマイズ可能です。原作で女性は拳法の使い手にはなりえませんが、今回は版権元のNSPさんに許可を頂き、女性キャラでも拳法を習得できるようにしました。
選べる生業(=クラス)は,「北斗門下生」、「南斗門下生」、「ごろつき」「大道芸人」の4種類ですが、クローズドβテストの時点では、完全にランダムで選ばれる仕様となっているので、どの生業になるかは分かりません。
小島 クローズドβテストで開放されるマップは「サザンクロス」のみですが、この1エリアだけでも現実の新宿区とほぼ同等の広さがあります。歩いてあちこち見学してほしいですね。廃墟となった建物や乾ききった大地など、グラフィックスから世紀末というイメージをつかめると思います。
――生業がランダムというのは、あくまでクローズドβテストでの仕様なんですね?
谷川 はい、職業的な成長の部分に関しては次のクローズドβテストで実現する予定です。
――4つの生業については、すでにある程度情報が出ていますが、改めてどういったクラスなのか、教えていただけますか。
小島 北斗門下生と南斗門下生は、真の北斗神拳/南斗聖拳とはさすがに違いますが、それぞれおなじみの奥義を習得できます。ごろつきは、それ以外の「空手キック」ですとか、ちょっと変わった格闘技を、大道芸人はあまり戦闘に向かないですが、相手を笑わせる見せ技を使えます。戦闘中にいきなり玉乗りをしたりといった演出になります。
ただ、今回は1日も早く皆さんに「北斗の拳ONLINE」をお披露目するのが目的ですので、その奥にある成長システムについては、残念ながらまだあまりお知らせできていません。既存のMMORPGに当てはめてイメージしますと、放浪者でスタートし、レベルが上がると北斗門下生へ、さらに北斗神拳候補者へ成長……と思われるでしょうが、そうではありません。途中で生業を何度もチェンジして、さまざまなスキルを習得することが可能です。育てるのは大変ですが、北斗神拳が使える大道芸人なんていうキャラクターも可能でしょう。
谷川 つまり、樹形図のようにクラスを選択していく、線形の成長システムではないんです。生業が網の目のように広がり繋がっていて、それぞれの定点を都合上「大道芸人」や「ごろつき」と呼んでいるに過ぎません。
――生業を途中で方向転換しても、以前習得したスキルは残せるということですね。当然ながら、スキルポイントの上限のような制限を設けると思いますが。
谷川 その通りです。何を残すかはプレーヤー次第というわけで。本タイトルは職業をまずプレーヤーが選び、職業ごとにゲーム内の役割分担が決まっていくような内容ではありません。ましてや延々とレベル上げ作業をさせるゲームでもありません。
プレーヤーが自分なりの“世紀末ライフスタイル”を演出するために、今、やりたいことに合わせて、その時々で生業を変えていく。やり直しがきく遊び方が可能、というのが1つのポイントになっています。いわゆるヒーローたる北斗/南斗門下生になるだけでなく、時にはやられ役を追い求めてみたり、あえて無力な一般人になってみたり、少なくとも2つの違う方向性を試せることが、MMORPGをプレイし続けるモチベーションになってくれれば、と考えています。
――ちなみに転職のタイミングと条件はどうなっているのでしょう。
谷川 「転業」という名称になりますが、そこはクエストを発生させる予定です。1つの生業でしばらく成長させ、さまざまなスキルを覚えて極めさせていくと、ある段階でさきほどお見せしたリンクした別の生業への転業クエストが発生します。ただし、何を極めるとどの生業へのクエストが起きるのかは、ユーザー自身が模索せねばなりません。
――なるほど、一度転業したらある程度そこでがんばらない限り、次の転業を簡単にはできないシステムなんですね。
谷川 自分にどんな生業が向いているのか、どんな道がこの先開けるのか、プレーヤーは199x年のこの世界で生業を通して、自分探しを行うつもりでいてください。ちなみに、モヒカン系キャラクターでのプレイもできます。
――モヒカン・プレイは気になるところですね(笑)
小島 北斗の拳という題材を扱う上でPvPは絶対に避けて通れないテーマです。とは言え、やはり一方的に襲われてやられるのは、プレーヤーとして当然いい気分はしませんよね。だったら、やられること自体が喜びに代わるようにしよう、と。きりもみしながら吹っ飛ぶとか、いかに面白くやられてみるか、という部分にクローズアップした生業として、リアクション芸人みたいな存在を用意したらどうだろうと考えました。
谷川 フィールドPKがシステム上可能なオンラインゲームで、誰もが容易に想像できる、起こってしまうであろう不快な体験を、むしろ割り切って楽しめる方向性へ変えることが必要です。どのプレーヤーにも自分のキャラクターには愛着を持って遊んでほしいですから、プライドを持って華々しくやられ、しかもそれが周囲の評価に繋がるという生業を作ることを、PvPにまつわる問題点の一つの解決策として準備したわけです。
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