ひと足早いオリンピックで、2大アクションヒーローが夢の競演:「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」レビュー(2/3 ページ)
任天堂の看板キャラであるマリオとセガの看板キャラであるソニックが、北京オリンピックを舞台に競演を果たした。メーカーの垣根を越えて実現したアクションゲームのヒーローたちによるスポーツの祭典……まさにお祭り。それが「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」なのです!
Wiiリモコンとヌンチャクを駆使して、より早くより高くより強く
本作には8競技20種目以上のスポーツが収録されている。基本的にはWiiリモコンにヌンチャクを装着したヌンチャクスタイルでプレイする種目が多いのだが、中にはWiiリモコンのみでプレイするものもある。ヌンチャクスタイルでプレイできる競技の中には、ヌンチャク必須のものもあるが、多くの種目ではヌンチャクスタイルか、Wiiリモコンのみかを選べるようになっている点を評価したい。
なぜなら、4人でプレイする際にWiiリモコンは4つあってもヌンチャクは4つもない、という環境があり得るからだ。ヌンチャク必須の種目ばかりだとせっかくWiiリモコンが4つあっても4人プレイができないという寂しい状況になってしまう。そのあたりを考慮して、ヌンチャクのありなしを選べる種目を多めにしたのだろう。4人プレイの敷居を下げるうれしい配慮だと言える。
さて。ではここらへんで、本作にどういった競技が収録されているのか、その一部を筆者のインプレッションとともにご紹介していこう。
100m
シンプルに100メートルを走りきる! かつて陸上部で短距離走を走っていた筆者としては大変なじみが深い競技。クラウチングスタートの状態で「READY」の表示とともにBボタンでパワーを溜め「GO!」の合図とともにWiiリモコンを振り下ろしてスタート。そのあとはとにかくWiiリモコンとヌンチャクを交互に振るのみ。シャカシャカと高速で振れば振るほど早くなるのは当然といえば当然のこと。本作での走る操作は基本的にこのシャカシャカだと思ってもらっていい。
連続してやりすぎると本気で腕が疲れて、さらにやりすぎると本気で腕が痛くなってくるので、体を気遣いながらプレイしてほしいところだ。複数のプレーヤーが夢中でシャカシャカやっているさまは傍目にも面白い。そして同じシャカシャカなのに優劣がつくので、負けると妙に悔しい! Bボタンによる溜めとスタートダッシュのタイミングも重要で、けっこうシビアな種目でもある。Wiiリモコンのみの場合は、Wiiリモコンを縦に振るのみで走ることができる。
ハンマー投
Wiiリモコンのみでプレイする種目。室伏選手の気分が味わえるハンマー投げは、まずAボタンを押すところから始まる。Aボタンを押したら、すかさずハンマーを回す操作だ。Wiiリモコンを縦に構えて目の前でぶんぶんと振り回すとキャラがハンマーを回し始める。十分に遠心力がついたところでBボタンを押すとハンマーを投げてくれる。思わず「うおりゃらー」とか叫びたくなる瞬間だ。
Bボタンを押すタイミングを間違えるとフェンスにぶつかったり計測のライン外に飛んでいってファウルになってしまうのでご注意を。チャンスは3回あるので、1回1回を丁寧にやっていこう。
トランポリン
こちらもWiiリモコンのみでプレイする種目だ。空中での演技が重要なトランポリンでは“魅せる”プレイが要求される。まずはキャラがトランポリンに着地する際にタイミングよくWiiリモコンをくいっと上に上げる。これを繰り返していくと段々ジャンプの高度が高まっていく。十分に高度を得たところで画面上に「B」「A」「A」「B」「A」とか矢印マーク(Wiiリモコンをくいっとひねる指示)が表示される。空中にいる間に素早く指示通りの操作をすれば大技が成功する。これを繰り返して、その得点を争うというゲームだ。
最初のうちは技の入力が間に合わなくてあたふたするかもしれないが、慣れてくると複雑な入力もうまくいくようになって楽しくなってくるはず。ただ、ちょっとでも気を抜くとミスってしまうので、集中力が必要。着地の際のWiiリモコンをくいっと上げる操作がうまく決まったときの微弱な振動がそこはかとなく気持ちいい種目だ。
アーチェリー
ヌンチャク必須の種目。Wiiリモコンを矢に見立てて前方にかざし、AボタンとBボタンを押しながらキリキリと後方にひっぱると拡大された的が画面に表示される。2つの照準をWiiリモコンとヌンチャクでうまくポインティングし、照準が重なった時にAボタンとBボタンを離すと矢が狙ったところに飛んでいく。屋外でのアーチェリーなので、風向きや風の強さの影響を考慮して狙わなくてはいけない。
個人的にはかなり難しい部類の種目だった。操作が若干複雑だというのもあるが、操作に慣れてきてからも、ちょっとしたヌンチャク側の照準のズレであらぬ方向に矢が飛んでいきミスになるということもしばしば。ヌンチャク側の照準に慣性が働いているので、重なったと思ってもうまくいかなかったりするのだ。心静かに狙いを定めなくてはうまくいかない、というのは実際のアーチェリーに近いのではないだろうか。Wiiならではの特殊な操作も相まって絶妙に味わい深い種目になっていると感じた。
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