より戦国色を強めた拡張パック第3弾「争覇の章」発表会――「信長の野望 Online」(2/2 ページ)
コーエーはは12月16日、プレイスーテション 2/Windows用RPG「信長の野望 Online」の拡張パック第3弾「争覇の章」の製品発表会を、ユーザーを招待して開催。「信On」検定などのユーザー参加イベントも実施した。
大決戦
もっとドラスティックで大がかりな合戦を求めるユーザーからの声に応えた「大合戦」では、武将が自発的に行動する。そして、NPC武将同士が戦闘し、プレーヤーが介入することができるようになる。プレーヤーの意思で予備兵力を投入し、スキをついたり防御を強化することも可能だ。大合戦を集中して楽しめるよう、開催は週末の3時間程度を予定している。
また、人数差がないきっこうした戦いを実現するため、両軍100人ずつの入場制限を施し、制限を超えると新たな合戦場が開かれるようにするとのこと。なお、従来の合戦は陣取り戦として残され、並行して開催されることになる。
合戦の度に武将の陣容は変化。武将が国に帰属しているため、領土が広がるほどその支配国に所属する武将が自陣に加わることになる。追加武将は400人以上。合戦見取り図も用意。地形や武将の状態が調べられる。
合戦システムの強化に伴い、外交システムの改善も施される。投票システムでは友好度を撤廃し、プレーヤーの投票によって同盟や侵攻がシンプルに決定可能に。これにより同盟はお互いの勢力が同意したときのみになる。相手の意思にかかわらず自由に侵攻できるので、合戦が多発する狙いがうかがえる。なお、側衆筆頭と伝達版の設置も検討されており、国の方針やイベントの開催の告知を簡単にできるようにするとのこと。
「中級者クエスト」
新参者ゾーンの“隠れ里”を出たばかりのプレーヤーへのケアを目的としたのが、今回の中級者クエストとなる。ゲームの自由度の高さや高レベルプレーヤーとの格差といった、隠れ里を出たばかりのプレーヤーが陥りがちな諸問題を解決するべく、寄合所の支援を受けながら、ストーリーをスムーズに堪能できるように、ひいては成長を促すよう、細かいシステムなどを覚えながら進行できるよう工夫される。
高レベルプレーヤー向きとしては、剣聖・上泉信綱や不老不死を題材にした長編ストーリーなどが追加される予定だ。物語への導入をスムーズに行えるよう、バランスをとった仕様を目指す。
「戦国絵巻」
遊び要素としての「戦国絵巻」では、ゲーム中に散りばめられた日本の風物詩や名所、名物を生かしたコレクション要素。200種類以上配置される日本各地に残る建造物や伝承を、プレーヤーが巡ることで旅の思い出を挿絵や逸話として記録し、いつでも閲覧することができるようになるのだ。例えば富士五湖や日本3名山など特定のシリーズをコンプリートする楽しみ方も可能となる。
また、400種以上の武将との出会いやモンスターとの戦闘による武勇伝なども記録できる。「戦国絵巻」は他人のものも閲覧可能なので、それがコミュにケーションのきっかけになることも考えられる。
「上覧武術大会」
「信長の野望 Online」の楽しみ方のひとつとして、対人戦での駆け引きが挙げられるが、現状ではまだまだ不足と判断し、「上覧武術大会」を計画していると明かす。これは、全ワールドのプレーヤーが一堂に会して参加できる対人戦システムで、妙院郷という施設で受付をし、三間堂で大会に参加する。もちろん観戦のみも可能だ。大会ごとにルールは変わり、完全自由試合や配布装備のみでの試合などの、バリエーションに富んだものとなる。実施は毎月1回(実質2週間)で、賞品にはワールドにひとつしか存在しない天下一品が予定されている。
その他の追加要素
その他の新要素としては、一定の時間間隔で使用できる「奥義技能」の追加や、恒例の職業共通の技能と特化技能も追加されるだけでなく、技能実装枠の拡張も予定されている。戦闘時の状態変化を分かりやすくする表示の変更や左手装備も実装されるとのこと。顔、髪型、アクセサリーも追加され、装備品の充実も期待できる。
- 奥義技能 ・上位技能 ・技能実装枠の拡張 ・戦闘状態の表示
- 両替商の拡張 ・左手装備 ・知行の強化 ・生産レシピの追加 ・潜在能力の追加
- 顔、髪、アクセサリー ・装備品 ・旗指物・立物
共通アカウントでのアイテム移動については、いつ実装するかは明かされなかったが、優先順位の高い課題として検討していると山中氏。傾奇者など現状技能を生かしきれていない職業については、今後の課題としてなっており、「争覇の章」にて新しい提案をするとしている。なお、レベルキャップの引き上げや新職業の追加は行わないと明言。
川井憲次氏による追加BGMのほか、第3弾よりVista完全対応という点にも触れた、拡張パック第3弾の説明会は最後、来年1月にビジネスモデルが発表されたのち、2008年3月には正式サービスを開始したいとのスケジュールを発表して終わった。
ユーザーカンファレンス
第2部のユーザーカンファレンスでは、来場者参加によるクイズ大会「信On」検定が行われた。検定は全30問。4つの選択肢の中から正解を思われるものを、キーパッドで答えるという内容だ。正解率の高いユーザーには、賞品が贈られた。
問題は「山本勘助の『信On』での職業は?」にはじまり、「富士地下洞穴にいるNPC『成れの果て』のセリフは?」や「いくつかの町に存在する『開かない門』がある町はどこ?」など、運営スタッフですら全問正解はないと山名氏が太鼓判を押す難問ばかりだった。結果は25問正解で同率4人が並び、上位者による決勝早当てクイズで勝敗を競った。ちなみに決勝進出者すら手こずった問題はこちら。
ヒント「戦闘専用/気合消費:1170/ウェイト4/発動準備あり/神職が使用可能/対象:自身/必要アイテム:メノウ/妖獣を召喚して自身の代わりに戦わせる/出現する妖獣は蛇、虎、狐の3種類」
答えは「妖獣召喚・参」なのだが、4人中3人が答えることができなかった。途中、メディアの代表者を招いたパネルディスカッションも開催され、外交や合戦、職業バランスなどについて山中氏と渡辺氏に忌憚(きたん)のない質問が飛び交っていた。
その中で主だったものを挙げると、知行や生産のバランスを調整していくや、今後もほかの職業を弱体化させることはしないことなどを明言したほか、ワールドの移動や統合にも話がおよぶと、先ほどのキーパッドを利用して会場からも意見を求める場面も。「ワールドの統合には賛成か」とのアンケート結果は、87%が賛成となった。これについて山中氏も「将来的には統合も視野に入れている考えてもいいと思います」と回答。続けて、クイズで使用したキーパッド(回答用の装置)を使用して、来場者の意見がまとめられた。将来、ワールドの統合があってもいいと答えた来場者は全体の87パーセント。「いいえ」と答えたのは13パーセントだった。
戦国回帰を打ち出した拡張パック第3弾「争覇の章」では、新要素を追加しながらも、既存の部分をうまく調整して生かしていく方向性を打ち出していた。スタッフの言にもあったとおり、「信長の野望 Online」はこうした拡張パックなどを発売していくことで、徐々にバランスの取れたものへと進化していくものとしている。
新しい遊びを提案し、かつ従来のシステムを強化していく姿は、既存のユーザーをなによりも大事にしながら、新規のユーザーが入りやすい土壌を造ることに重きを置いている。これはオンラインゲームすべてに言えることだが、こうしたバランス感覚が今後の常なる課題なのだろう。
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