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これからどうなっちゃうの? 2008年ゲーム市場くねくねハニィの「最近どうよ?」(その20)(1/2 ページ)

気がつけば20回目。2008年最初のハニィは、今年のゲーム市場をグローバルな視点で考えてみました。あくまでもハニィ的な視点ってことをお断りしておくってことでよろしこ。

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 随分遅いけど、あけおめ&ことよろ〜。20回目を迎えたくねくねハニィの「最近どうよ?」、今年も懲りずによろしくお願いしま〜す! ハニィは年末年始、パチンコに明け暮れたものの、正月明けには立派(?)に仕事復帰していました。10連休とか取ってた輩も多かったのかしら? うらやますぃ〜。暴飲暴食だけして休息を取っていないハニィには「Wii Fit」で健康管理が必要ね。

 そういえば、日本でミリオン越えをしている「Wii Fit」でやんすが、実はまだ海外では発売日も決まっていない。いろんな噂があって、生産が追いつかないってのが一般的に言われていることなんだけど、ハニィが思うに「体重幅」の問題ではないかと。日本人なら100キロ前後をセンサーの限界値においてもあんまり問題にならないだろうけど、欧米は「一体どんだけをマックス値にすればいいのぉ?」ってことかしら? いずれにしても去年のE3で注目を浴びたソフトだけに発売が待たれてるみたいですぜ。

 そんでもって先週は極寒のソウルに出没してみましたけど、街を歩けば簡単に見つかってたPCバン(インターネットカフェ)が昔に比べると減ったなぁといった印象。いえいえ、もちろんありとあらゆるところにあって問題はないんですけどね。家庭での普及率が高まったのと、日本と同様にほかにやることがいっぱいあるから、そればっかりってわけにもいかなくなってるのかもね。また、韓国ではニンテンドーDSが百万台を超えた! とのニュースが大きく報道されているようで、まさか「日本は2千万台ですけど何か?」などとは言えなかったわ。

 今年は例年より約1カ月早く「Game Developers Conference」(以下、GDC)が行われるのですが、ハニィはきっと行くことになるでしょうね(いやぁ、先立つものがないんですよ……涙)。今年のキーノートスピーチ(基調講演)は、マイクロソフトのJohn Schappert氏。プログラマーとしてゲーム業界入りした方で、Tiburon Entertainment(Madden NFL、NCAA Football、NASCARシリーズなどを開発)という会社を1994年に設立後、同社がEAに買収されたのを機にEAに。昨年8月〜MSにてXbox LIVE(含 Xbox LIVE Marketplace/Xbox LIVE Arcade)および Games for Windows LIVEなどの責任者となってらっしゃる方。マネジメントだけ学んでゲーム業界にいらっしゃった人ではない、つまり、たたき上げのゲーム業界牽引者とも言えるこの人。今注目を浴びるネットワークを使ったコンテンツ取引の代名詞とも言われるLIVEの責任者ですからね。

 もう1人のキーノートスピーカーは、発明家兼フューチャリスト(こんな肩書きあるんですね〜)のRay Kurzweil氏。最近は著書「The Age of Spiritual Machines」(邦題:スピリチュアル・マシーン―コンピュータに魂が宿るとき)の中で“テクノロジーのペースが上がってくると知的生成物(ロボット)が我々人間を凌駕する”と語るこの人、学術的にゲームの未来をどう語ってくれるのか、GDCらしいキャスティングに期待が高まりますね!

 お察しのとおりこれを書いている1月29日現在、今年のキーノートに日本(日本企業も含む)からのエントリーがありません(追加されると信じてますが)。ここでハニィが不安に思うのは、日本の業界関係者の出席が少ないんではないかなということ。日本が強かった過去には海外から学ぶことなどない、って姿勢もしょうがないかなとは思うけど、開発者だけじゃなくて経営者や管理者にぜひ参加して欲しいと思う。真似をする必要はないし、迎合しろなんていうつもりはないよ。でも、市場は動いているから、過去の杵柄(きねづか)を振り回してても、同じやり方では通用しないってこともそろそろ理解いただきたいなと生意気なことを言ってみたりするハニィです。ま、リポート記事を読んでいただくだけでもいいかな〜。

 と、ここで2007年末の北米の売上データをば。2007年を総括しつつ、「これからどうなっちゃうの? 2008年ゲーム市場」って話をしてみようかなぁと思うのだ。まずは12月の北米市場の報告からしようと思いますよん。

12月はもっとすごかった! 驚きの年末の北米市場

 値下げをしたおかげで、79万台もプレイステーション 3が売れました! 週販で25万台を超えているってこと。すごい勢いです! って思ってたところ、何とその他の家庭用ゲーム機はすべて100万台超えしていました……。びっくりです。Wiiは135万台、Xbox 360は123万台、そしてそしプレイステーション 2が112万台となっておりまする。

 Wiiは言わずもがな、出しても出しても売り切れちゃってますね。在庫さえあれば……と悔やまれますが、それはほら「勉強したら東大に入れたのに!」って言うのと一緒で、勉強しなかったのも実力、いや違う、えと、在庫がなかったのも実力、だね(笑)。それにしても旧ハードのPS2の勢いが止まらないね〜。これはあくまでも予想だけど、「店舗にWiiを買いに行ったらなかったぜ、ちっ、しょうがないなぁ」と、ふと横を見るとスタイリッシュでコンパクトな高性能ゲーム機が……。「え? こんなカッコいいPS2が129.99ドル? Wiiの半分じゃん? じゃ、PS2買っとくか!」ってことになったってのも一因だとハニィは思うのであったん。さらにPS2には信じられないくらいのタイトル数があるから、ユーザーからしたら選び放題ですよねん。ってことで、PS3をはるかに上回る112万台とな。Xbox 360は「Call of Duty 4」効果もあって、初のミリオン超え。Xbox 360は在庫とバグに悩まされたかわいそうなハードでしたが、「今や北米のハードコアの中心的マシンとなっているよね」と、一昨年前のローンチのことを思い出していたハニィです。

 ハンドヘルドはどうでしょうか? な、なんと! ニンテンドーDSがまたすごい数字を……。12月単月で244万台を売ってしまいました。PS3の年間販売台数と近いじゃん。すごいなぁ。11月に106万台を売ってびっくりしたのもつかの間、その2.5倍近い数字を叩き出すとは。ニンテンドーDSは発売以来1750万台。もうすぐ2000万台になります。PSPもがんばってるぞ! 12月は100万台を超えた。北米ではすでに1045万台のPSPが出回ってることになりますね。

 では、ソフトはどうかなと申しますと、前月同様、「Call of Duty 4」がXbox 360版、PS3版合わせて199万本超、「Guitar Hero III」はXbox 360、PS3、PS2、Wii版合計260万本超、Xbox 360版、PS3版で発売している「Assassin’s Creed」は合わせて123万本超、そしてそして、任天堂のWii向け「Super Mario Galaxy」は140万本超と軒並みミリオン超えしておりまする。トップ20に入るためには40万本以上売らんとランクインできないってくらい、売れ売れの市場でしたね。サブプライム問題、どうなってんでしょうか?

 ここで注目して欲しいのは、“12月発売タイトルがまったく奮っていない”こと。つまり、“年末商戦に売りたいなら11月までに発売すべし”ってことね。年末商戦って言っても年末に出すんじゃなくて、年末にきちんと認知されて棚に並んでいることってのが重要なんすね〜。

2007年度で見てみよう! 北米市場

 では次に2007年の北米市場をまとめてみました。そしたらすごい。PC関連を除くゲーム市場(ソフト/ハード/周辺機器)の売上規模がなんと179.4億ドル(約1.9兆円!!)になった。次世代機の発売や「Gears of War」などの秀作ソフトで盛り上がった前年と比べても43%の増加だそうです……。PCが入っていないんです、それに、オンラインのダウンロード課金なんかもまったく含まれない、お店で売れた実売データの積上げとして約2兆円ですよ? 2兆円と言えばところ変われば国家予算ではないですか! 北米はまさに娯楽大国で、もはやゲームという産業が既に大きな地位を占める市場と言えるでしょうな。

ハード

 2007年に実売された台数を列挙するぞ。PS2:395万台 Xbox 360:461万台 Wii:626万台 PS3:255万台。

 Xbox 360はこの勢いのおかげで累積販売912万台を達成。1000万台まであと少しですね! マイクロソフトは、2007年第4四半期(2007年10月〜12月)に初めてゲーム部門として黒字化をしたらしく、純利益は3億5,700万ドル(378億円)。そりゃー、ハードのみならず、「Halo3」や「Mass Effect」を初めとする自社パブリッシュタイトルがあそこまで売れりゃー儲かるよね〜。初代Xboxから苦節6年、がんばった甲斐がありましたね〜。

 2007年だけで626万台も売ってしまったWii(しかも在庫さえあればもっと売れたって考えるともったいないけどね〜)はトータルで735万台を北米市場に送り出して、Xbox 360を追随しているものの、Xbox 360の勢いもなかなかで勝負は年を越した感じですね〜。発売から1年以上経っても足りないハードってどうよ? うれしい悲鳴なのか、ホントの悲鳴なのか?

 PS3は2007年度に255万台を売り切り、発売から1年ちょっとで324万台を北米市場で売り上げたことになりますね。決して悪くはないのに、他のハードがすごすぎて陰に隠れちゃった感じ。まずは自社の旧ハードPS2よりも売れるようにならないとちょっと苦しいですよ。その旧ハードPS2は、今回北米市場で4000万台を超えた、未曾有のゲームハードになったわけですね〜。すんげぇ。ここまで出回ってるハードにソフトを供給しないって手はないわけで、PS3のローンチで発売された「ガンダム無双」もPS2にダウンコンバージョンされるってニュースも手放しでうなずけるってもんですよ。

 ハンドヘルドも驚きですぜ。ニンテンドーDS:838万台、PSP:381万台。累計の実売台数はニンテンドーDSが1749万台、PSPが1045万台となり、差が若干開いてはいるものの、やっぱりPSPもXbox 360よりも出回ってるハードって言えるよね。でもヒットタイトルが少ないんですけど、PSPってみんな何に使ってるのぉぉ? ニンテンドーDSへのスムーズな移行が見られるGBAはそろそろ失速のご様子ですが、2007年も年間で108万台実売。北米だけで3450万台を売り上げたハードになりました。ニンテンドーDSでGBAタイトルが遊べるから、いまだにたくさん発売されているGBA専用ソフトはまだまだなくならないみたいですよ!

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