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スクウェア・エニックスとニフティが業務提携――新たなカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスの創造

スクウェア・エニックスとニフティは、カジュアルエンタテインメント・ポータル事業で業務提携すると発表。運営会社「スマイルラボ」を設立し、今夏のサービス開始を目指す。

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左からスクウェア・エニックス代表取締役社長・和田洋一氏、スマイルラボ代表取締役社長・伊藤隆博氏、ニフティ代表取締役社長・和田一也氏

 スクウェア・エニックスとニフティは、従来の男性や若年層に加えて、女性やシニア層にも拡大しているカジュアルエンタテインメントの利用者を対象としたカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスの開発・提供において業務提携を行うと発表。3月17日、帝国ホテルにおいて共同記者発表会を開催した。

 発表会にはスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏とニフティ代表取締役社長の和田一也氏のほかに、共同事業を行う上でスクウェア・エニックスが全額出資して2月29日に設立したばかりのスマイルラボ代表取締役社長の伊藤隆博氏が登壇。今夏開始予定のカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスについて説明が行われた。

 今回発表されたサービスについては、その運営を担うスマイルラボが設立されたばかりということで、具体的な内容については触れられず、いわば立ち上げを宣言するにとどまった形。両社の狙うところは、スクウェア・エニックスの良質なコンテンツ・サービスの開発力と、ニフティの豊富なコミュニティ運営ノウハウ、そして同社が運営するインターネットサービス「@nifty」やブログサービス「ココログ」の集客力を活用し、新サービスを後発ながらも同業他社を押さえてトップを取ることだ。

 スクウェア・エニックスの和田氏はまず、この手の事業に本格参入することを発表し、従来あるPlayOnlineなどとの立ち位置の違いについて説明した。それによると、昨今のライフスタイルの多様化に伴うコミュニティの変化を補足すべく、ユーザーを満足させるにたるサービスの必要があることに思いが至ったことを報告。従来あるサービスに追加、付属させるのではなく、新たなカルチャーを担う環境を新たな作ることが第一と考え、ニフティと業務提携しスマイルラボを設立したと解説した。

 「FFXI」を遊ぶユーザーがすべて、スクウェア・エニックスのほかのサービスを受けたいと思わないように、ある一定の要求に対しては新しく“場”を構築すべきという主旨だ。今回は具体的な内容については、今回のキックオフを経て、後日詳細を発表するとだけにとどまったが、将来的には海外展開なども視野に入れ、日本オリジナルのカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスを創造し、まったく新しいユーザーに、新しいジャンルを提供したいしている。さらに、ゆくゆくは100億円の売り上げを計上するほどの事業にしたいとブチ上げた。そのためにもコンテンツを立ち上げるだけでなく、その後のスピード感と持続力の必要性を説いた。別のコミュニティとしての存在意義を維持し、同業他社のサービスとは異なる思想で現在、開発を行っているとのこと。従来あるサービスの延長や応用ではなく、まったく新しいものを創造すると約束した。

 ニフティの和田氏は、協業の狙いとして従来からある「安心・安全」に加え「楽しさ」を追求することの重要性を説く。10代〜20代の若年層利用者の開拓と、誰もが使えるビジュアルな新感覚コミュニティサービスの提供に自信をのぞかせた。そもそもスクウェア・エニックスとニフティは、PlayOnlineでの決済で連携しており、近いところでは無料カジュアルゲームのステージ間に広告を配信する「インステージ広告」を共同で企画開発した経緯もある。

 インターネット上のコアなゲーム層ではなく、カジュアルユーザーをターゲットとしたサービスについてスマイルラボの伊藤氏は、あえて言うならば前置きしながら、「日本版の“かわいい”仮想世界サービス=“かわいい”セカンドライフ」的なものを想像してもらえば分かりやすいかもと言及する。基本無料で、有料アバターやアイテム課金制をベースとした仮想世界上で、ユーザー同士ブログやメールなどのコミュニティサービスとポイントの提供を受ける。ただ、目的がない世界ではなく、あらかじめゲーム的な生活するうえでの指針は提案されるだろうとしているところが、特徴なのかもしれない。

 伊藤氏はハードルを下げる意味でも、高スペックのPCではなく、低スペックのPCで動作する2Dサービスにこだわるとしている。フラッシュの技術を駆使し、ダウンロードなどさせることなくユーザーをスムーズに導く施策を練っているのだと語る。まずはクローズドβテストのようなものを今夏を通して行い、本格的なサービスは秋以降になるのではないかと説明する。ゆくゆくはプラットフォームとして他社の利用も視野にいれて、グローバルスタンダードを目指すとしている。「ゲーム」をしにくるのではなく、ユーザーには「遊び」に来ているという意識を植え付けていけたらと、カジュアルユーザーの持つネットワークへの障壁を取り払うことを第一としているとのこと。

 近年、インターネットを活用した国内のカジュアルエンタテインメント市場は、PC、家庭用ゲーム機、携帯電話等ネット対応端末の普及やインターネット利用の一般化に伴い、女性、シニア層を含む幅広い顧客層を獲得し、急速に成長している。スクウェア・エニックスの和田氏は、事業を後発ながら始めるにあたって、勝算がなければやらないと胸を張る。やるからにはこのジャンルでナンバー1になると言ってはばからない。いったいどのようなカジュアルエンタテインメント・ポータルサービスとなるのか。その詳細が発表されてから判断したい。

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