ゲーム業界のM&Aを語ってみたパートII――EAとTake2:くねくねハニィの「最近どうよ?」(その22)(1/3 ページ)
桜が咲いたので花見をしようと思ってたのに、ふと気がつくとパチンコ屋でハンドルを握り締めているくねくねハニィがお送りする「最近どうよ?」。第22回目は今、北米で起こっている大ニュースの経過を報告。4月になって新年度も突っ走るハニィをよろしこ(※意訳版あり)。
相変わらずの不定期発行「最近どうよ?」の22回目です。桜が咲いて、一気に春になったけど、温度差の激しさからかものすごい風邪をひいてしまった……。熱が出るのはまだしも、喉、鼻、咳、胃腸とすべてがまとめてやってきたからさぁ大変! 皆様は新年度を健やかにお迎えくださってると信じておりまする。
それにしてもすごい円高ですな。契約金やロイヤリティを円で契約されている場合は影響少ないんでしょうけど、ドル建てで契約されている会社さんは相当な打撃かと思われます。逆に日本からドルでロイヤリティを払ってるとしたらラッキーなんでしょうけど。あまりに急激な為替のアップダウンは海外市場との商売に大きな波紋を呼びますね……。困ったもんですわ。
GDCが終わってから大きな動きがあったんですけど、まとめて報告しますねん。22回目は「ゲーム業界のM&Aを語ってみたパートII――EAとTake2」です。
突然ですが、ここで編集からのお知らせです
前回、読者の皆様から寄せられた「くねくねハニィの口語体がどうも読みづらい」というご指摘に対して、当たり障りのない文章に翻訳したものを同時に掲載しました。しかし、「ただ長くなっただけでは?」や「もっと簡潔に内容を書いてほしい」とのさらなるご指摘も。軽い冗談のつもりが、重く受け止めていただきました。そこで、今回はさらに画期的な試みとして“意訳版”を掲載してみました。ハニィのいい味そっちのけではありますが、お忙しい方はどうぞ。しかし、乱暴にいろいろはしょってますので、あまりオススメできません。お暇な方は、ハニィの濃い記事を読んだあと、薄っぺらい意訳版と比較しながら再読してみてください。では引き続き、本編をお楽しみください。お邪魔しました。
まずは1月と2月の北米市場を報告しよっ!
ハード
いやぁ、あんだけ年末に売ってたのに、すんごい落っこち方ですねん。まさに嵐の後。「1月と2月は市場の底」ってのは証明されましたけど、1月の売れ行きがどのハードも25万台前後ってのがとても奇妙に思えたわ。それにしても、プレイステーション 3が2カ月連続でXbox 360の売上を上回ってた。いよいよPS3の時代が来るのか? ただし、一刻も早くPS2を超えないといけませんな。以下、北米市場の1月と2月の売れ行き。
プラットフォーム 2008年1月 2008年2月 | ||
Wii | 27万 | 43万 |
Xbox 360 | 23万 | 25万4600 |
プレイステーション 2 | 26万4000 | 35万1800 |
プレイステーション 3 | 26万9000 | 28万800 |
PSP | 23万 | 24万3100 |
ニンテンドーDS | 25万1000 | 58万7600 |
ソフト
ソフトは1月に発売されたEAの「Burnout Paradise」がXbox 360、PS3版あわせて28万本。ニンテンドーDS版の「Mario & Sonic at the Olympic Games」(以下、「Olympic」)が健闘して13万本。それでも1月は12月のチャートを引き継いでいて年末商戦の名残的な感じだったわ。発売されたタイトルも少なかったけど、やっぱり市場はひと休みみたいですね〜。その証拠に、2007年12月度にトップ20入りする条件は39万本以上(トップのXbox 360版「Call of Duty4」に至っては150万本!)だったんですけど、2008年1月度だったら、8万本(1月もトップはXbox 360版「Call of Duty4」の33万本)以上売れればトップ20にランクインされたってことですかね〜。やはり「1月、2月は市場の底」の定説は証明されたわけですな。
2月は若干回復したものの、やっぱり年末商戦タイトルは健在。Xbox 360向け「Call of Duty 4」が発売以来4カ月連続トップの座を譲らず、トータルで370万本を売り上げたのだ。PS3版を含めると500万本近い販売本数を叩き上げたのだね〜。すんげぇ。大型タイトルは年末(それでも11月まで!)に発売すべし。市場の底に発売されるタイトルが少ないためロングランになる可能性が高いのであるぞ! あれ、でも「Assassin's Creed」は消えちゃったな。
「Guitar Hero III」、「Rock Band」は堅調に売れ続けていて、「Rock Band」は同梱物が多い(ギター、ドラム、マイクのペリフェラル付き)ため日本円で2万円くらい(税込)もするのに、Xbox 360/PS2版でもうすぐ150万本って勢い。「Guitar Hero III」に至ってはマルチプラットフォームで660万本を達成するオバケソフトなのだ。これらの音楽ゲームはダウンロード曲も追加されてますます各家庭で有名曲を演奏する姿を見られそうですな。
任天堂はいつでもチャートの上のほうを独占しているけど、2月はトップ10の中に「Wii Play」(日本名:はじめてのWii)が3位にチャートインしただけ、という珍しい現象に。でも、もちろんとても堅調で、「Super Mario Galaxy」はもうすぐ北米だけで300万本に達しまする〜。
さて、2月に注目してほしいのが、当月に発売になったカプコンの「Devil May Cry 4」。Xbox 360版が2位で約30万本、PS3版が4位で約23万本と大健闘しているのだよ!! 久しぶりに見た! 任天堂以外のパブリッシャーの北米市場での上位進出! やってくれましたね〜。カプコンは「『Devil May Cry 4』が全世界で200万本以上を売りあげた」って発表する喜びよう。こうなってくると、6月に発売されるコナミの「Metal Gear Solid 4: Guns of the Patriots」、バンダイナムコゲームスの「Soul Calibur IV」もとても楽しみだよね〜。「Metal Gear Solid」は日本と同様PS3同梱も発売されまする。ただし日本では発売されていない80Gバイトとの同梱の模様。
日本では結構なお値段付けが発表されたけど、アメリカではそんなに高値ではないとの噂も……。4月に発売されるDUALSHOCK 3のコントローラ(単体の希望小売価格:54.95ドル)も一緒に同梱されて499ドルとな。安い! 大手のリテイラーではプレオーダー(予約)を受け付けてたんだけど、もうすでに予約分は完売みたい……。
特に「Soul Calibur IV」はおもしろい仕掛けをしているのは知ってるよね? スターウォーズのライセンスを取得していて、PS3版にはダースベーダが、Xbox 360版にはヨーダがゲスト出演することになっている! PS3が黒(日本では違う色も出てるか)、Xbox 360が緑だからだそうで(ホントか?)、スターウォーズファンとしては両方そろえるべきか。いや、この仕込み、ハニィはとてもうまい! と思いまするが、皆さんはいかが?
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※画面は開発中のものです
それでもどうしても気になるのが4月29日発売の「Grand Theft Auto IV」。北米のユーザーはずいぶん待たされたって思ってるかも。人のうわさでは1000万本超えするのではないか? と言われていて、「IV」からのマルチプラットフォーム化(PS2のみだったこのシリーズ、今回からPS3とXbox 360に供給する)を考えると簡単に否めない気もするな〜。「Soul Calibur IV」ほどフラッシーな差異ではないけど、それぞれのプラットフォームに別々のダウンロード要素を盛り込むなど、「マルチプラットフォームでまんま移植」って時代は終わったんだなと痛切に感じる今日この頃ですねん。
さてさて売上報告はこのくらいにして、実はGDCが終わってからいろんなことがあったんですよ、ゲーム業界。今回は珍しくフォーカスしてお送りしますねん。日本にいると、海外で起こってることなんで気が付いてない、って人もいるかも。業界的にはすごく大きなニュースなんだけど、ちょっとややこしいことになっている! メガパブリッシャーがビッグパブリッシャーを買収するかも!? についてお送りするぞ!
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