銃を撃つのはもう飽きた!?――多彩な特殊能力が楽しい新感覚アクションが登場:「ダークセクター」レビュー(2/3 ページ)
SIMPLE 2000シリーズでその名を馳せるディースリー・パブリッシャーから、完全新作の3Dアクションゲームがリリースされた。ブーメランのような特殊武器を使った戦闘は、いったいどんな感じなのか、さっそく遊んでみました。
徐々に開花していくヘイデンの特殊能力
冒頭で触れたように、ヘイデンは普通の人間だ。だがウイルスに感染した後は、物語の進行に応じて、未知の特殊能力が徐々に利用できるようになる。
例えば、感染直後のヘイデンはグレイヴしか使えないが、しばらくゲームを進めると、遠くにあるアイテムをグレイヴに吸着させて手元に引き寄せられるようになる。手が届かないような場所にあるアイテムも、これで入手できるようになるのだ。
さらにゲームを進めると、グレイヴ属性をまとえるようになる。ステージ中には、漏電した配電盤や燃える瓦礫、凍りついたタンクなどがある。これらにグレイヴを当てると、グレイヴは数十秒間その属性を宿すという仕組みだ。
例えば雷撃をまとったグレイヴは、電気で動くドアをあけたり、水場にグレイヴを投げて水中にいる敵を全員感電させる、といった使い方ができる。炎をまとうと、障害物を燃やしたりできる。氷は邪魔な炎を消火する、といった具合だ。
これらの特殊能力を活用して突破するトラップもタップリ登場する。だが、どうすればそのトラップを突破できるのかは、ちょっとしたヒラメキが必要になるため、筆者は結構難しく感じた。操作的に難しいトコロはほとんどないため、一度答えが分かってしまえば、以後は簡単に突破できるのだが……。
また、敵の攻撃を跳ね返すシールドを一定時間出現させたり、自身を透明化するなど、特殊能力の数はかなり多彩だ。どの能力もトラップを突破するために必要だが、通常の戦闘でも非常に役立つのがポイントだ。
例えばシールドは、敵の攻撃を反射させて倒したり、スマートに盾として活用したりと、意外と多彩な利用方法が楽しめる。透明化を使えば、敵に気づかれること無く敵の背後に回り込んだり、そこから強力な近接攻撃をおみまいしたりと、多彩な局面で役立つだろう。
単にアクションも楽しく、グレイヴをからめて積極的に使っていきたくなる。従来のFPS/TPSとは、全く違った戦闘が楽しめる、という一点においては、かなりの高いレベルで成功しているように感じた。
銃器をパワーアップして楽しむのだ!
ここからは、もうひとつの武器である銃器について述べていこう。銃器を使っているのは主に敵の軍隊で、武器が感染者に利用されるのを避けるため、感染者が拾うと一定時間で武器が使えなくなるセキュリティが施されている。感染者となったヘイデンも同様で、敵が落とした武器を拾っても、数十秒しか利用できない。
ではまったく銃器を使えないのかというと、そうでもない。ヘイデンが最初から所持していたハンドガンはそのまま使えるし、ゲームを進めるとブラック・マーケットという場所で新たな武器を購入できるようになる。ここで手に入れた武器は、弾薬が続く限り利用できる。
使用回数に制限が無く、また攻撃力も高いグレイヴの方が使い勝手がよく、銃器はオマケ的な印象を受けるだろう。だが筆者のプレイでは、ゲーム後半になるにつれて、銃器の使用頻度がどんどん上昇していった。その理由は、敵の耐久力にある。
ゲーム後半になると、接近攻撃をしてくる敵の耐久力が非常に高く、グレイヴを数回当てないと倒せない。グレイヴは“投げて戻ってくる”というその特性上、連射は不可能。つまり短時間で大ダメージを与えることには向いていなく、これらの敵には不向きだ。属性をまとえばより大ダメージを与えられるが、付近に炎や電気がないと使えないし……。
というわけで銃の出番となる。銃器はノーマルの状態だとグレイヴよりも攻撃力が低く、使い勝手が悪く感じるのだが、実はアップグレードすることが可能だ。ゲーム中には、いたるところにアタッシュケースのようなものが置かれており、これを入手し、ブラック・マーケットで武器に組み込んで強化する。
ケースの能力は、リロード時間を短縮させるものや装弾数を増やすもの、感染者に対しての攻撃力を飛躍的に増大させるものなど、かなり多彩だ。ただし、各武器ごとに組み込めるケースの数が決まっているため、制限なしにアップグレードできるわけではない。
接近戦での攻撃力不足に悩んだ筆者は、これを補うために、ショットガンをアップグレードしてみた。これが非常に強い! 件の耐久力が高い敵も2発ほどで倒せ、また連射もできるため、グレイヴの出番は大幅に減少してしまった。まあゲーム中盤までは、ほぼグレイヴ一本で戦ってきたため、全体的に見るとバランスが取れていると思えなくもないが。
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