銃を撃つのはもう飽きた!?――多彩な特殊能力が楽しい新感覚アクションが登場:「ダークセクター」レビュー(3/3 ページ)
SIMPLE 2000シリーズでその名を馳せるディースリー・パブリッシャーから、完全新作の3Dアクションゲームがリリースされた。ブーメランのような特殊武器を使った戦闘は、いったいどんな感じなのか、さっそく遊んでみました。
オンラインモードはかなりオマケかも
ここからはマルチプレイについて触れていこう。本作ではオンラインで対戦プレイが楽しめる。ルールはINFECTION、EPIDEMICの2種類で、どちらも最大10人で楽しめる。
INFECTIONは若干鬼ごっこに近いシステム。参加プレイヤーのうち一人が感染者となり、残りのプレイヤーは一般兵士となる。一般兵士が感染者を倒すとラウンド終了となり、倒した一般兵士が次のラウンドで感染者となる。
EPIDEMICは5対5のチーム戦。各チームに1人ずつ感染者(リーダー)がいて、相手チームの感染者を倒すと高ポイントを獲得できる、というルールだ。
マルチプレイの大きな特徴は、どちらのルールでも一般兵士と感染者という2種類のキャラクターが登場することだ。能力も大幅に異なり、一般兵士は銃やグレネード、地雷での攻撃がメインとなる。対する感染者は、シングルプレイのヘイデンそのもの。グレイヴはもちろん、透明化やバリアーなど、シングルプレイ中に利用できる特殊能力はひと通り使えるのだ。
この感染者、とにかく強い強い。透明化すれば敵に気づかれることはほぼなく、一方的にゲームを展開することができる。グレイヴの攻撃力も高く、またマップによっては炎や氷といった属性もあるため、その高い攻撃力をいかんなく発揮できるのだ。
対する一般兵士は、ゲーム中のザコ敵の気分を満喫できるほどの弱さ。銃器でのダメージはかなり低く、正面から感染者と打ち合って勝つことはかなり難しいだろう。近接攻撃を仕掛ければ感染者を一撃で倒せるため、基本的にはこの攻撃を狙うことになる。
筆者がプレイした感じだと、感染者の時はめちゃくちゃに暴れられるため、かなり楽しいのだが、一般兵士のときは弱すぎて苦痛を感じた。その強さのギャップが魅力ではあると思うのだが、攻撃されるとほぼ一撃で倒されてしまうため、ストレスを感じることのほうが全然多かったのである。海外プレイヤーと遊ぶと、ラグもかなり大きく感じられた。
また、一般兵士のときに倒されると、復活するまで他プレイヤーのプレイを見られるのだが、そのときの画面下に表示される文字(おそらく観戦中かと思われる)が文字化けしているなど、ローカライズ関連での不具合が少々見られた。シングルプレイのローカライズは文句なしだっただけに、ちょっと残念。ただしプレイに支障があるというレベルではないので、そこまで気にしなくてもいいかもしれない。
対戦ルールの少なさや、また一般兵士をプレイしているときのストレスなどで、筆者は残念ながらマルチプレイにはハマらなかった。もともと「アンリアル」シリーズの開発に携わっていた開発メーカーだけに、マルチプレイはちょっと期待していたのだが、肩透かしを食らった印象だ。
シングルプレイに興味があるならぜひ!
そんな感じで筆者がひと通りプレイしてみたところ、シングルプレイはなかなか完成度が高いと感じた。グレイヴを使った戦いは楽しく、また映像もかなり綺麗で(全体的に暗いけど)、まず満足できるのではないだろうか。
ただし、惜しい部分も若干見受けられた。例えば、武器や通貨を、2週目以降のプレイに持ち越しできない点だ。通貨やケースをゲットできる場所は決められており、また通貨もすべての武器を購入できるほど大量には手に入らないため、武器をコンプリートするといったやりこみは楽しめない。このあたりは、日本で開発されたゲームでは確実に抑えてくるポイントなので、ちょっと残念だ。遊ぶとしたら、新たに出現する高難易度モードでのプレイも含め、実績解除が目的になるだろう。
また、シングルプレイのボリュームも若干短い。個人的にはこれくらいで十分なのだが、人によっては物足りなさを感じるかも。オンラインでのマルチプレイが楽しかったら、もっと長時間楽しめたと思うのだが。
というわけで、シングルプレイが目的の人ならば楽しめることだろう。映像はトップクラスだし、グレイヴを用いた戦闘の爽快感は、本作ならではだ。
「DarkSector」(ダークセクター) | |
対応機種 | Xbox 360/プレイステーション 3 |
ジャンル | ホラーアクションアドベンチャーゲーム |
発売日 | 2008年03月27日(PS3版は2008年発売予定) |
価格(税込) | 7140円 |
CERO | Z(18才以上対象) |
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