3Dでグリグリと動かせる通好みの箱庭ゲーム:「A列車で行こう8」レビュー(2/3 ページ)
鉄道に興味はなくともゲーム好きなら必ず名前を知っている、日本を代表する箱庭ゲー「A列車で行こう」シリーズ。地味ながらも愛され続けている「A列車」の秘密とは何か? シリーズ初心者にして鉄道マニアでもない筆者が体当たりでレビュー!?
リプレイ――「山から海へ」で中州島に東京タワーを建てろ!
さぁ、お待ちかねのリプレイ開始だ! 今回はマニュアルでもチュートリアルとして取り上げている「山から海へ」ステージを使い、河川の両岸を発展させつつ、中州島(河川の中にある島を勝手にそう命名)にランドマークの1つである「タワー」をぶっ建てたることを目標とする。また、今回はオリジナル車両縛りを採用……というか、実は開始時点の筆者は“マニュアルを読んだだけ”というド素人状態であり、プレイ目標と車両縛りも、チュートリアルを進めているうちに思いついたものだったりする。根がゲーマーなもので、こういう縛りを自分に課さないと燃えないあたり、業が深いよなぁ、と思わずにいられない今日この頃。さぁ、アートディンク星の山カラ海ヘ市(?)にレッツゴー!!
まずはマニュアルにある通り、駅を作り、路線をつなげ、資材の輸送を開始。すると少しずつ何もなかったところに家が建ち、畑が作られていった。「ほほぉ、入植が始まったのぉ」とのんきに構えていた筆者は、ステージタイトルが「山から海へ」なのだから、海まで進出すればいいらしい、なんていう安易な考えのもと……。
どーん、と海側に駅&資材置き場を建設。そこに線路を引き、電車を走らせ、発展を待つことにするが……
あれ? 発展してるっぽいけど、赤字経営? なんで???
というわけで、原因究明のためセーブ&リスタート。
幕間〜分析と対策と
今回に先立ち、まずステージ開始直後のまま、一切手を付けず、ジッと様子を伺ってみた。実は筆者が納税の存在を知ったのは、この時が初めてだった。あとになってマニュアルを読み返すと、確かに記述そのものはあるのだが、これがどのような意味を持つのか、把握するまでかなりの時間を必要とした。
「A列車でいこう」シリーズは、このあたりのチュートリアル要素に対する配慮が極めて弱いのが最大の欠点だと言われている。このあたりは車両についても同じことが言えるところだ。選択肢が多いことは良いことだが、判断基準が分からないまま膨大な選択肢を与えられることはストレスしか生み出さないことを、どうかご考慮いただきたい……。
さらに続けて、思いついたことをいろいろと試してみる。
まず資材について。資材工場にある資材が一向に使われないことに、遅まきながら気がついた筆者は「だったら『置き場←→工場←→置き場』で往復する線路にすればムダがなくなるんじゃない?」と思いつき、それを試してみた。
結果は「それでもムダは残る」だ。なにしろ資材工場は無限に資材を生産するが、置き場に置かれた資材が必ずしも浪費されるとは限らない。そのため置き場がいっぱいになると、貨物車両は資材を積んだまま運行を続けてしまい、その間に資材工場は限界まで生産、そのせいで生産が止まり、収益をあげなくなる……。
うーむ。だったら、次から次と資材が必要になる状況を作ればいいのか? あっ、だったら何もないところに駅と線路を引いて、そこで往復させたら? という思いつきを実行してみたが、そもそも人間がいない場所なのだから乗客が増えるわけもなく、乗客が乗り降りしないのだから発展も始まらず……と、「ですよねー」と言うしかない結果になることが確かめられた。
ここで逆転の発想。先ほど失敗したと思いこんだ大赤字の沿岸路線、あれをそのまま時間だけ進めてみると、収益に変化が出るのでは?──これがBINGO。5月時点では赤字だった鉄道利益も、6〜7月で駅前の開発が進み、8月になると黒字になる日がほとんどになった。というのも、最初の思いつきである『置き場←→工場←→置き場』を沿岸路線に適用してみたところ、これが思いの外、うまく機能してくれたのだ(具体的には資材工場がある沿岸路線の貨物専用路線の西端に、すぐ操車場という資材の積み卸しだけができる駅を建設。資材工場の近くに資材置き場もあるため、仮に開発途上の東端側で資材が欠乏するような状態になっても、西端側の置き場に資材が溜まり、西端側が発展しやすくなるという状況を作った)。
よし、これでなんとかいける。ただ、万全を期して、今回はスタートから5年ほど放置した状態から再挑戦だ!(←微妙にチキン)
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