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言い訳が成立しちゃうんです!――無限回廊では、ムチャなフリでも通用する「無限回廊」レビュー(1/3 ページ)

筆者の生きているうちに二度とお目にかかれないと思っていた「新機軸ゲーム」がここに登場。しかしこれを進化と呼ぶのか!? 脳が退化した気分に陥る“不思議ちゃんパズル”だ。

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だまし絵を3Dで再現!……って表現でいいの??

 階段を上っている人の絵がある。しかしその人の進む道を目でたどっていくと、また同じ階段を上るはめにあう。あれ、では途中の道が坂道になっているのかな? とよく目をこらすが、どうみても平地。かと思うと、その人が床にしている部分を壁に見立てて、真横に立っているように見える人すらいる。そんな絵を見たことはないだろうか。トリックアート、もしくはだまし絵という名称のそれらは、人間の目の錯覚を利用したおもしろアートだ。しかしそれらはあくまでも"絵"。静止物だからこそ、こういったイタズラができる。

画像 色味がない。そのぶん、想像力をかきたてられて仕方ない。どんな世界なのだろう。映画「Cube」を思わず思い出してしまう

 こういった絵を、三次元で動かしちゃおうっていうんだから、無茶な話もあったもんだ。それを実現してしまい、ゲームに落とし込んだのが、ソニー・コンピュータエンタテインメントから登場した本作「無限回廊」である。いったいどんな人が考えたのだろうかと、ちょっと調べてみたら、どうやらスゴイ人が仕掛人のようだ。藤木淳氏という、ありとあらゆる賞を総なめにしている、現代デザインアーティストがその人。不可能立体などの造形物を作る、ちょっとしたおチャメさんである。

 小城は、立体空間ゲームが好きだ。というより、こういうシンプルなデザインのゲームが好きなのだ。「I.Q.」や「XI[sai]」などは、気持ちがトランスするまで遊んでいた記憶がある。だから本作も好きになれるはずだ。

 なお、「無限回廊」はPSP版の「無限回廊」と、プレイステーション 3版の「無限回廊 -序曲-」とが用意されているが、今回はプレイステーション 3版で新ステージが配信されたということで、そのプレイリポートをお届けすることにしたい。最後には、お勧めのステージなんかもピックアップしてみることにする。

 というわけで、プレイスタート。

ライター雛見沢の、ムチャなフリに、キレる小城

 ……30分ほどイジっているが、このゲームは一体わたしに何をさせたいのか、まったく分からない。どうやら、勝手に歩く白い人間型のキャラクターを、「エコー」と呼ばれる黒い人間型のマークまで連れて行けばよいらしい。しかし、プレイヤーに許されている操作は、画面いっぱいに広がる不可思議な立体形をグルグルと回すことだけ。L1ボタンを押しながらコントローラを動かすと、実際に動かすのと同じように画面も動く。このジャイロを利用した機能にはちょっと驚かされたが、しかし、結局動かせることはそれだけなのだ。

 こりゃダメだ。昭和40年代生まれには理解すらキツい。レビューを書かなければならないのに、本当に本作を好きになれるのだろうか……。そんな四苦八苦している筆者の後ろにスルリと回り込み、突然口を挟んできた男がいる。自称“萌えライター”雛見沢秀一クンだ。非常に不思議な体験をしたので、写真付きで会話を掲載したい。

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 「あれ、小城サン、そのままじゃダメっスよ。もっと右に回さないと」

 「何を言ってるんだ雛見沢クン、右に回したところで何が変わるっていうんだい」


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 「いいからちょっと貸してください。……っとホラ」

 「!!!!!??? ええっ!? 何今の!!」


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 「えっ、小城サン、見えないんスか? 床がちゃんとあるじゃないスか」

 「いやいやいやいや、ないだろう!! ホラ、ちょっと角度を変えれば、床が切れてるじゃないか!!」


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 「??? 何言ってるんスか?」

 「それはこっちのセリフだッ!!!! ああっ、そんな会話をしていたら、落ちてしまったぁっ」


 一体この男は何を言っているのか。まるで宇宙人と話しているかのような錯覚にとらわれた。しかも、どうやら本作の世界では、雛見沢氏の理屈が正しい様子。う〜む、謎は深まるばかり。ねぇ! 読者のみなさんも床なんて見えないですよねぇ!!

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