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「PostPet」5年ぶりの新バージョン――So-net初のオリジナルオンラインゲームも公開

So-netが提供するメールサービス「PostPet」の新サービス発表。5年ぶりとなる最新バージョンやゲームポットが運営するオンラインゲーム、ケータイ向けゲームなど、ゲストに佐々木希さんを迎えて披露された。

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 「PostPet」は、通称ポスペと呼ばれる電子メールソフトウェアだ。1997年に「PostPet DX」が発売されて以来、長きに渡って愛されるソネットエンタテインメント(以下、So-net)の顔であり、電子メールを単なる送受信機能だけの味気ないものから、ペット育成コミュニケーションツールへと発展させた立役者でもある。

 昨年10周年を迎えた「PostPet」は今年、「原点」に立ち返った「進化」と、新たな「挑戦」をしようとしている。本日5月8日、東京・青山にあるスパイラルホールにおいて、So-netとゲームポットによる共同制作発表会が催され、その新たな挑戦についてと、ゲームポットが予定している新サービスについての情報が公開された。

スカッと疾走、新サービス de 「PostPet」

 So-netは今年2月28日、日本で「スカッとゴルフ パンヤ」や「君主」などのオンラインゲームを運営するゲームポットを、株式公開買い付け(TOB)などで完全子会社化する予定であると発表した。So-netはゲームポットに2006年から資本参加しており、So-netが進める「ネットワークエンタテインメントの追求」の一環として、オンラインゲームビジネスを新たな軸として強化することを打ち出したのは記憶に新しい。

 今回、こうした背景を踏まえて新サービスを展開することについて、So-net代表取締役社長の吉田憲一郎氏は「PostPet」とともに歩いてきた歴史を振り返り、モモと新たな挑戦のスタートラインに立った思いと語った。So-netは先述したとおり、ネットワークエンタテインメントの追求を標榜している。ネットワークをもっと楽しくするためにも、「PostPet」を中心としたキャラクタービジネスと、それを軸としたオンラインゲームをコア事業としなければならないと、ゲームポットの重要性を説いた。

 一方、ゲームポット代表取締役社長の植田修平氏も、会社のモットーである「新しいエンターテインメントの創造」に沿って現在7つのオンラインゲームをサービスインしていることを改めて説明する。植田氏は、他社にない特徴的なゲームジャンルのサービスを目指し、既存のマーケットにはないタイトルを今後も展開していくと宣言することを挨拶の代わりとした。

 吉田氏と植田氏が互いの関係について「自立と連携」という言葉を使って紹介するとおり、今回の取り組みも“連携”の一環として、「PostPet」の新しいサービスをかたや強力なキャラクター事業で培ったノウハウで、かたやオンライン事業で培ったノウハウを融合し、新サービスを提供することになる。

 ゲームポットは現在、150万人の登録会員数を誇る「スカッとゴルフ パンヤ」を筆頭に、「トキメキファンタジー ラテール」、「ファンタジーアース ゼロ」、「君主online」、「CABAL ONLINE」、「オンラインカート ステアDASH」、「モンスターファームオンライン」を運営している。また、サービス予定タイトルとして、「疾走、ヤンキー魂。」、「Level-R」、「ペーパーマン」、「魔球魔球」などが控えている。制作発表会では、このうち「スカッとゴルフ パンヤ」と「疾走、ヤンキー魂。」が、ゲームポット エンタテインメント事業本部 オンラインゲーム事業グループ マネージャーの須藤岳氏によって紹介された。

吉田憲一郎氏
植田修平氏
須藤岳氏

元メガデスのギタリストであるマーティ・フリードマン氏が映像で登場。「疾走、ヤンキー魂。」の魂に命を吹き込むべく
なお、クローズドβテストにあたる「特攻テスト」は6月6日開始を予定している。夜露死苦!
「スカッとゴルフ パンヤ」にはコラボレーション企画として、6月に「PostPet」のシールが登場。さらに8月にはポストペットボールも登場する予定だ

「PostPet」の新たな世界観を提供する新サービス発表

サービスについては、河合浩之氏から説明を受ける

 今年11年目を迎えた「PostPet」が新たなコンセプトの元、3種類のサービスを年内に順次提供されることになった。説明に立ったSo-net エンタテインメント事業部 キャラクター事業課 課長 河合浩之氏は、10年前とではガラリと役割や意味合いが変わったメールを取り巻く環境に対応するべく、新しい世界に足を踏み入れたと切り出した。

 そのために「原点」を振り返り、PostPetが大切なメッセージをつなぎ大切な友人をつなぐというコンセプトはそのままに、現在の状況やテクノロジーに則して「進化」させ、2008年を大きな「挑戦」の年とするとアピール。いつでもどこでも楽しめるケータイ向け新感覚RPG風すごろくゲーム「ポストペットパラダイス」の5月26日発売を皮切りに、5年ぶりの最新バージョンとなるソーシャルメッセージングサービス「PostPet 4you」(ポストペットフォーユー)を10月に、そして本年冬には3Dの仮想世界でスローライフを体現するso-net初のオリジナル大規模オンラインゲーム「PostPet Type-M」(タイプ エム)をリリースすると発表した。

「ポストペットパラダイス」

 「PostPet」初のケータイ向け本格ゲーム。全国のプレイヤーとミニゲームで対戦したり、友人になってアイテムトレードができるマッチング機能を搭載した新感覚RPG風すごろくとなっている。

 ペットを世話しながら共同生活を過ごし、ペットが便利なスキルを覚えていくことでプレイに有利な能力を得ることもあるらしい。今後は、イベントやマップ、ペットのエサ、宝物といった便利系アイテムが続々と追加されていく。なお、当初はiモードのみでのサービスとなるが、他キャリアについても順次対応していく予定だ。


アプリ立ち上げ時の初期画面
サイコロメニュー選択時
自宅メニュー画面

着せ替えショップアイテム購入画面
イベント発生画面
公園マッチング画面

  • サービス開始:2008年5月26日(iモード)
  • 対応:NTTドコモ FOMA903iシリーズ/703iシリーズ以降のメガiアプリ対応機種
  • 利用金額(税込):315円

「PostPet 4you」(ポストペットフォーユー)

 1997年に発売された「PostPet DX」、1998年発売の「PostPet 2001」、そして2002年発売の「PostPet V3」を継承する5年ぶりの最新バージョンが登場する。「PostPet 4you」は、単なるメールソフトからソーシャルメッセージングサービスへの移行が施されているのが大きな違いとなる。

 従来のメールサービスではなく、友達登録によるメッセージのやり取りによるコミュニケーションでは、ペットを起点に日記や掲示板で飼い主同士、またはペットと飼い主、ペット同士のコミュニケーションが可能となっている。ログアウト中でもペット同士でコミュニケーションを繰り返し、ペット自身が友達を作っていくとのこと。


基本画面。登録ユーザー自身の所有するページ。ペットのお世話に特化したメニューのみ表示することが可能
ゲストを迎え入れている画面。メッセージ配達してきたペットを表示している。今回は複数のペットをお出迎えできる。あれ? なんか部屋をのぞいているペットも?
ペットを洗う

日記画面。システム手帳のような日記で、未来の日付にも記入可能。スケジュール帳としても使用できる
他の人のページを見た時の基本画面
ソーシャルグラフ画面。自分と友達関係にあるユーザーとの関係性をグラフィカルに表現。自分を中心に友達との関係を位置や大きさで表示する

  • サービス開始予定:2008年10月
  • 利用料金:基本サービス無料、プレミアムサービスは月額課金予定

「PostPet Type-M」(タイプ エム)

 So-net初の3Dワールドのオリジナル大規模オンラインゲーム「PostPet Type-M」では、プレイヤーがペットとともに暮らすオンライン仮想世界を提供する。ペットとともに野菜作りや釣りをはじめとしたさまざまなスローライフが楽しめる。プレイヤーばかりか、ペットたちも自発的に行動し、ペットの信頼が上がると行商などプレイヤーのお手伝いをしてくれるようになるという。

 もちろんスローライフだけでなく、1人でも多人数でも楽しめるさまざまな種類の「冒険」を用意されている。本作の開発はSo-netが行い、運営をゲームポットが担当する。


ペットとともにスローライフ
ペットと一緒に歩きながら、他のプレイヤーユーザとの交流
ペットもたまにはプレイヤーのお手伝いをすることもある

友達に収穫物をあげたり、貰ったり。通常のトレードはもちろん、ペットに行商をお願いする事も可能
畑仕事のほか、昆虫採集や釣りなどさまざまな遊び方を提供(実装機能は予定)。ペットもお手伝いしてくれたり、足手まといになったり……
もちろん「アバター」としての役割も多種多様

  • サービス開始:2008年冬
  • 対応:Windows専用クライアント
  • 利用料金:基本サービス無料/アイテム課金(予定)

模型を作ってアイディアを出し合い、直感的に共有していく作業からはじめたと説明する八谷氏

 「PostPet」が誕生した1997年当時、個人所有のPCでインターネットを活用していたのは主に男性ばかりで、薄ら寒い状況だったと振り返るのは、「PostPet」の開発に携わっていたペットワークス代表取締役社長の八谷和彦氏だ。

 ガールフレンドがメールを使っていなかった現状をつまらないと思い、彼女たちにもメールを使って欲しいと考えたのが「PostPet」だった。そのためキャラクターが、女の子受けするピンクのクマなどになったと説明する。こうしてメールボックスを開く度に、ペットたちは愛くるしい姿をユーザーに見せてくれるようになる。

 しかし今や、メールボックスを開けるとスパムメールがあふれ、あまり開く時の高揚感を得られない時代になってしまった。とはいえ、人と人とのコミュニケーションの楽しさがなくなることがないように、当初八谷氏が「PostPet」を開発するのにイメージしたような、伝書鳩がラブレターを運んで飛んできてくるような、“グッとくる”感じは失われてはいない。新たなコミュニケーションの楽しさを、またピンクのクマたちが運んできてくれるのもあとわずかだ。

 ちなみに、5月8日より「PostPet」のティーザーサイトが公開されている。こちらのサイトでは、ショートムービー「あしたのモモ」が配信されており、最新の開発情報などを確認できる。

So-netのテレビCMに出演しているモデル・佐々木希さんもゲストとして駆けつけ、「PostPet Type-M」に注目しているとコメント
みんなでフォトセッションとなったのだが……
あれ? なんかカメラ持ったモモ妹がいるような……?

会場入口には八谷氏が舞台上で説明に使用した模型が飾られていた
ヤンキーなお姉さんとパンヤなお姉さんがお見送り
それを必死に撮影しようとするモモ妹

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