2度の挫折を乗り超えた独身ガルカが見た「FFXI」の素晴らしき世界:【新連載】感じるヴァナ・ディール(2/3 ページ)
先月終了した「FFXI」の連載企画「ヴァナ・ディールをもう一度」を愛読してくれた皆様、どうも1カ月ぶりです。約束どおり、ガルカのアイツが帰ってまいりました。
謎の3人パーティの目的は!?
大公房を抜けて再び商業区へ移動する。商業区には大きな噴水があり、寝バザー(※1)をしている人やスクウェア・エニックス公式のイベント期間中は多くの冒険者が集まる場所として活用されている(とはいえ、ほかの2国に比べると人数は少ないが……)。この噴水はただ通り過ぎるだけでは気付かないかもしれないが、水が流れるのは日中のみで夜になると水が止まるという、事前に節水を考慮した作りになっているのが特徴だ。ちなみに僕がこの事実を知ったのはつい最近のことだったので、周りの風景を気にしていなかった自分の観察力のなさに、ただただあきれてしまった。
噴水の東側、彫金ギルドや楽器屋が並ぶ街路へ降りる階段付近に、3人の冒険者がただ茫然とたたずんでいた。それぞれが単体の冒険者なのか、それとも3人パーティを組んでいるのかは分からない。彼らはその場からピクリとも動かず、ただ東を向いて立っていたのだ。恐る恐る近づいてみると、3人の立ち位置は距離が計算されたように均等で、少々不気味さも醸し出している。(この人たちはいったい何をしているんだろう……)。気になった僕は少し離れた場所にある木に隠れ(ほとんど意味のない行動だが)、彼らが動き出す瞬間を待つことにした。
しかし、いくら待っても3人は動く気配がなく、辺りは次第に夜が明けて空が白んでいく。(これは寝落ちだな※2)と、この光景を見れば誰もが思う結論に達したとき、モグハウスと思われる建物の影から朝日が差し込んできた。見るとなかなかの絶景ポイント。ヴァナ・ディールでの生活において、僕は太陽の存在をあまり意識したことがない。潜んでいたのが功を奏したのか、ここで見た朝日は格別で、偶然にも一日の始まりを見届けられたことを喜んだ。微動だにしない3人は、朝日を見ることが目的でこの場所にいたのだろうか。しばらく様子をうかがってみたが、朝日が昇ってもなお動こうとはしなかった。話しかける勇気がなかったのでその謎は迷宮入りになってしまったが、真意はどうであれ僕は彼らに感謝した。商業区のサンライズ・ポイントを教えてくれたのだから。
その他のバストゥークの風景
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