ニンテンドーDSでよみがえった王道RPGは、やっぱり王道を行っていた:「ヘラクレスの栄光 魂の証明」レビュー(2/3 ページ)
「ヘラクレスの栄光」と聞いて、さまざまな思い出が頭によぎる人もいるだろう。ファミコン時代からスーパーファミコン時代まで、本格RPGとして名を馳せたあの「ヘラクレスの栄光」が、長い時を経て帰ってきた! DSで生まれ変わったギリシャ神話の世界をどうぞっ。
エーテル、隊列、タッチペン――さまざまな要素が絡み、戦略性の高い戦闘システム
本作の操作はボタン操作、タッチペン操作のいずれでも可能(一部、タッチペンでなければ操作できない画面あり)だ。移動やコマンド選択などの基本操作に関しては、個人的にはボタン操作の方がしっくり来た。タッチペンで操作しなくてはならない時だけササッとペンを出すという操作でも問題なくプレイできる。もちろん全編タッチペンでの操作も可能なので、お好みで選択してほしい。
さて。RPGは戦闘がかなめ! というわけで、本作の戦闘システムに目を向けてみよう。本作ではランダムエンカウントで魔物と遭遇し、戦闘画面へと移行する。通常攻撃の他に魔法、スキル、道具による攻撃やサポート、その他に待機、後退などがあり、すべてをAIに任せる“まかせる”コマンドもある。
AIは細かい設定ができるので、ザコ敵相手であれば全員“まかせる”で突き進むというのもありだが、そうは言ってもAIはAI、狙ってほしい魔物を狙ってくれない時もあるし、回復してほしいのにしてくれない時もある。少しでも手こずりそうだなと思ったらAIに任せずに自分でコマンド選択した方がいいだろう。
本作には「火」「土」「風」「水」「闇」という5つのエーテルが存在する。戦闘画面上部には常にその5つのエーテルの値が表示されている。火の魔法「バーン」を使えば火のエーテルが減るなど、常に各エーテルの値は変動しており、値が少ない時にその属性の魔法を使うと、魔法を使ったキャラにダメージが跳ね返る「リバース」が発動することがあるので要注意だ。
また、魔法やスキルを使う際には、通常の威力で発動する「おまかせ」と、下画面のタッチペン操作で魔法やスキルのレベルを上げられる「タッチペン」のいずれかを選択できる。タッチペンを選択した場合は、ミニゲーム的な操作(魔法やスキルごとに内容が異なる)をすることになり、それが成功すれば威力が格段にアップするようになっている。なるべくタッチペンの方を選んで高い威力で攻撃したい。
戦闘時の隊列には前列と後列があり、これが戦略に深く関わってくる。剣での攻撃は前列の味方から前列の魔物にしか届かない、弓矢の攻撃は後列から後列にも届くなどのルールがあり、魔物を前列から後列に飛ばすバッシュという攻撃があったり、前列に誰もいない場合は後列のキャラが前進するなど、隊列を利用することで戦闘を有利にできる局面は多いはずだ。
キャラにはHP(体力)、MP(マジックポイント)があり、HPが0になれば戦闘不能になるのは基本的なことだが、本作が独特なのは、戦闘不能になっても戦闘が終われば普通にキャラが生きているということ。戦闘中に戦闘不能から復活する場合は「きつけぐすり」などが必要だが、戦闘さえ終われば、わずかに残っているHPを回復してあげるだけでいいのだ。
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