「広告収入をユーザーに還元する」――ショックウェーブが取る大胆な価格戦略とは?
ショックウェーブ エンターテインメントが運営する「55Shock!」が7月2日よりオープンする。先日の発表会でも告知された“次世代型”サービスの実体について、同社に聞いてみた。
広告収入をユーザーに還元する形で、ゲームの値段を下げる試み
ショックウェーブ エンターテインメントが運営する「55Shock!」ゴー! ゴー! ショック)。先日開催された発表会では「広告収入をユーザーに還元する」という、“次世代型”のサイト運営を行うと発表された(関連記事参照)。では具体的にはどのような形での課金形態になるのか、同社メディア部マネージャーである岡山博紀氏に話を聞いてきた。
岡山氏によると、7月2日のオープン時点でサービスが開始されるのはMMORPG「ストラガーデンNEO」(ソリッドネットワークス)とオンラインレースゲーム「Fun!Fun!Buggy!」の2タイトル。どちらもまずはオープンβサービスとして開始される。このあと先日も発表された「ボンバーマンオンライン Japan」(ハドソン)や「エンジェルラブオンライン」(キューエンタテインメント)、「ワーネバオンライン(仮)」(ソリッドネットワークス)、「エクストリームファイター」(ハイファイブ・エンターテインメント)など、現状では7タイトルをサービスすることが決定している(表参照)。
タイトル | ジャンル | 運営 | 開発元 | サービス時期 |
---|---|---|---|---|
ストラガーデンNEO | MMORPG | ソリッドネットワークス | ゲームズアリーナ | 2008年7月2日オープンβサービス開始 |
Fun!Fun!Buggy! | レース | ソリッドネットワークス | Windysoft(韓国) | 2008年7月2日よりオープンβサービス開始 |
ボンバーマンオンライン Japan | 対戦アクション | ハドソン/ショックウェーブ エンターテインメント | ハドソン | 2008年8月27日よりオープンβサービス開始予定 |
ExtremeFighter | 対戦格闘 | ソリッドネットワークス | ハイファイブ・エンターテインメント | 2008年夏αテスト開始 |
ワーネバオンライン(仮) | MMO生活シミュレーション | ソリッドネットワークス | アルティ | 2008年夏 |
エンジェルラブオンライン | MMORPG | キューエンターテインメント | UserJoy technology(台湾) | 2008年夏 |
テトリスオンライン | パズルゲーム | テトリスオンライン・ジャパン | テトリスオンライン・ジャパン | 2008年夏 |
最大で37.5%割り引く
「『55Shock!』が取る戦略は2つあります」と岡山氏。「1つは『ボンバーマンオンライン Japan』や『Fun!Fun!Buggy!』のように、『55Shock!』だけでしかサービスされないタイトルを用意することです。これは各ポータルサイトさんが取っている戦略と同じですね。ただし弊社の特徴は、ほかのポータルサイトでもサービスされているタイトルに対して、価格差を付けていくところにあります」(岡山氏)。
具体的には、課金アイテムなどに利用する各ゲームのゲーム内通貨に対して“割引サービス”を行うこと。500円分のゲーム内通貨なら5%、5000円分なら10%、1万円分なら15%の割引が適用される。「ゲーム内通貨を購入すると価格以上の“ボーナスポイント”が付くことがありますが、『55Shock!』ではそのボーナスポイントも含めて割引を適用しますので、3万円以上の決裁をされる場合、ポイントと実際の価格での割合を考えると、最大で37.5%の割引になります。そのフラグシップタイトルとしては、『ストラガーデンNEO』を期待していますね」。なお、「ストラガーデンNEO」については“オープンキャンペーン”のような形での割引展開を考えているとのこと。
ただしどのタイトルでも安く提供するというわけではない、と岡山氏。「“コンシューマーライク”なタイトル提供方式を検討しています。コンシューマーソフトでは、新作であれば安く売られることは少ないですよね。それが数カ月たつと“ベスト版”のような形で提供されたりします。タイトルごとにこうした方式を適用することで、サービス開始から時間がたったタイトルを遊びやすくするなど、柔軟に考えていきたい。もちろん、我々が“ライバル”と思っているサイトさんに提供されているタイトルについては、今回のように戦略的な価格を取ることもあるわけです」。
なぜこのような戦略を取れるかというと、他社のようにコミュニティサービスを持たないから、と岡山氏。同社は掲示板やSNS系のサービスを読者に提供していないので、こうしたインフラに資金を投入しないですんでいることも幸いしているというわけだ。「ニコニコ動画さんとコンテンツパートナーであったり、外部のコミュニティと仲良くやらさせていただいていますので、こうしたところとパートナーシップを組むことでやっていこうと思っています」。
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