本体の売上を牽引するとは誰も期待していなかった名作:「ガンダム オペレーショントロイ」レビュー(2/2 ページ)
発売前はガンダムマニアに不安視されていたソフトが、本体売上を牽引するという驚きの結果に。そしてフタを開けてみたらオンライン率が極めて高いという不可思議なソフト「ガンダム オペレーショントロイ」の真実に迫る!
補って余りある魅力、オンライン
問題点が山積みにも関わらず、連日かなり多くの人々がオンラインで楽しんでいるようだ。これはなぜだろうか?
それはマルチモードが我々に“ガンダムゲーム”としての楽しみを提供しているからだ。特に筆者がお勧めするのは陣地を占領する「コンクエスト」。このモードはマップに3か所ある“旗”(占領ポイント)を占領することで勝敗が決まるのだが、旗の占領は歩兵でしか行うことができないというルールだ。何度やられても勝敗が決するまでは再出撃ができる。
MSの性能差を考えると、基本的には連邦の方が勝つはずなのだが、旗の占領は歩兵。これが重要なポイントなのだ。旗の近くまで移動し、MSから降りて旗を占領する。歩兵になればMSの性能差などはないのとおなじ。しかも、下手に高性能MSを旗の近くに置いておくと敵に奪われてしまうことすらあり得るのだ。
歩兵でMSに踏みつぶされる恐怖、鹵獲(ろかく)できるかもしれない緊張感、旗を奪って勝利する快感。これらはほかのゲームでは決して体験できない。ガンダムを見ていた人間であれば誰もが想像する「ジムの足元で逃げ惑う」、「味方のMSに踏みつぶされないように走り回る」こういった状況を楽しめないわけがない。プレイしているとガンダム世代の筆者は「これが一兵卒の戦場なのか!」と心から感じてしまう。兵士の無力さを感じながらも、MSの性能差だけでは勝敗が決しない漢のロマンに燃える。いくら問題点が多かろうと乗り越えるだけの価値を見出してしまうのだ。
「ガンダム オペレーショントロイ」の正しい楽しみ方
やはりガンダムの世界を堪能するのであれば、オンラインで遊ぶことが一番いい。加えてマイクを付けるといいだろう。他のゲームでもマイクを利用することで同じチームの人々と会話しながら連携できるのが楽しいが、外国人とのトークが苦手ということで、あえて付けていない人も多いと思う。しかし、このゲームは違う。プレイヤーは日本人が多いようだし、しかも“ガンダムオタク”なのだ。それでコンクエストモードを遊ぶのが最も楽しめるはずだ。
実際に筆者が体験したマイクでのやり取りを軽く紹介しよう。
- 「貴様の死、無駄死にではないぞ」
- 「ゾックにはジオンの魂を感じるね」
- 「占領に向かうので踏み殺さないでください」
- 「隊長、連邦の白いやつがぁぁぁ」
- 「ジオンに兵なしだな」
このようなテンションの高い人々ばかりが遊んでいるとは言わないが、これらのセリフを口にしても誰も変人扱いはしない。“ガノタ”の戦場では、むしろ正しいとすら言えるのだ。それでいてザクのクラッカーにおびえる兵士として走り回り、ジムでグフに切り刻まれる。ゲリラとして森林中央の旗のそばで待ち伏せして、相手のMSを盗む機会をうかがう。こういったプレイができるのであれば、このゲームにいくら不満があったとしても、遊び倒してしまう人はいるはずだ。なぜならこれらの楽しみ方は、我々が30年前に新聞紙でビームサーベルを作り、ダンボールでシールドを作って遊んでいたころの「ガンダムごっこ」そのものだからだ。
勝敗を競うことや面白いゲームで楽しむなら、Xbox 360ならいくらでも素晴らしいゲームがある。だが、このゲームでしかできないことが確実に存在する。あの頃の想像を、あの頃の妄想を、ゲームの中で多くの同志たちとともに遊ぶことができることだ。君も名もなき兵士として“ガンダムごっこ”に興じてみないか?
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