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シネマティックとはこういうことだ――フロム・ソフトウェア「NINJA BLADE」トークイベント東京ゲームショウ2008 フロム・ソフトウェアイベント

「天誅4」と並び、フロム・ソフトウェアブースの目玉となった、Xbox 360用忍者アクションゲーム「NINJA BLADE」。フロム・ソフトウェアブースでは、本作のプロデューサーである竹内将典氏によるトークイベントが開催された。

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「TGS 2008」2日目のフロム・ソフトウェアブースでは、先日の「マイクロソフト メディアブリーフィング」でその存在が明らかにされたばかりの、Xbox 360用アクションゲーム「NINJA BLADE」のステージイベントが行われた。

 本作は、現代の東京を舞台に、摩天楼を忍者となって超スピードで駆け抜けていく「シネマティックアクション」ゲーム。新宿や六本木、東京タワーなど、ステージはいずれも東京の名所を忠実に再現したものとなっており、プレイヤーは実在する街並みをバックに、まるで映画のようなアクションを楽しむことができる。

 ただし「映画のような」と言っても、本作の場合それは「ムービーシーンが多い」という意味ではない。プロデューサーの竹内将典氏によれば、今回特にこだわったのは、アクションからムービーシーンへ、ムービーシーンからアクションへと、すべてをシームレスにつなげるということ。さらにユーザーがムービーシーンに干渉できるようにすることで、「“映画を見る”のではなく、まるで“映画を体験している”のような感覚が味わえるゲーム」を目指したのだという。

 主人公のキャラクターデザインには、「ロストプラネット」シリーズのデザイナーであるカプコンの中岡恵司氏、ゲーム楽曲制作には「メタルギアソリッド3:サブシスタンス」「龍が如く2」などを手がけた日比野則彦氏、イベントシーンのアニメーション演出にはプロダクションIGの川崎逸朗氏をそれぞれ起用した。残念ながら中岡氏は都合により来られなかったが、ステージには日比野氏、川崎氏の二人もゲストとして登場。互いの視点から、作品の見どころなどを語ってくれた。

imageimage Wii「天誅4」に続き、「NINJA BLADE」でもプロデューサーを務める竹内将典氏(左)、「このためだけに東京のあちこちを取材しました」という、プロダクションIG・川崎逸朗氏

 演出面で川崎氏が心がけたのは、意外にも「カメラをあまり動かさない」ということ。3Dだとカメラワークに制約がないため、ついクルクルと回したくなってしまうが、あえてそうしないことで映画的なカメラワークを目指したのだという。また日比野氏は、今作の楽曲イメージを「海外から見た日本」と表現。いわゆる日本的な忍者ではなく、アメリカンヒーローのような忍者を思い描いた時に、ぴたりと本作のイメージにハマったのだそうだ。

 またイベントでは、アーティストの小柳ゆきさんが歌う主題歌「beanstalk」も初披露に。「beanstalk」とは、直訳すれば「豆の茎」。最後には切り倒されてしまった“ジャックと豆の木”のように、「よかれと思ってしたことが裏目に出たり、信じていたものに裏切られたりといったせつなさを込めた曲」(日比野氏)だという。「おとぎ話のようなやさしさと、現実のせつなさとが入り交じった曲。いろいろな表情や気持ちを表現できて、歌っていて楽しかったです」と、小柳さんも曲の内容にはかなり満足していたようだ。

imageimage 楽曲担当の日比野氏。「やりたかったことをやれました」と自信たっぷりに語った(左)、ステージでは見事な歌声で観客を魅了してくれた小柳さんだが、実は大のゲームファンなのだとか

 ちなみに今回、同社ブースでは12台の「NINJA BLADE」試遊台を出展。時間にすればおよそ10分程度だが、実際にゲームの冒頭部分をプレイしてみることができた。

 ゲーム開始早々、いきなりヘリから飛び降り、眼下の摩天楼に向かって降下していく主人公。普通のゲームならまだまだオープニングの1シーンといったところだが、先ほども触れたとおり、本作ではムービーシーンもゲームの一部。しばらく空中を落下していくと、いきなり翼を持った敵が空中で主人公に迫り、同時に「Xボタンを押せ」との指示が出現。ここで見事指示どおりボタンを押すことができれば、華麗に空中で敵を倒して着地、失敗すれば降下するところからやりなおしとなる。ちょっと例えが古いが、「シェンムー」のQ.T.Eシステムのような印象だ。

 着地後は、刀や大剣、手裏剣などを駆使して戦う、文字通り「地に足のついた」普通の格闘アクションとなるが、ホッとしたのもつかの間、周囲の敵を一掃すると、今度は窓ガラスを突き破ってビルの壁面を猛スピードで駆け下りていく主人公。どんだけアグレッシブなんだ。ここでもやはり途中で様々なボタンを押すよう指示が出され、成功するとカギ縄のようなものをひっかけて次の建物へ移動したり、空中で襲いかかってきた敵を一撃で葬り去ったりと、思わず見とれてしまうようなアクションが目まぐるしく展開されていく。

 基本的には「アクション→ムービー→アクション→ムービー……」の繰り返しでゲームは進んでいくが、上記のようにムービー中にも様々なアクションを要求されるため気が抜けない。また竹内氏も言っていたとおり、アクションとムービーのつながりは非常にスムーズで、時おりムービーシーンもまるで自分が操作しているかのような錯覚に陥る。忍者+摩天楼という素材を活かした、ダイナミックな演出も一見の価値アリだ。

 このあとしばらく進むと、巨大なクモのようなボスと戦闘になるが、体験版でプレイできるのは残念ながらここまで。この先を見たい人は、ブース内のクローズドシアターにて、初公開シーン満載の特別映像も上映されているので、そちらもぜひチェックしてみてほしい。

imageimage マイクロソフトのノーマン・チャック氏。海外市場での販売はマイクロソフトが行う形となる(左)、やや奥まったところにあり、やや見つけにくい試遊台。時間は短いが、かなり濃密なプレイが楽しめた

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