格ゲー旋風再来なるか? 21世紀型「ストリートファイター」満を持して登場:「ストリートファイターIV」レビュー(1/2 ページ)
“対戦格闘ゲーム”を切りひらいた「ストリートファイター」シリーズの最新作「ストリートファイターIV」がプレイステーション 3、Xbox 360向けに同時リリース。海外からの注目も高い本作、再び格ゲーブームを巻き起こすことができるか?
「ストリートファイターII」がアーケードに登場した1991年以降、日本では“対戦格闘ゲーム”がひとつの大きなジャンルとしてカテゴライズされるようになった。スーパーファミコンからケータイまで、ありとあらゆるハードに移植され、その人気は今も衰えることはない。さらには、ハリウッド映画「ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー」やアニメムービーの制作など、「ストリートファイター」のムーブメントはゲームの中だけにとどまらない。
今回紹介する「ストリートファイターIV」は、グラフィックが3DCGに一新され、新キャラクターの追加、新システムの実装と、前作「ストリートファイターIII」とは大きく趣を異にしている。また、プレイステーション 3版ではPlayStation Network、Xbox 360版ではXbox Liveを利用してのオンライン対戦が行える。
対戦格闘ゲームというジャンルを切りひらいたストリートファイターIIを越えることはできたのか? さっそくレビューをお届けしていこう。
登場キャラクター、新システムをまずはチェック
ほとんどの人におなじみのストリートファイターIIの8人+四天王の12人、そして新キャラクターとして「クリムゾン・ヴァイパー」「アベル」「ルーファス」「エルフォルテ」の4人が登場。また、家庭用のオリジナルキャラクターとして「スーパーストリートファイターII」から「フェイロン」「キャミイ」、「ストリートファイターZERO」シリーズから「ダン」「ローズ」「元」「さくら」、アーケードでボスキャラクターとして登場している「セス」「豪鬼」「剛拳」を使用できる。
これまでのシリーズ同様、8方向のキー操作と弱・中・強のパンチ、キックで操作を行う。ゲームルールはいわゆる一般的な格闘ゲームと同じで、制限時間内に相手の体力ゲージをゼロにするか、タイムアップ時に体力が多いほうが勝利となる。本作で新たに追加されたシステムとして、中パンチ+中キックを同時押しして発動する「セービングアタック」と「リベンジゲージ」、「ウルトラコンボ」などがある。
セービングアタックは、発動中一部の技をのぞき、相手の攻撃を受け止めてから攻撃を行うもの。本作のキモとなるシステムで、コンボへの組み込みや、相手の起き上がりへの攻撃、必殺技を出している際にセービングアタックに移行する「EXセービング」など、ありとあらゆるシチュエーションで活躍する。また、相手の攻撃でダメージを受けるごとに溜まっていくリベンジゲージは、半分以上溜まると超強力なウルトラコンボが発動できる。これはスーパーコンボゲージとは異なり、ラウンド間の持ち越しはできないので使いどころが重要だ。
また、ストリートファイターIIIをプレイしていた人にはおなじみだが、ストリートファイターIIとの違いとして“前後へのダッシュ”“弱パンチ+弱キックによる投げ(および投げ抜け)”、ダウンを回避する“受け身”、通常技連携の“ターゲットコンボ”、通常よりも強い判定を持つがゲージを消費する“EX必殺技”の存在が挙げられる。ただし、これらすべてをいきなり使いこなすのは無理というもの。ひとつひとつ、徐々に使っていけば自然と覚えていくだろう。
家庭用に追加された新たなモードは?
移植するにあたり、さまざまなモードも用意された。オリジナルムービーを挟みながらCPUと対戦する「アーケードモード」、コントローラを持ち寄って友人などと対戦する「VSモード」、オンラインに接続して対戦する「ネットワーク対戦モード」、さまざまな課題に挑戦する「チャレンジモード」、必殺技やコンボの練習に最適な「トレーニングモード」、ゲーム中のムービーや原画などを閲覧できる「ギャラリー」など。これといって目新しいモードはないが、基本となる要素はひと通り押さえてある。
ただし、オンラインに接続している状態で「待ち受け設定」をオンにしていると、ほかのオンラインプレイヤーからの対戦申し込みが送られてくる。これは、現在稼働中のアーケード版で採用されている「リンクマッチ」をオンライン上で再現しているもの。これにより、オンラインロビーで延々と対戦相手を待ち続けることがなくなった。
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