TAIPEI Game Show2009番外編──ガマニアCEO Albert LIU氏インタビュー(後編)(3/3 ページ)
前編に引き続き、Gamania Digital EntertainmentのCEO、Albert LIU氏へのインタビューをお届けします。新作タイトルについても紹介。
プレイの目標は、それぞれ「大仙」「大魔」を目指す、「八大神器」を集めるというほかに、仙族 vs 魔族という形でのRvR、大規模対人戦に収斂していく。ストーリーレベルの目標は、魔族によって異変が生じた世界を、仙族が協力して八大神器を集めることで正常化するという、ある意味おなじみのもの。ちなみに台湾で、「八大神器」の導入は2009年下半期、年末前が予定されているという。
キャラクターの成長については、レベル&スキルポイントというオーソドックスな形に加えて、個人のポイント、つまり「World of Warcraft」のものに似たtalent(タレント。才能)システムが用意されている。また、族設定と連動した一種のアライメントシステムである「仙値」「悪値」の設定があって、それぞれゲーム内的に良いこと/悪いことをすることで上がる。そして、例えば仙族でプレイしているとき、仙値より悪値のほうが高かったりすると、ペナルティが生じてレベルアップのペースが遅くなるという。
プレイヤーキャラクターは最初人間で、レベル7に達した段階で仙族 と魔族のいずれかを選ぶ。コミュニティ関連のプレイ内容を知ったあとにレベル10で接近戦系か魔法系かという職業選択が生じ、さらにレベル25前後でそれぞれが二つの上位職業に分岐するという。仙族から魔族、魔族から仙族への転向は、10数レベル向けのマップで、すでに可能になるという。
職業ごとの召喚ペットと、騎乗ペットも用意されていて、例えばヒーラーが召喚ペットを接近戦における補助として使うといったことも可能なようだ。一方騎乗ペットは入手時点では小さくて乗れず、これを育成することで初めて乗れるようになるという、なかなか凝ったものだ。神仙世界がモチーフだけに、さまざまな瑞鳥神獣にお目にかかれるのだろうか? ただし、現段階で飛行型のペットは入っていないそうで、まだ検討中とのことだ。
ちなみに仙族から魔族、魔族から仙族に転じるためには、当初さまざまなクエストが用意されていたようなのだが、台湾におけるβテストの結果、それが煩雑であるという意見が多数出たため、現在は“裏切りNPC”に会って所定のゲーム内通貨を払えば、すぐに転向できるようになっているらしい。
ギルドは仙族なら仙族のみ、魔族なら魔族のみで構成する形となっていて、転向したキャラクターは自動的に追い出される。ただし、ギルドとは別に師弟システムが用意されていて、こちらには仙族/魔族の制限はない。とはいえ、こうしたコミュニティ周りの設定は、現地パブリッシャの判断が尊重されて変わる可能性も高いそうだ。
用意されているPvPのモードとしては、1 vs 1を基本とするフィールドPvP、仲間同士で行う一種の“演習”、そして戦場エリアで行われるGvG(ギルド vs ギルド)戦闘のほかに、仙族 vs 魔族のRvRが用意されている。族を問わないPvP要素は、今後さらに大規模なものを導入していく予定だという。RvRでの争奪対象には八大神器も含まれていて、勝者側が手にしたそれには、所属キャラクターの成長を速めるといった効果がある。とはいえ日本でのサービスを考えたとき、より重要なのは“PvP以外”のプレイ目標選択肢だろう。これについては攻略して楽しめるインスタンスゾーン設定がふんだんに用意されていて、ソロプレイにせよパーティプレイにせよ、十分なコンテンツ量になるはずだという。
攻撃操作はクリックベースで、スキルの発動はホットキーというおなじみの形、課金システムについては基本無料/アイテム課金が予定されている。日本で楽しみにしている人に向けてメッセージをお願いしたところ「日本向けのカスタマイズやオリジナルのコスチューム、アバターアイテムもたくさん用意されていますので、お楽しみに」とのこと。なんだかセーラー服や浴衣もこっそり作っているらしいので、神仙世界といっても、だいぶ親しみやすいものとしてサービスされそうだ。
日本オリジナル仕様は今後も充実「ルーセントハート」
最後に、日本でも既にサービスが始まっているMMORPG「ルーセントハート」について、開発元であるPLAYCOOのPresident Joice Chang氏にお話を伺うことができた。日本オリジナルのアバターや“ウマウマ”ダンスエモーションといった独自要素を取り入れ、日本市場を重視していることがうかがえる本作品の、今後のアップデート予定などをお伝えしよう。
まず、日本と台湾でのサービス状況についてだが、台湾で「星辰Online」としてオープンした際にはコンテンツも少なくゲームバランスもいまひとつだったゆえ、一時期は最大同時接続者2万5000人という数字をたたき出したが、その後ユーザー離れを招いてしまったという。一方日本版はバランス調整やシステムの改善を行い、十分なボリュームを用意した状態でスタートしたことも影響し、お膝元台湾よりも日本のほうが人気は上々という話である。クライアントのバージョン差はアップデート1つ分しかないが、台湾の最新バージョンではNPCを雇用して共に戦える傭兵システム、PvPを勝ち抜きレベルとランキングに合わせた報酬がもらえる競技場システム、ほしともと挑戦するカップルインスタンスダンジョン、新騎乗ペットなどが実装されている。傭兵システムについて、ちょっとだけ詳しい情報を聞くことが出来た。NPCといっても見た目はモンスターに近い形をしており、今のところ12〜14種類の雇用可能なNPCが用意されている。雇用にはアイテム「封印の星石」が必要となり、これは先述の競技場で交換できるほか、モンスターからのドロップやクエスト報酬として手に入る。通常のペットと同時召喚も可能なので、クラスを問わずソロプレイがかなり楽になりそうだ。
日本独自のアバターアイテムについて尋ねてみたところ、今後もガマニアジャパンからの要望を汲みつつ、衣装や髪型に加えてペットや装備品、ガチャアイテムについても日本限定アイテムを開発。その他、台湾ではマイナーアップデートとして修正・追加された部分も、ガマニアジャパンからの要望があれば先送りして導入していく予定とのことだ。アイテム類の話が出たところでChang氏に「男女のキャラクターでヘアスタイル、衣装の可愛らしさに差がありすぎる。男性キャラはちょっと手抜きでは?」とストレートに尋ねてみたのだが、「ルーセントハートに限らずMMORPGでは女性キャラの比率が高いので、これからも男性より女性キャラのデザインに力を入れていく」という、男性キャラプレイヤーには残念な回答であった。また、中級レベル以上からは必要経験値があまりに多く、毎日「ラビリンス」に通うといった遊び方の幅が狭まること。上級者が初期マップを訪れる必要性がないため、序盤の都市やフィールドには誰一人プレイヤーがいないという状況についても尋ねてみたが、PLAYCOOL側でもこういった問題点は既に把握しており、現在検討中という話である。
今後の具体的なアップデート内容だが、台湾では5月頃の次期アップデートとしてGvGシステム、プレイヤーが早押しで答えるクイズシステム、見た目が巨大な大型武器、新騎乗ペットシステムなどが、5月以降の大型アップデートでハウジングシステムの追加が予定されいる。日本には第3四半期ぐらいの実装を目標としているそうだ。
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