DSゲームはダウンロードする時代? DS用ソフト違法配信の男性に懲役2年6カ月の実刑判決:日々是遊戯
ニンテンドーDS用ソフトをネットで複製・販売し、昨年逮捕されていた大阪府の男性に、懲役2年6カ月、および罰金200万円と追徴金約710万円の支払いが命じられたそうです。
著作権法違反としてはかなり重い実刑判決
すでに新聞各紙などでも報じられていますが、ニンテンドーDS用ソフトを違法に複製・配信したなどとして、京都地裁は8月3日、著作権法違反および商標法違反などの罪で大阪府の会社員・朝霧由章被告に懲役2年6カ月、および罰金200万円と追徴金約710万円の支払いを命じる実刑判決を言い渡したそうです。
ゲーム関連のニュースに明るい方なら覚えているかもしれませんが、朝霧被告は昨年11月、全国ではじめてゲームソフトの著作権法違反(譲渡兼侵害容疑)で逮捕されたとして大きな話題を集めました。当時のニュースによると、朝霧被告は自ら立ち上げたホームページ「DSGAME」において、「すべてのDSゲームが0〜500円」「DSゲームはダウンロードする時代」などとうたい、DS用ソフトの複製ROMデータを、1タイトルあたり0〜500円にて販売。サイトではROMデータのほか、これらを使用するためのマジコン本体や、ROMデータが入ったSDカードなども同時に販売されていたとのことです。
ゲームソフトの著作権法違反を扱った事例としてはおそらくはじめてのケースとなりますが、懲役2年6カ月と、罰金・追徴金合わせて約900万円の実刑判決というのは、他の犯罪などと比べてもかなり重い判決。このニュースを受け、ネットの掲示板などでは「これは捕まって当たり前」「当然の判決。マジコンユーザーも捕まえてほしい」「900万でもまだ安いくらい」といった声があがっているようです。
この連載でもマジコン利用の是非については何度か触れてきましたが、先日のファームウェアアップデートでニンテンドーDSiにもマジコン対策が施されるなど、マジコンの違法利用をめぐる包囲網は徐々に狭まってきている印象があります。また、マジコン自体はあくまで「黒に近いグレー」の商品とされていますが、今回のケースのようにROMデータをネットで複製・配信したり、誰かに販売したりする行為については完全な違法行為となります。似たようなケースでは、つい先日も違法コピーされたと思われるPSP用ソフトを、友人に配っていた高校生のブログが大炎上に至ったりしていましたが、健全にゲームを遊んでいるユーザーが不利益を被らないためにも、こうしたケースには今後も厳しく対処していっていただきたいところです。
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