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パレットタウンと「チョロQ」タウンゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/3 ページ)

9月9日は「チョロQの日」だったらしい。それにちなんで今回は、プレイステーションなどで発売された、タカラ(現・タカラトミー)の「チョロQ」ゲームシリーズを取り上げてみよう。あと1年弱で姿を消す、お台場の大観覧車を惜しみつつ。とあるバンドの楽曲に心を動かされつつ。

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チョロQの町が誕生!

 第1作の発売からまる1年が経った1997年、「チョロQ2」が発売される。海の中を走るコースや、地下鉄の線路を走るコースなど、個性的なコースが増えた。使えるボディの数も前作より多い。

 しかし「2」の最も大きな特長は、“チョロQタウン”の登場。パーツやボディを売る店が、ポリゴンで形作られたひとつの町に点在している。チョロQを駆って町なかで、それらのお店を探すのだ。

 このチョロQタウンにはさらに、隠されたコースやショップ、アトラクションがあり、それらを見つけることもゲームの楽しみのひとつとなっている。

 ただ「チョロQ2」は正直、難度がちょっと高かったように思う。

 前作同様、いいパーツを買えばチョロQの性能は上がるのだが、より良いパーツを売っている店をオープンさせるには、スーパーグランプリというシリーズ戦を制覇しなければならない。

 でもわたしは、そのほかの店にあるいちばんいいパーツを全部装着させても、チャンピオンになれなかった。

 だからわたしは「チョロQ2」をクリアしていない。今回この記事を書くにあたって、あらためて挑戦してみたが、やっぱり駄目だった。

 つまり「チョロQ2」は、「アドバンス」とは違って、決して簡単なゲームとは言えないのだ。それでもシミュレーター的なレースゲームよりは、断然くみしやすいんだろうけど。

チョロQタウンが初登場。手前のカジノは終盤までオープンしない。向こうに見えるお城にも秘密があるらしい
コースは前作以上に多彩。チョロQタウンの中にある、地下鉄の線路までもがコースになっている
スーパーグランプリ。このわずかな差が縮まらない。一応総合3位には入ったんだけど……

 「2」のチョロQタウンには、コースやショップなどが隠されているだけだったが、翌1998年に発売された「チョロQ3」に出てくる“チョロQシティ”はすごい。町の面積がチョロQタウンより大幅に広くなったのはもちろん、町の中にいくつもの仕掛けやイベントが散りばめられている。それらを探すのも、ゲームの目的のひとつになったのだ。

 「チョロQ3」では、チョロQシティで起こるイベントが100個あることを、ボディやパーツがそれぞれ100種類ずつあることとともに、売りにしていた。

 イベントは本当に多種多彩。隠されたコースやショップを見つけるといった基本的なもの。迷路に入って出口へ抜ける、ジムカーナを規定タイム以下でクリアするなどのミニゲーム。落ちてきた大きな岩に当たる、幽霊につきまとわれる、消火栓にぶつかって水を噴き出させる、船にぶつかって沈めるといったハプニングもの。

 果ては、火事を消す、逃走車両をつかまえるなど、特定のボディを使っているときだけ発生するイベントまで存在した。

広い広いチョロQシティ。レースで結果を残すたびに、新しい店が次々とオープンしていく
チョロQシティのイベントをクリアするごとに、「チョロQコイン」が手に入る。100枚集めよう
途中で入手できるアイテムを使えば、夜のシティを走ることができる。昼間とはまったく違った面が見られる

 「チョロQ3」でも「2」と同じく、スーパーグランプリ制覇はかなり難しかった。グランプリでは常に10台中10番手からのスタートとなるため、狭い道でほかのマシンを抜くのに手間取ってしまうのだ。

 とはいえ、わたしがどうにかクリアできたくらいだから、「2」よりも難易度は下がっていると思う。

ゲーム内広告が多いのも「チョロQ」シリーズの特徴。右端にはどこかで見たような車が……
アップダウンの激しいコースも「チョロQ」シリーズでは恒例。これはホテルの中に設けられたコース
枕草子の一節に基づいた、春夏秋冬のコースがある。秋のコースの紅葉がきれい

パレットタウン最後の夏

 2002年、タカラはチョロQモーターズという子会社を設立し、チョロQをモチーフとした自動車「Q-CAR」を発売した。チョロQをそのまま大きくしたような、1人乗りの丸っこいオープンカーで、家庭用電源で充電できる電気自動車だった。……世に出るのが5年ほど早かったかなぁ。

 お台場海浜公園駅の前に、このQ-CARの販売店があり、道路からよく見える場所にQ-CARが展示されていた。今そこにQ-CARの姿はないが、すぐ近くのパレットタウンで、よく似た車が走っている。

 トヨタのE-comという電気自動車だ。

 E-comはQ-CARと同じく、家庭用電源から充電できる電気自動車だ。もちろん公道も走れるが、パレットタウンのMEGA WEBでは、専用走路を自動運転で動いている。わたしも1回乗ったことがあるが、席に着いたらそのまま座っているだけで移動できるのだ。特に、駅から歩くとちょっと遠い、アレッサンドロ・ナニーニ・カフェへ行くとき便利。ここのティラミスがうまい。

 MEGA WEBのほか、お台場の観光の目玉である大観覧車やヴィーナスフォート、Zepp Tokyo、そして巨大なゲームセンター「東京レジャーランド」を擁するパレットタウン。ここは森ビルと三井物産が東京都から期限つき借地契約で借りている土地であり、その期限は2010年で切れる。それまでに更地にしなければならないので、MEGA WEBも大観覧車もヴィーナスフォートも、あと1年弱で見納めになる。

 今年の夏は、実はパレットタウン最後の夏だったのだ。

 その後、もっと大きな建物が建ち、新しい観覧車もできるらしいが、2012年の一部開業まで、パレットタウンは閉鎖されるようだ。それに、今の施設がそのまま復活するわけではないので、今ある景色が見られるのは今のうち。

 クリスマスが近くなったら、例年以上にカップルが集まるかもしれないなぁ。

直径100メートル、高さ115メートルの大観覧車。ロンドンアイに抜かれるまで、高さ世界一だったこともある
E-comの専用走路は、一部屋外を通っているので、動くE-comを外からでも見られる
「女性のためのテーマパーク」をキャッチフレーズにしたヴィーナスフォート

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