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「信長の野望・天道」連載(第2回)――「街道」を核にシステムを整理した「天道」伸ばせ街道! 戦国ニッポン改造論(1/3 ページ)

今回は、いよいよ発売日を迎えた、ファン期待のシリーズ第13作「信長の野望・天道」のゲームシステムに触れてみたい。街や各種拠点同士を結ぶ街道に注目!

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 前回は主に「信長の野望」シリーズ20数年の歩みを辿り、富国強兵ゲームとしての「信長の野望」が、戦国時代の雰囲気を再現すべく、世代を追うごとに要素の拡充を続けてきた流れを説明した。しかしながら、プレイ要素の充実はプレイの手間と所要時間を増やすことでもあり、最新作品である「信長の野望・天道」の課題はむしろ「プレイしやすさ」であるとも述べた。

 歴代作品で積み上げてきた魅力的なプレイ要素を受け継ぎつつ、いかにプレイしやすいゲームシステムを組むか? 「信長の野望・天道」はそうした課題に答えるための切り札として、街や各種拠点同士を結ぶ街道に注目した。この着想はおそらく、史実において織田信長が行った安土−京都間の街道整備などをベースにしたものでもあろうが、「信長の野望」のプレイを構成する軍事要素と内政要素を有機的に連携させる、一種の卓見と評すべきかもしれない。プレイ要素としての軍事と内政は、ともすれば二つの山に分かれてしまいがちなわけだが、街道の掌握と整備を主たる課題に据えることで、それらはおのずと一つに統合されるのだ。

 今回はそうしたデザインコンセプトを意識しつつ、「信長の野望・天道」の具体的なプレイ要素について紹介していこう。

内政としての街道整備――技術と経済が往来する街道

尾張国の全景。マップ上に明るい線で引かれているのが「街道」

 「天道」ではそもそも、自領の掌握方法からして従来作品とは異なる発想をとっている。「天道」において、農地や市街地からなる生産と技術開発の拠点は「集落」と総称されるが、この「集落」は、城から「街道」をつなげることで支配下に置けるというのが、本作独自のルールだ。メインマップは「信長の野望 革新」のものに似た3D全国マップだが、「街道」の有無が記号としてはっきり描かれているのが分かるだろう。武将率いる「工作隊」を派遣して連絡路を作るのが「天道」における領地掌握である。戦国時代において、大名勢力の境目に位置する村はしばしば両方の大名と関係を結ぶことで安全を確保した。「天道」における街道はいわば、領地に対する各大名の相対的な(つまり必ずしも排他的でなく、常に揺れ動く)影響力を象徴するルールと考えるべきだろう。


「工作隊」を派遣して、城から集落まで続く「街道」を引くことで、各集落を支配する

支配できる集落には、武家町、商人町、村落、資源生産地などがある

 大名が支配できる「集落」の中には「匠ノ町」という施設もあって、武器や戦術を含む技術研究はここで行う。ここは「革新」で導入されたプレイ要素を引き継ぐ部分だ。開発した技術を保持しているのは町そのものなので、町が他大名に奪われれば技術も失われる。研究投資で技術を高めていくことだけでなく、それをどう守るかも今作の重要なポイントだ。

街道をつなげることで「匠ノ町」を掌握
技術「鉄砲鍛冶」を開発した町を守る
高度な技術では、特定の資源産出が条件に

畑からの食糧収入を増やす「草肥」の技術を獲得したところ
「馬上筒」を開発することで、騎馬鉄砲隊が編成可能に
「挽割製材」技術は集落の開発にも城の拡張にも役立つ

 また「街道」は、山や川に遮られて軍勢が通れない地形にも開鑿(かいさく)可能で、街道の有無はその先の「集落」を支配できるか否かだけでなく、自軍の行動範囲をも左右するのである。

信濃北部から越後南西部へ、北アルプスを抜ける街道を開鑿したところ

川に「渡し」を設けることで、軍勢も通れるようになる

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