「リアルサウンド 風のリグレット」の画面写真を作ってみた:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/6 ページ)
連載第79回は、「リアルサウンド 風のリグレット」(ワープ)。“ゲーム界の風雲児”こと飯野賢治氏の作品です。最大の特徴は、ゲーム画面が一切なく、音だけでゲームが進行すること。でも、この記事まで画面写真がなかったら味気ないので、あえてこのゲームの画面写真を、想像で勝手に作ってみました。
博司のなつやすみ
あくみ町駅の駅舎は瓦屋根。寝台特急が止まるので、ある程度大きな駅だろう。紀伊や東四国の中では、熊野市駅がイメージに近い気がする。熊野市駅だとちょっと大きすぎると思われる方は、徳島市の蔵本駅ではいかがだろうか? 両駅の写真を並べてみたので、お好きな方を選んでいただきたい。
それから、終盤でとんでもないことが起きる駅のベンチ。熊野市も蔵本もベンチが新しすぎるので、紀州鉄道の紀伊御坊駅で撮ったベンチの写真を載せてみた。
駅前の風景が細かく描写されている。駅の周りにスーパーや商店街があり、駅前からは製紙工場の煙突が見える。わたしの故郷の駅前がまさにこういう風景なのだが、紀伊から遠く離れた北海道の苫小牧なので、紀伊とはだいぶ風景が違うはず。
紀伊半島にある製紙工場を調べてみたところ、鵜殿(うどの)駅のそばにあるようだ。でも鵜殿には特急が止まらないので、隣の新宮から見てみた。……駅前からは見えない。熊野川のほとりまで歩いてようやく見えたが、今度は街が見えない。
あと、前述の蔵本駅の近くにも製紙工場がある。しかし実際に行ってみたら、車窓から工場は見えたものの、煙突がなかった。
あくみ町の町なかには、真っ赤なバスが走っている。そんなバスがどこかにないか探したところ、たまたま新宮で見かけた。「風のリグレット」の発売当時、こんな派手な色のバスは珍しかっただろうが、ラッピング広告が普及した今では、全国各地でいろんな色のバスや電車が見られるようになった。
博司と菜々は海水浴場へ行く(途中で選んだ選択肢によっては、来ないこともある。わたしも1回めのプレイではここへ行けなかった)。最近できた海水浴場だが、人がほとんどいない。海の家はある。
わたしは最初、南紀白浜の白良浜(しららはま)をこの海水浴場に見立てようと思ったのだが、白良浜はきれいだし、シーズンオフでも人がいるし、大きなホテルが林立している。あくみ町の海水浴場とは、かなり異なった風景なのだ。
地図を見てみたところ、紀勢本線に「広川ビーチ」という駅があるのを発見。平成になってからできた駅らしい。行ってみた。駅から18分、発電用の巨大な風車が回る山を左右に見ながら歩き、西広海岸という所にたどりつく。
シーズンオフだったこともあって、本当に人がいなかった。でも対岸に島が見えて、景色は美しい。気候は夏そのもので、往復歩くとかなり疲れたが、駅に隣接した物産センター「ふれあい館」で食事休憩できた。
さらに2人は、泉水の居場所の手がかりを求めて、博司と泉水が通っていた小学校へ。この小学校がまた古い建物のようで、板張りの校舎に青い瓦屋根。博司が小学生の頃は、まだ照明が裸電球だったというから相当なものだ。
木造校舎自体が珍しくなってしまった現代。紀伊・東四国の範囲からは少し離れるが、愛媛県西予市、卯之町駅の近くにある米博物館へ行ってみた。ここは宇和町小学校の旧校舎の一部。長い廊下に面して12部屋の教室が並ぶ。廊下の長さは何と109メートル。この廊下で端から端まで雑巾がけを行なってタイムを競う「Z-1グランプリ」が毎年開催されており、テレビでもよく取り上げられる。
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