第3回「なぜ、ゲームではステージ数の表示方法にこだわるのか?」:なぜ、人はゲームにハマルのか?(1/2 ページ)
「ディグダグ」「ギャラガ」など、ステージ数の表示方法には、プレイヤーをついつい夢中にさせる驚きの仕掛けが!
いろいろ仕掛けられています
第3回目は、前回のテーマである「ハイスコア」に付随する要素としても重要なステージ数の表示について取り上げよう。
初期のビデオゲーム、とりわけアクション、シューティングゲームにおいては、スコアと同時にどれだけ先のステージに進めたかが、プレイヤーの実力を示す指標として重視された。特にアーケードゲームではステージ数を明記することにより、周囲で見ている人にもプレイヤーの腕を視覚的かつ端的に伝えることができるため、一種のサイン看板のような役目も果たしていたのである。
それでは、具体例をムービーを使って説明していこう。まずは1981年にナムコから発売された名作アクションゲーム、「ディグダグ」のムービーをご覧いただきたい。
現在プレイ中のステージは、「ROUND○○」と誰でもすぐ分かるよう数字で表示されているが、実はもう1カ所、ステージ数を表示している場所があることに気がつかれただろうか?
その答えは、画面右上に咲いている花の絵だ。白くて小さい花がひとつにつき「1」を、赤くて大きな花が「10」を意味しており、現在○面をプレイ中であることを表しているのだ。
この花の存在によって、プレイヤーはステージに進むほど画面内にたくさんの花が表示され、自身の腕が上達したという充実感をより味わうことができる。同時に、周囲のギャラリーにも自らの実力を視覚的にアピールできる効果も持っているという、まさに一石二鳥の仕掛けなっているのである。
数字とは別に、わざわざ花の演出を追加した秘密はまさにここにある。
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これをさらに発展させたのが、同じく1981年に登場したナムコのシューティングゲーム、「ギャラガ」。この作品にはステージ数を示すマークが「1」「5」「10」「20」「30」「50」を表す全6種類のデザインがあり、いずれもホームベース型の五角形になっている。
また10面以降のマークは、何やらヨーロッパの王侯貴族が用いるエンブレムにも似たとてもカッコいいデザインになっており、ここまで到達できたプレイヤーにとっては、まるで勲章をもらえたかのような達成・優越感にひたることができて、他のプレイヤーについつい胸を張って自慢したくなってしまう。かく言う筆者も、かつてはこれらのエンブレムが見たいがために、必死になってゲームをやり込んでいた思い出がある。
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