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ゲームはREGZAで――新生「REGZA」の目玉機能「ゲームダイレクト2」とは

本日発表されたREGZAの新モデル。その機能のひとつ、「ゲームダイレクト2」の威力を実際に体感してきました。

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新生REGZAはゲームにも強い

LEDバックライトコントロールを全モデルに搭載し、新しく生まれ変わった「REGZA」シリーズ。写真はZ1(55V)

 本日(4月14日)発表された、東芝「REGZA」の新ラインアップ。その特徴のひとつに、よりゲームに特化した新モード「ゲームダイレクト2」がある(詳細は「“LED REGZA”の進化を探る Z1シリーズ詳報」を参照のこと)。

 「ゲームダイレクト」とはもともと、REGZAの上位シリーズにのみ搭載されていた表示モードで、液晶モニタでゲームを遊ぶ際にしばしば問題となっていた「表示の遅延」を、ほぼゼロに抑えることができる――というもの。今期モデルに搭載される「ゲームダイレクト2」はこれをさらに進化させたもので、さらに快適にゲームを遊べるよう様々な改良が施されているとのこと。果たしてその威力とは――?

 まず、ざっくりとではあるが、従来の「ゲームダイレクト」と「ゲームダイレクト2」の違いをまとめておこう。

  • 1:スケーラー機能の追加により、すべてのゲーム映像を画面いっぱいに表示可能に
  • 2:遅延時間はそのままに、同時に超解像処理も可能に
  • 3:HDMI端子以外(D端子/S端子/PC接続)にも対応
  • 4:さらに進化した「ポータブルズーム」

 従来のゲームダイレクトは、言い方を変えれば「スケーリング(引き延ばし)や超解像処理など、他のあらゆる処理をオフにすることで遅延時間を短縮する」というもので、このためWiiやPS2などの映像を表示した場合、スケーリング機能が使えずドットバイドットでの表示となり、“外側に大きな黒枠ができてしまう”というデメリットがあった。「遅延時間が短いのはいいけど、もっと大きな画面で遊びたい!」と思っていた人も多いだろう。

 しかし今回搭載された「ゲームダイレクト2」では、遅延時間短縮を実現しつつ、なおかつスケーリングや超解像処理も並行して行うことが可能となった。つまり元映像が720p以下であっても、遅延時間はそのままに、なおかつ画面いっぱいに映像を表示することが可能。もちろんREGZAならではの「超解像処理」も並行して行ってくれる。

左が従来のゲームダイレクトで、右がゲームダイレクト2。720pの映像を表示した場合、従来モデルでは外側に黒枠ができてしまっていたが、ゲームダイレクト2では画面いっぱいに映像を表示することが可能となった

超解像処理の例。従来のゲームダイレクト(前2枚)では斜めの線のギザギザがかなり目立つのに対し、ゲームダイレクト2(後2枚)ではジャギーが補完され非常になめらかに見えている。(写真はPSP用ソフト「メタルギアソリッド ピースウォーカー」の体験版)

「ゲームダイレクト2」使用時の遅延時間は約19.3〜19.9msec。なおかつ超解像処理・スケーリング処理も同時に行えるようになった

 遅延時間については、ゲームダイレクトOFFの場合で約50msec(約3.0フレーム)であるのに対し、ゲームダイレクトをONにすることで約19.3msecにまで短縮可能(1080p映像の場合)。フレーム数で言えば約1.1フレームと、格闘ゲームや音楽ゲームなど、タイミングや反応が重要なゲームでも十分に遊べるレベルとなっている。720p、480p表示時の遅延時間も従来のゲームダイレクトより短縮されており、720p以下の映像でも1080pとほぼ変わらない遅延時間でゲームを遊べるようになった(720pでは約23msec→約19.5msecに、480pでは約26msec→約19.9msecに)。このあたり、PS2やWiiなどでよく遊ぶ人にとっては嬉しい改良点と言えるだろう。

 またPSPの映像を画面いっぱいに引き延ばして表示する「ポータブルズーム」機能についても引き続き搭載。今回は映像を引き延ばすだけでなく同時に超解像処理も行えるため、映像を引き延ばしてもドットのギザギザがほとんど気にならず、据え置き機並みの映像を楽しむことが可能となっている。動画サイトなどでも一時期大きな話題となっていたが、PSPを持っているユーザーはぜひ試してみてほしい機能だ。

従来モデルで好評だった「ポータブルズーム」機能はさらに強化されている。通常、PSPの映像をテレビに出力すると画面外側に黒枠ができてしまうが、「ポータブルズーム」を使えばフル画面で表示することが可能

 そのほか今期モデルの特徴としては、RE1/HE1を含む全モデルで「ゲームダイレクト2」を搭載している点があげられる。従来の「ゲームダイレクト」は上位機種であるZX/Zシリーズにしか搭載されていなかったが、小型モデルにも搭載されたことで、より幅広いシーンでの活用・設置が可能になった。例えば「ゲームはリビングじゃなく、自分の部屋で遊びたい」という人にとって、RE1やHE1シリーズも「ゲームダイレクト2」に対応したのは嬉しいところだろう。最小で19型からのラインアップとなっており、設置場所に困ることはなさそうだ。

 従来の「ゲームダイレクト」は、遅延時間を優先する代わりに映像を犠牲にしなければならないなど、まだまだ未完成な部分も多かった。しかし、それでも発売後のゲームファンの反響は非常に大きく、今までどれほどゲームファンが「遅延」に悩まされてきたかをあらためて浮き彫りにした形となった。何より「ゲームのこともちゃんと考えてくれている」という姿勢を見せてくれたことが、ゲームファンにとっては嬉しかったのではないかと思う。

 今回搭載された「ゲームダイレクト2」では、従来のゲームダイレクトで指摘されていた細かな問題点が解消され、ようやく本当に求めていた「ゲームダイレクト」に追いついたという印象を受けた。画面いっぱいに映像を表示し、なおかつプレイヤーの操作がダイレクトに画面に反映される――考えてみれば当たり前のことだが、その当たり前のことが当たり前にできる。ゲームファンにとって、これほど嬉しいことはないだろう。本気でゲームと向き合い、楽しみたいなら、ぜひ検討してみる価値のあるモデルと言えそうだ。

(C)2010 Konami Digital Entertainment


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