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ひとりで「ファミスタ」できるかな?ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(6/7 ページ)

連載第85回は、ナムコの「ファミスタ」(プロ野球 ファミリースタジアム)シリーズ。対戦プレイがおもしろいと評判のこのゲームですが、1人でプレイしてより楽しむにはどうしたらいいか、考えてみました。

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 ナムコは2002年、フジテレビとタイアップしたリアル志向の野球ゲーム「熱チュー!プロ野球2002」を、プレイステーション 2で発売した。このゲームはシリーズ化され2005年まで続く(2005年はフジテレビ野球中継の改題に合わせて「ベースボールライブ2005」というタイトルになる)。

 この期間、ナムコの野球ゲームはこのシリーズがメインとなり、ファミスタはゲームボーイアドバンスとゲームキューブで1回ずつと、携帯電話アプリで登場しただけ。1988年から続いていたアーケード版「ワールドスタジアム」も、2001年版が最後となった。

 しかし2006年。「熱チュー!プロ野球」「ベースボールライブ」の流れをくんだ「プロ野球 熱スタ2006」に、「ファミスタモード」が搭載された! これは“ファミスタ20周年”を記念して作られたもので、本編のゲームとはシステムもグラフィックも操作体系もまったく異なる、昔ながらのファミスタだ。

 グラフィックは、直近のゲームボーイアドバンス版やゲームキューブ版ではなく、ファミコン版を再現。BGMはダッシュケイオウで、エラー、ファインプレイ、ひいき設定あり。球場は実在の13球場と、ピッカリスタジアム(初代ファミリースタジアムの球場)、かせんじき球場から選べる。

実在の球場は実写風だが、ピッカリ、かせんじきはファミコンそのままのテイスト

 「ファミスタチャレンジ」では、従来の1人プレイと同じ勝ち抜き戦が楽しめる。プレイステーション 2なのにあえてパスワード式というのがおもしろい。

 ファミコン時代と違うのは、変化球を端から端へ投げるだけでは、COMの打者を打ち取れなくなっていること。なかなか昔のように勝ち進むのは難しい。それと、COMの投手が牽制球を投げるようになった。

 かなり打者優位になっているようで、特にホームランが出やすい。さらに、ピッチャーが汗をかき始めて間もなく、疲れが来て能力ががくっと落ちる。選手数は従来のファミスタより格段に多いので、早め早めの投手交代を心がけよう。

擬人化の星

 翌年の「プロ野球 熱スタ2007」でもファミスタモードは存続。しかもパッケージに大きくファミスタの選手を描いて、このモードをゲームの売りにした。ゲームバランスは、前作よりやや投手優位になった感じがする。

 「2007」で特筆すべきは、裏技で出てくる「リアルナムコスターズ」の存在。ファミスタモードではない、リアル系のゲームの方に、ナムコスターズが出現するのだ。

 「ファミスタチャレンジ」をセ・リーグの球団でクリアし、出てきたパスワードを使ってオールセントラルでまたクリアし、出てきたパスワードを入力すると、リアルナムコスターズが使える。こう書くと厳しい条件のようだが、パスワードなのでネットで調べればわかるし、そもそもパスワード自体が単純なもので、推測で打ち込んでも多分当たる。

 リアルナムコスターズの姿かたちには驚かされる。かつてアーケード版「SUPERワールドスタジアム」シリーズで、元ネタのキャラクターそのものが出てくることがあったが、そういう方向性ではない。

 それぞれのゲームをデザインに入れた、マスクマンみたいな感じなのだ。アキバプロレスに出てきてもおかしくない。

ピノやギルなど、人型のキャラクターはまだ違和感が少ないのだが……
ワギャンが人型になるとこうなるか
パックはいかにもスラッガーといった体格。サンドラの目は顔にペイントされたような感じ

 「熱スタ」では選手が登場する際、アナウンサーがその選手のキャッチフレーズを言うのだが、リアルナムコスターズの選手も例外ではない。「次々と塁を回収するチャンスメーカー、マッピー!」「ランナーを地獄送りにする強肩、たろすけ!」「つぶされても粘り強くはい上がる雑草魂、プーカァ!」など、元のゲームに掛けたフレーズがおもしろい。

 「熱スタ」で好評だったのか、これ以後ナムコはリアル路線の野球ゲームに代えて、再びファミスタシリーズを復活させた。ニンテンドーDSやWiiで発売され、特にDSでは前述のとおりシリーズ化されている。さらにオンラインゲーム、携帯電話アプリも登場した。

ドリアン

 ここまで触れてこなかったが、初期の頃はPCでも、ファミスタシリーズはけっこう発売されていた。

 1989年発売のMSX2版は、「ザナック」や「アレスタ」で知られ、後には「ぷよぷよ」で有名となる、コンパイルが開発していた。同社はMSX2版「ゼビウス ファードラウト伝説(サーガ)」も開発している。

 発売前には同社のディスクマガジン、「ディスクステーション」にMSX2+専用の体験版が収録された。この体験版がMSX2対応となって、本編発売より前に「プロ野球ファミリースタジアム ホームランコンテスト」の名で商品化されている。本編も当初はMSX2+専用ソフトになる予定だったが、2+があまり普及していなかったため、MSX2にも対応することになった。

 ファミコン版「'88」と違って、エディットモードで作ったデータをディスクに記録できる。当時MSX2では、コナミの「激突ペナントレース」が、チームエディットで作ったオリジナルチームによる対戦が受けて大人気だった。エディットモードの強化はそれを意識したのかもしれない。もっとも「激突ペナントレース」と違って、能力値に制限を設けなかったことで、かえって対戦には使いづらかったかもしれない。

 ナムコスターズももちろん出てくるが、なんと、ぴのがいない。MSXに「トイポップ」が出ていなかったからか、とも思ったが、ファミコンでも「トイポップ」は出てないし、MSXに移植されてないほかのゲームのキャラは何人もいる。

 MSX2版のほかに、PC-88VA版やFM TOWNS版も発売されている。こちらはゲームアーツが開発した。

 あと、双葉社から出ているゲームブックにも触れておこう。ナムコスターズが主人公のアドベンチャーゲームになっている。井上尚美氏お得意の、外伝的オリジナルストーリーが良かった。作者の1人・助川哲也氏は、後のドリアン助川(現・明川哲也)さん。わたしも最近知ってびっくりした。

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