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インタビュー

“グローバルバージョン”を育てていく開発理念――「ドラゴンネスト」の正式サービスに向けて「ドラゴンネスト」運営チームインタビュー(1/3 ページ)

6月9日に正式サービスが開始されるNHN JapanのアクションRPG「ドラゴンネスト」の運営チームは、どうタイトルに向き合って、どうユーザーのことを考えてきたのかを聞いた。

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まもなく正式サービスに移行

 NHN JapanのオンラインアクションRPG「ドラゴンネスト」は、5月27日よりオープンβテストを迎えた当日、わずか2時間のうちに同時接続者数が、平日の昼間でありながら1万人を突破するほどのにぎわいを見せた。

 「ドラゴンネスト」は、EYEDENTITY GAMESが開発、NHN Japanが日本国内における独占提供契約を結び運営を担当するWindows用PC向けのオンラインアクションRPG。プレイヤーは、ドラゴンが暴政を奮っている世界を舞台に、平和を取り戻すことを目的にドラゴン討伐へと旅立つことになる。派手なアクション性と手軽で簡単な操作性、複数のユーザーが連携して楽しめる協力プレイを特徴としており、プレイヤーの職業ごとに数多くのアクションパターンが用意され、その組み合わせによって多彩な攻撃バリエーションを生み出すことができる。また、4人のプレイヤーキャラクタ―により、ストーリー展開が変化するマルチストーリーが採用されている。

 4月17日に開催された発表会では本作のテーマソングに起用されたKOKIAさんのライブステージや、もうひとつのテーマソングとキャラクターボイスに挑戦するGACKTさんやその他の豪華声優陣が登場。ゲームパッドへの対応や3Dチャットシステムの実装、コミック誌「少年ライバル」での漫画連載開始(6月4日発売号)、AR(拡張現実)への対応など、スケジュールを含めた盛りだくさんの内容で進められた。

 4月28日(水)から5月6日(木)までの期間にはクローズドβテスト(以下CBT)が、5月7日〜5月10日の期間にはエクストラクローズドβテスト(以下EXCBT)を行われ、5月27日からはオープンβテスト(以下、OBT)が実施されている。OBTでは「転職システム」が実装され、キャラクターレベルが15に到達した後、条件を満たす事で、既存の基本4職業(ウォーリアー・アーチャー・ソーサレス・クレリック)から、さらに強力なスキルを発動できる上位職業に転職できるようになっている。

 今回、OBTを迎える直前の「ドラゴンネスト」運営チームに話をうかがうことができた。インタビューに答えていただいたのは、NHN Japan ドラゴンネスト事業 プロデューサーの山縣周一氏とNHN Japan ドラゴンネスト事業 担当部長の杉浦俊輔氏。OBTの先にある正式サービスを見据えた、その自信に満ちた声をお届けしたい(以下、敬称略)。

NHN Japan ドラゴンネスト事業 プロデューサー 山縣周一氏(左)とNHN Japan ドラゴンネスト事業 担当部長 杉浦俊輔氏(右)

―― クローズドβテスト、エクストラクローズドβテストを経ての感想をお聞かせください。

杉浦 クローズドβテストはコンテンツ消費速度が懸念されていたので、まずその点を見たかったのとサーバの負荷という2点について検証させていただきました。ボリューム的には4日ほどのコンテンツボリュームをおいていたのですが、ほぼ想定どおりで推移。負荷についてもオープンしてから何も問題が起きずに終えることができました。エクストラクローズドβテストでは当初5000キャップほどを開放していたのですが、反響が大きくて急きょ上限を1万人に解放することにしました。最終日には開放した分、かなりのお客様に遊んでいただいたので、その伸びの際に負荷が発見できたので目的を達することができました。こうして得たデータに基づき、かつお客様からのご意見を集約すると3つの部分で特に目立って改善が必要だという判断に至っています。その1つ目がゲームパッド。2つ目が疲労度。3つ目がローカライズです。

―― 具体的に教えてください。

杉浦 1つ目のゲームパッドですが、ハンゲームパッドじゃなければ遊べないという不満が出ていました。現在、ハンゲームパッドユーティリティではなく、ゲームクライアント内でキーアサインできるよう開発を行っており、近いうちに実装したいと考えています。そして、2つ目の疲労度ですが、ある程度の消費は懸念されるとはいえ、現状ではその調整は考えずにいることにしています。少なすぎるという意見もありましたが、加速させることで逆に格差が生じてしまうと推測しています。その点は、別のキャラクターや闘技場などで遊んでいただければと考えております。後のローカライズに対してですが、もちろん誤字脱字は修正を入れ、より快適に使えるように進めております。

―― 本作ならではの意見などはありましたか?

山縣 エクストラクローズドβテストからPvPを実装したのですが、日本のお客様はPvPへの熱は低くて、どちらかといえば協力しながら達成するようなものがいいという意見をもらっています。そこで、タイムアタックであったりボスをどっちが早く倒すかといった、従来のものとは違った形でのPvPを企画しています。そういう意味では“日本企画”のPvPの仕様を入れていけたらという思いがあります。

―― 開発はどのへんまで要望が反映されるでしょうか?

杉浦 すべての要望が入るわけではないのですが、ニーズは応えていかなければいけないので、運営チームからの吸い出しをなるべく届けるよう努力しています。ゲームパッドの要望も日本の独自仕様ですが、去年の段階から要望していることなんです。他タイトルのアクションでも、8割方はゲームパッドを使用しているという実績がありますので、それを元に提案してクローズドβテストからは入れてもらえました。

―― ストーリー部分にも日本側の意見は踏み込んで反映されているのでしょうか?

山縣 メインストーリーにムービーシーンがあるのですが、日本からは演出やキャラクターの感情移入について提案させてもらっています。韓国ではムービーシーンを導入しているオンラインゲームもそう多くないのですが、日本のコンシューマゲームを開発しているスタッフも多くいたこともあり、これらの演出が物語への導入に効果的なことを理解してもらいました。韓国の開発会社では珍しく、キャラクター1人ひとりの意味づけもしっかり練られていて、なぜそこにいるのか、なぜこのモンスターはそこに生息しているのかなど綿密に設定が施されていますので、日本のお客様でも入りこみやすいのではないでしょうか。

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