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ゲイムマンは今あえて「上海」を取り上げてみたよゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/4 ページ)

第86回は「上海」を取り上げてみましょう。定番パズルゲームとして、PCやゲーム機のみならず、携帯電話やiPhone/iPadでも大人気。連載5周年ですし、ちょっと思い切って、あの場所へ行ってプレイしました!

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上海パねぇ

上海の観光名所・豫園によく似た風景の庭園にやってきた

 世界的に大ヒットしたパズルゲームといえば「テトリス」があまりにも有名だが、「テトリス」より前にPCから大ヒットしたのが「上海」だった。

 アメリカのブロディ・ロッカード氏が製作したPCゲームに、アクティビジョンが注目。1986年に商業ルートで発売された。そう、「上海」はアメリカ産だったのだ。

 ルールはきわめて単純。積み上げられた麻雀牌の中から、同じ牌を2枚ずつ取っていく。取れる牌は、上に別の牌が重なっておらず、左右どちらかが空いている(別の牌がない)状態の牌のみ。144枚すべての牌をなくせばクリアとなる。

 ただし麻雀牌には、同じ牌が2枚ではなく4枚ある。どういう組み合わせで牌を取っていくかを、よく考えなくてはならない。取る順番を間違えると、手詰まりになってしまうことがあるのだ。最悪の場合、残り2枚まで行ったのに、その2枚が重なっていて手詰まりになるケースもある。

 取れる状態になっている同種の牌が、3枚あると特に迷う。取った牌の下に同じ牌があると、「あぶねえー、こっち取っといて良かったー」と思う。逆に、4枚とも取れる状態になっていたらラッキーだ。

 てっぺんと、両サイド中段の牌は、多くの牌を塞いでいるので早めに取りたいところ。その後は、高く積み上がっている中央付近の牌から取っていくのがセオリーだが、端の方の牌もバランス良く取らないと、やはり手詰まりになりやすい。

画面はPCエンジン版。これが初期配列。真ん中の牌を早く取りたい
これが最後の最後に残り2枚が重なって、手詰まりになってしまった状態(ファミコン版「上海II」)
四筒(スーピン)が3枚取れる状態。ここの選択次第で手詰まりになる危険性もあるので迷う

ハドソンもしくはサン電子〜ゲーム業界にて〜

 日本でも1987年以降、各種PC版がシステムソフトから発売され、人気を博した。

 家庭用ゲーム機では、同じく1987年に発売されたPCエンジン版(ハドソン)が最初。PC版と同じように時間制限はなく、じっくり考えられる(対戦モードでは制限時間あり)。セレクトボタンでウィンドウを開き、取った牌を戻したり、取り除ける牌を表示したり、同じ配列でまた最初からやり直したりできる。

 クリアすると龍の絵が表示される。PCエンジン版では、クリアするたびに龍がだんだん大きくなっていく。

取り除ける牌を表示する「ヒント」コマンド。ここで何も表示されなかったら手詰まりだと分かる
PCエンジン版では通算3回クリアすれば龍の絵が完成。4回めのクリアで「名人」と表示される

 1987年には、ファミコン版「上海」(サン電子)も発売された。ファミコン版の画面では牌の厚みがなく、平面的に表示されている。牌の色によって何枚重なっているかが分かるようになっていた。家庭用ゲーム機ではほかに見ない表示方法だが、最初期の一部のPC版やアタリ版も、これに近いグラフィックだったようだ。

 このグラフィックでもわたしは、特に遊びにくいとは思わなかった。マシンの性能が多少劣っていても問題なくプレイできるのが、「上海」のいいところ。

 ファミコン版には「ソリティア」「トーナメント」「チャレンジ」の3つのモードがある。ソリティアは時間制限がなく、取った牌を戻す、取れる牌を表示する、最初からやり直すといったことも可能。一方トーナメントは、時間制限のあるモード。後のアーケード版とは違って、制限時間は数字で表示され、牌を取っても制限時間は増えない。またこのモードでは、ソリティアでできた一手戻しやヒント表示などができない。

 そしてチャレンジは、2人で交互に牌を取っていく対戦モード。ちなみにPCエンジン版にも対戦モードがあり、こちらは5人までの対戦ができる。

ファミコン版ではこのように、段の高さは色分けによって示される
時間制限つきの「上海」は、実はアーケード版よりファミコン版の方が先だった
クリアすると、龍の絵と「天晴」(あっぱれ)の文字が表示される

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